英語
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時制

英語の基本的な時制は、非過去 (nonpast) と過去 (past) の二つである。これはゲルマン語系言語に共通する特徴である。過去形は不規則変化動詞においては語幹変化で、規則変化動詞においては -ed 語尾を付して表現する。本来、英語には未来時制がないので、未来のことを表現するときは法の助動詞 will, shall を用いて表現したり、be going to という慣用表現を用いたりする。直近の予定は現在進行形で表現することもある。

英語の時制、法、相、態は以下のように結びつく。

時制法相態動詞
完了相進行相
-? (非過去)
-ed (過去)? (通常)
will (未来)? (通常)
have -en (完了)? (通常)
be -ing (進行)? (能動)
be -en (受動)do

時制、法 (will)、完了、進行が各2通りあるので、実質的な時間表現は16通りある。不定詞では相および態しか使えない。本来の時制の他、will による未来表現も時制に入れることがある。この場合、現在 (-?)、過去 (-ed)、未来 (will)、過去未来 (would) と呼ばれる。


英語の (aspect) は、完了相 (perfect -) と進行相 (progressive -) が存在する。
完了相
「助動詞 have + 過去分詞形動詞」によって表される。助動詞 have を過去形 had にすることにより、完了相の時制を表現することが可能である。

現在完了の例: She has gone to India.「彼女はインドへ行ってしまった。」

過去完了の例: He said that she had gone to India.「彼は、彼女がインドに行ってしまったのだと言った。」
過去完了を用いることにより、間接話法中において、時制の差異を表現することができる。これを「大過去」ともいう。現在完了と過去時制との違いは、後者が過去における事実を叙述するに過ぎないのに対し、前者は過去の行為が現在に及ぼす影響を含んでいること。したがって現在完了は経験や継続を表すのに使われる。

現在完了の例: She has gone to India.「彼女はインドへ行ってしまった(そのまま戻っていない)。」

過去の例: She went to India.「彼女はインドに行った(もう戻っているかもしれないし、戻っていないかもしれない)。」

現在完了の例: She has lived in India.「彼女はインドに住んだ経験がある」または「彼女はインドに(現在に至るまで)住み続けている。」

過去の例: She lived in India.「彼女は(過去のある時点で)インドに住んでいた(現在どこに住んでいるかは叙述していない)。」
古くは、自動詞の完了相は「助動詞"be"+過去分詞形動詞」によって表されていた。現在でも少数の自動詞は慣用的にこの形をとる。「少数」とはいえ、慣用により頻出である。

例 He is gone. 「彼は行ってしまった。」

例 The sun is set. 「日は沈んでしまった。」

例 I'm done with it. 「私はもう済みました。」

進行相
「助動詞"be"+現在分詞形動詞」によって表される。ただし、動作を表す動詞しか用いることはできない(例えば"know"や"have"は状態を表すので一般的には進行相にならない)。また、助動詞beを過去形"was", "were"にすることにより、進行相の過去時制を表現することが可能である。

現在進行形の例: She is playing tennis.「彼女はテニスをしている。」

過去進行形の例: She was playing tennis.「彼女はテニスをしていた。」


英語の能動態(active voice)と受動態(passive -)があり、能動態においては動詞によって表される状態・動作を主語が行うことを表す。一方受動態は、主語が何らかの動作を「されている」ことを表す。受動態は「助動詞be+過去分詞」で表現され、その場合の真の動作主は by で導かれる前置詞(prepositional phrase)によって表される。ただし、他動詞(transitive verb)に限定され、能動態において目的語を取らない自動詞(intransitive -)(例:"stand"「立つ」)は受動態にできない。また、助動詞beを過去形"was", "were"にすることにより、受動態の時制を表現することが可能である。

能動態の例: He builds a kennel.「彼は犬小屋を造る。」

受動態の例: A kennel is built (by him). 「犬小屋が(彼によって)造られる。」

なお、これらの法・時制・相を組み合わせて複雑な時間軸・動作の表現をすることも論理上可能になる。

例: He would say that the building had been being built.「彼は言うだろう、その建物は建設中であったと。」(wouldは仮定法、had beenが過去完了形、been beingが進行形、being builtが受動態)


be動詞の活用

be 動詞の原形は be である。仮定法過去においては人称に関係なく were となる(主語が you 以外の単数の場合は was が使われることもある)。過去分詞形は been、現在分詞、動名詞は being である。

直説法一人称二人称三人称
単数複数単数複数
現在形amareareisare
過去形waswerewerewaswere


助動詞

助動詞 (auxiliary verb) はなどの文法的機能を担い、意味を担う本動詞と共に用いる。
不定詞を後置する場合
助動詞には直後に原形不定詞を置くものと to不定詞を置くものがある。中でも、可能・義務・予定など、話者の意思を表すものは法助動詞 (modal auxiliary) と呼ばれ、助動詞の中でも使用の頻度が高い。

法助動詞の例: can, will, shall, may, must, need
古英語・中英語期に、一般動詞として使用されてきたものが転じて助動詞となったものがある(例: can < cunnan 「〜できる」)。must を除く法助動詞は過去形を持ち、本動詞の代わりに語形変化をして過去時制を表す。

例: Once I could swim very well.「私はかつて、上手く泳げた。」
英語には元来、未来時制は存在しないが、will, shall, be going to を用いることによって未来を表せる。
分詞を後置する場合
分詞を後置する助動詞には have, be があり、各々過去分詞・現在分詞と結びついて完了相・進行相を形成する。この場合、have, be は主語の人称・数・時制に対応して一般動詞の場合と同様の語形変化をする。
疑問文と否定文の形成

助動詞が無い文の場合
助動詞が無い肯定文を、疑問文・否定文にするには、助動詞 do を用いる。その場合の do は主語の人称・数・時制に対応して語形変化する。その際の語順は、疑問文の場合、「助動詞 do - 主語 - 本動詞」となる。

例: Do you swim? 「あなたは泳ぎますか?」

例: Does he swim? 「彼は泳ぎますか?」

例: Did you swim? 「あなたは泳ぎましたか?」
ただし be 動詞と、古風なイギリス英語における所有を表す have は do を使わずに主語と倒置させて疑問文を作る。

例: Are you a swimmer? 「あなたは泳者ですか?」

例: Have you a pen? 「ペンを持っていますか?」(古風なイギリス英語のみ)
否定文の語順は「主語 - 助動詞 do - 副詞 not - 本動詞」となる。一般に do と not が縮約して don't になる。疑問文と同様、be と古風なイギリス英語における have は、do を用いない。

例: I do not swim. 「私は泳ぎません。」

例: He does not swim. 「彼は泳ぎません。」

例: You did not swim. 「あなたは泳ぎませんでした。」

例: I am not a swimmer. 「私は泳者ではありません。」

例: I have not any money. 「私はお金をまったく持っていません。」(古風なイギリス英語のみ)

助動詞がある文の場合
助動詞がある肯定文を、疑問文にするには、助動詞を主語の直前に置き、語順を「助動詞 - 主語 - 本動詞」にする。

例: Can you swim? 「あなたは泳げますか?」

例: Are you swimming? 「あなたは泳いでいるのですか?」
また、助動詞の直後に副詞 not を置くことにより否定文を形成する。am と may を除き、n't を含む縮約形がある。

例: I will not swim. 「私は泳ぎません。」

例: I am not swimming. 「私は泳いでいません。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen