著作権法第10条2項は、「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物に該当しない。」と規定している。
著作権法第13条は、次の著作物が「この章の規定による権利の目的となることができない。」と規定している。これらの著作物の内容は、国民の権利や義務を形成するものであり、一般国民に対して広く周知されるべきものであるため、著作権による保護対象とすることは妥当でないと考えられるからである。
憲法その他の法令
条約(未批准条約を含む)、外国の法令、廃止された法令も含まれる。また、政府作成の法律案、法律草案、改正試案なども、本号に含まれるものと解する。ただし、新聞社が作成した日本国憲法改正私案のように、私人が作成した法令案は本号の対象外であって、著作権の対象となりうる。
国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
前2号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が作成するもの
著作物を伝達する場合に、実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に与えられる権利で、もとの著作物の著作権に抵触しない範囲で伝達者に認められる権利。
ただし、映画の著作物に固定化されたものについては、実演家及びレコード製作者の著作隣接権は認められない(ワンチャンス主義)。また、実演家が録音権・録画権を認めたものを「放送」するには実演家の追加許諾が及ばない点や、放送事業者等が放送権行使のために「録音・録画」することは著作隣接権に定める録音権、録画権の許諾を要しないなど、著作権法の法令用語と日常用語との混乱には留意を要する。
実演家 (演奏者、歌手、俳優、演出家など)に認められるもの
実演家には、実演に際して芸能的性質を付加する場合、著作者人格権に相当する権利として氏名表示権と同一性保持権が認められている。
録音権・録画権 自らの実演を録音、録画させる権利
放送権・有線放送権 自らの実演を放送・CATV放送させる権利
二次使用料受領権 自らの実演したCDやビデオなどが放送等で二次使用された場合に使用料を収受する権利
送信可能化権 インターネット通信により自らの実演を公衆送信させる権利
譲渡権 自らの実演を録画・録音したものを公衆へ譲渡する権利
貸与権 自らの実演したCDやビデオなどをレンタル利用させる権利
レコード製作者 (レコード・CD製作会社など)に認められるもの(いわゆる原盤権)
複製権 レコードを複製する権利
二次使用料受領権 レコードを放送等で二次使用された場合に使用料を収受する権利
送信可能化権 インターネット通信によりレコードを公衆送信させる権利
譲渡権 レコードの複製物を公衆へ譲渡する権利
貸与権 レコードをレンタル利用させる権利
放送事業者・有線放送事業者 (放送局・CATV局など)に認められるもの
複製権 放送を録画・録音及び写真的方法により複製する権利
再放送権・有線放送権 キー局放送を地方局放送したり、CATV放送したりする権利
送信可能化権 インターネット通信により放送を公衆送信させる権利
著作物の利用や使用について、その便宜上必要とされる範囲または著作権者の利権を害しない範囲において著作権が制限されることがある。主なものは以下の通り。
私的使用を目的とした複製(第30条)
個人的に又は家庭内、或いはこれに準ずる限られた範囲内において使用する場合は、権利者の承諾を得なくても複製を行うことが出来る。ただし、複製を行う装置・媒体がデジタル方式の場合は「補償金」を権利者に払わなければならないとされる(一般に「補償金」はそれらの装置や媒体を購入する時の値段に含まれる。詳しくは私的録音録画補償金制度を参照)。また、技術的保護手段(いわゆる「コピーガード」)を回避しての複製を意図的に行うことは、私的使用であっても ⇒権利者の承諾があった場合に初めて認められるとしている(ただ、ユーザーの間では、合法的に代金を支払って正規のソフトウェアを購入した場合においては、私的目的の範囲であれば、たとえそのソフトウェアのガードを回避してコピーを作成したとしても、「権利者に対し事前の複製許可を求めなくても、正規のお金を払ったのだから、実質的には問題無い。」とも考えられているようだ。しかしその「正規のお金」は有体物としてのソフトウェアの所有権に対する対価であって著作権に対する対価ではなく、所有権と著作権を混同したエンドユーザーの誤解に過ぎない。このことは、「顔真卿自書建中告身帖事件」(最高裁昭和59年1月20日第2小法廷・別冊ジュリスト著作権判例百選第3版No.157 4頁)で明らかになっているところである)。
図書館における複製(第31条)
政令で定められた図書館(公立図書館、国立国会図書館及び社団法人、財団法人並びに日本赤十字社の設置する図書館)において、利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(判例(多摩市立図書館事件)により当該著作物の半分以下。発行後相当期間を経過した(次の号が発行された)定期刊行物に掲載された個個の著作物にあっては、その全部)の複製物を1人につき1部提供する場合、図書館資料の保存の必要性がある場合、他の図書館等の求めに応じて絶版等の理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合、権利者の承諾が無くても複製が出来る。ただし、いずれも営利を目的としない場合に限られる。日米における図書館関係の著作権制限規定の検討の状況については、 ⇒鳥澤孝之. 日米における著作権法の図書館関係制限規定の見直しの動き. カレントアウェアネス. (289), 2006, 12-15.参照。
引用(第32条)
公表された著作物は自由に引用して利用することが出来る。ただしそれは公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならないとされる。
著作権の保護期間を参照
関連項目
著作権法
⇒アメリカ合衆国の著作権法(英語)
⇒オーストラリアの著作権法(英語)
⇒ヨーロッパ連合の著作権法(英語)
⇒イギリスの著作権法(英語)
⇒香港の著作権法(英語)
⇒カナダの著作権法(英語)