人称代名詞については、英語の人称代名詞を参照すること。
人称疑問詞・関係代名詞 who の格変化
人称疑問詞 (personal interrogative)・関係代名詞 (relative pronoun) who は、単数複数関係なく主格 who / 所有格 whose / 目的格 whom (who) の格変化をするのみである(非人称疑問詞 what/which は所有格 whose の変化のみ)。
名詞
可算名詞の複数変化
名詞の格、性による変化は消失したが、可算名詞(countable noun)は、複数を表す語尾として -s を付する(例: books「本」)。語が無声音で終わっていれば発音は [s]、有声音なら [z] となる。もともと語尾が"s"になっている語では、-es と付する(例: gases 「(数種の)気体」)。また、"f" /f/ で終わる語の中にも複数語尾が"-es"となる語があり、その場合 /f/ は有声化し [v] となる(例: leaves 「葉」)。なお、古英語時代の強変化名詞の中には、複数変化に伴う語幹の音変化を現代英語でも保っている物がある(例: mouse > mice 「ネズミ」)。また、単複同型のもの(例: fish 「魚」、Japanese 「日本人」)、弱変化名詞の変化を未だ保っているもの(例: ox > oxen 「オスの去勢牛」)、woman → women といった不規則変化など、例外も多くある。
名詞の所有表現
ある名詞が何らかを所有していることを表し、直後に置かれる他の名詞を形容詞的に修飾する場合、単数の場合は語尾に -'s、複数の場合は -'(アポストロフィのみ)を付する(例: the king's mother 「王の母」/ the kings' mother 「王たちの母」)。中英語期まで、所有を表すには属格(genitive)を用いていたが、現代では弱変化名詞属格の活用語尾の名残としてこのような形になって一般化した。また、前置詞 of を用いて所有関係を表すこともある(例: the crown of the king 「王の王冠」)。
派生名詞
他の品詞の語に語尾を追加して名詞化する例が多い。
動詞 + -er または -or …する人(行為者) 例: batter
動詞 + -ing …すること(行為) 例: batting
動詞 + -ment …すること(抽象的行為) 例: settlement
形容詞 + -ness …であること(状態) 例: madness
形容詞 + -ity …であること(状態) 例: speciality
形容詞 + -ality …であること(状態) 例: commonality
形容詞 + -ist …である人 例: specialist
名詞 + -ism …主義または傾向 例: capitalism
名詞 + -ist …主義者 例: capitalist
元の品詞と意味の派生方法は代表的なものだけを示した。逆に言えば、これらの語尾で終わる英単語はほぼ間違いなく名詞である。
一般動詞 (ordinary verb) は、法 (mood)、数 (number)、人称 (person) による活用をほぼ消失しており、三人称単数現在形で"-(e)s"が付されるだけである。時制(tense)による変化は不規則変化動詞においては現在形、過去形、過去分詞形でそれぞれ変化するが(例: rise/rose/risen 「昇る」)、規則変化動詞では過去形、過去分詞形に -ed 語尾が付されるのみとなる(例: walk/walked/walked 「歩く」)。また、動名詞 (gerund)・現在分詞 (present participle) においては全ての動詞において原形 (bare form) に -ing 語尾を付すれば良い。
ドイツ語 (-en) やフランス語 (-er, -ir) と違い、不定形 (inifinitive) に一見して動詞とわかる綴りの形はない。したがってある単語の原形が与えられたとき、動詞かどうか判断する方法はない。このため語形を変えずに品詞の転換が容易である。例: smoke は名詞では「煙」「タバコの一服」だが、そのまま動詞として「煙を出す」「タバコを吸う」とも使える。
英語の法は直説法、仮定法、命令法、条件法が存在する。
直説法 (indicative)
一般動詞においては過去形、過去分詞形、現在分詞形、動名詞、三人称単数現在形以外では目に見える形で活用せず、実質原形を用いる。
仮定法 (subjunctive)
中英語期以前までは、現在・過去のいずれの時制でも現れ、それぞれ固有の語形変化をもっていたが、現代では仮定法自体やや特殊な用法となっている。 if などを用いた条件節 (conditional clause) 内においては一般動詞を過去形に、be 動詞の場合は were にすることによって法を表現し(現在の口語では主語が you 以外の単数の場合 was が用いられることもある)、条件節以外では助動詞の過去形(例: would, could, might, should)を用いることによって表現する。仮定法本来の動詞変化が消失したためにこのような形で表現するのであるが、そのせいで動詞の語形変化で表される時制と、仮定法によって叙述される時制にズレが生じる。
例: If I were a bird, I could fly into the sky. 「もし私が鳥ならば、空に向かって飛んでいけるのだが。」
これを「仮定法過去」といい、叙述されているのは現在の状態・動作である。仮定法によって過去の状態・動作を叙述するには、次のような構造を用いる。
例: If I had been a bird, I could have flown into the sky. 「もし私が鳥だったならば、空に向かって飛んでいけたのだが。」
条件節内を「助動詞 have の過去形 had + 過去分詞」とし、主節 (main clause) 内を「助動詞過去形 + 助動詞 have + 過去分詞」とする。これを「仮定法過去完了」という。なお、主節の動詞が話者の意思を表す動詞 (intentional verb) の場合、従属節 (subordinate clause) 内の動詞が人称・時制にかかわらず原形になる場合があり、これを「仮定法現在」という。叙述されている時制は主節内の動詞の時制となる。これはアメリカ英語に多く見られる用法であり、イギリス英語では従属節内の動詞の前に should をおく。
例: He insisted that she be innocent.「彼は、彼女が無罪であると主張した。」(アメリカ英語)
例: He insisted that she should be innocent.「彼は、彼女が無罪であると主張した。」(イギリス英語)
このような動詞には、insist の他にも recommend, suggest などがある。仮定法の条件節において if を使わず、助動詞を倒置させることがしばしばある。
例: Had I had the money, I could have made my fortune. 「あの金さえあればひとやま築けたのに。」
命令法 (imperative)
動詞を原形で文 (sentence) の最初に置くことによって表現する。命令法以外では文頭に動詞の原形が置かれることはほとんど無い。
例: Be quiet. 「静かにしなさい。」 Go to school. 「学校に行け。」 Open the window. 「窓を開けなさい。」
英語の基本的な時制は、非過去 (nonpast) と過去 (past) の二つである。これはゲルマン語系言語に共通する特徴である。過去形は不規則変化動詞においては語幹変化で、規則変化動詞においては -ed 語尾を付して表現する。本来、英語には未来時制がないので、未来のことを表現するときは法の助動詞 will, shall を用いて表現したり、be going to という慣用表現を用いたりする。直近の予定は現在進行形で表現することもある。
英語の時制、法、相、態は以下のように結びつく。
時制法相態動詞
完了相進行相
-? (非過去)
-ed (過去)? (通常)
will (未来)? (通常)
have -en (完了)? (通常)
be -ing (進行)? (能動)
be -en (受動)do
時制、法 (will)、完了、進行が各2通りあるので、実質的な時間表現は16通りある。不定詞では相および態しか使えない。本来の時制の他、will による未来表現も時制に入れることがある。この場合、現在 (-?)、過去 (-ed)、未来 (will)、過去未来 (would) と呼ばれる。
英語の相 (aspect) は、完了相 (perfect -) と進行相 (progressive -) が存在する。
完了相
「助動詞 have + 過去分詞形動詞」によって表される。助動詞 have を過去形 had にすることにより、完了相の時制を表現することが可能である。
現在完了の例: She has gone to India.「彼女はインドへ行ってしまった。」
過去完了の例: He said that she had gone to India.「彼は、彼女がインドに行ってしまったのだと言った。