詳細は英語圏を参照世界の英語圏地域。濃い青色は英語が公用語または事実上の(de facto)公用語となっている地域。薄い青色は英語が公用語であるが主要な言語ではない地域。国別の英語話者人口 2/3をアメリカ合衆国一国が占める
英語を第一言語としている人の数は3億8千万人程度で、言語人口第1位の北方中国語(約9億人)と比べかなり少ない。しかし中国語が主に中国国内および各地の中国人社会だけで通用しているのに対して、英語で意思の疎通ができるあるいは英語を理解できる人口を考えると状況は一変し、文句なしに世界最大の使用人口を誇る言語といえる。英米の影響などで英語が国際共通語として使われるようになったこと、商業言語として確立したこと、科学技術を伝達する主要な言語となったこと、さらにパソコンやインターネットの普及で英語を元に作られたプログラミング言語やマークアップ言語の需要が高まったこともあり、第二言語 (English as a Second Language; ESL) として用いる人口は約6億人に上る。外国語 (English as a Foreign Language; EFL) として英語を学習・使用する人も多い。そのため、世界各国でイギリス方言・アメリカ方言などの英語の枠組みを超えた「新英語」が出現するようになった。
⇒Languages Spoken by more than 10 Million People (英語)
詳細はイギリス英語を参照
イギリスには、「容認発音(Received Pronunciation/RP、BBC English、Queen's Englishなど様々な呼称がある)」という伝統的な標準発音を用いた標準英語があったが、最近では「河口域英語 (Estuary English)」が新しい標準語として登場した。
英語以外に先住民族であるケルト民族の言語(ウェールズ語・ゲール語など)が話されている。イングランドによる同化政策を経てケルト諸語話者は激減したが、現在はウェールズ語などの復興策もとられている。
詳細はアメリカ英語を参照
アメリカ合衆国もイギリスと同様に、国家の公用語に関する法的な文章が存在しない。ただし州レベルでは英語を公用語とする州や英語とスペイン語を公用語と明文的に定める州もある。初期の頃は西ヨーロッパ系(特にゲルマン系)の移民が多く、英語優位の状況が確保されていたが、次第に東欧・南欧系が増え、さらにアジア・中南米(ヒスパニック問題を参照のこと)からの移民が大量に押し寄せてくると、英語の地位が揺るぎかねないといった風潮が英語話者(アングロ・サクソン系)の間で生まれてくる(イングリッシュ・オンリー運動)。
いずれにしても英語が国家の言語(国語)として通用しているのは事実で、教育の分野においては「バイリンガル教育かモノリンガル教育か」といった趣旨の問題がたびたび持ち出される。
カナダは元英領植民地であった地域だが、その英領植民地にそれ以前はヌーベルフランスであり、今でもフランス語が使われ続けているケベック州があることから、カナダ全体の公用語として英語とフランス語の両方が制定されており、連邦政府のサイトや企業の商品説明などは全て英仏両言語で行われている。また、アメリカ合衆国が隣に位置していることから、旧英領であるとはいえ、オーストラリアやインドなどほかの旧英領植民地とは違い、比べるとカナダの英語はイギリス英語よりもアメリカ英語に近いが、単語の綴りとしてはイギリス英語式を採用することが多い。ケベック州ではフランス語が公用語であることから、英語を母語とせず英語運用能力が高くない人も少なくないが、ケベック州以外ではほとんどフランス語が使われないこともあり、カナダ英語におけるフランス語の影響は皆無に近い。
詳細はオーストラリア英語を参照
現在オーストラリアで話されている英語は、イギリス英語が訛ったものである。訛りは比較的強いが、アメリカ英語程変化は激しくなく、オーストラリア映画などは他の英語圏でもイギリス英語を理解できるものなら分かる。
英語検定を参照
江戸末期にアメリカからの使節と交渉する必要が生じ、日本での英語の歴史が始まった。ジョン万次郎が著した日本最初の英会話教本には、(日本語とは語順の違う)英文の意味を取りやすいよう、漢文のような返り点が打たれていた。
今日、日本における英語は日常生活に必要不可欠なものとはなっていない。あくまでも科学技術や諸制度の吸収のための手段や通商の道具(商業英語)という位置付けである。
高校・大学受験、各種学校の必修・選択単位取得においては、英語を読解する能力が重視され、英文和訳を中心とした授業が行われている。アメリカ英語を正統、イギリス英語をオプションとして取り扱うケースが一般的であるが、これは世界の英語学習のなかでは特異な例に属する。また、せっかくの読解能力も日本語での出版活動が盛んであること、多くの英語の書籍が日本語へ翻訳されることから日常生活ではあまり役立たない。
一方、英語を「話す」、「聞く」能力を特殊技能と見なす傾向が、日本には認められる。これは、日本ではイギリスの植民地であった国々とは違って、大学の講義が英語ではなく母語(日本語)で受けることができること(母国語で講義を受けることのできない国の方が多い)、英語を母語とする外国人が 1% も国内に居住していないなどの複合的な要素によって、日本国内では英語を話す、聞く必要性に乏しいためである。