芸能人
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彼らは古くはローマ帝国時代はもとより、文芸の大いに賑わったルネサンスバロックの時代においても有力な資産家をパトロンとして得なければ後世に残る偉業もなし得なかったと言えよう。著名なクラシック作曲家の伝記をひもとけば、作りたくて作った曲とパトロンの歓心を得るために作られた曲が明白な場合が少なくない。一方、吟遊詩人や興行で回るサーカスの芸人のように民衆から金銭を募ることで生計を立てる人々も存在した。

近代以降の技術の進歩による映画や、ラジオテレビの出現で、また資本主義の急速な進展により大きく変化した。芸能人の活動の場がマスメディアに移っていったのである。従来の舞台の場合はその興業場所に芸能人、観客双方が足を運ばなければ成立しなかった。現代においては映画の発達やテレビ放送のネットワーク確立に伴い、フィルムやその他映像記録媒体に収録されたものとしてより広く多くの観客へ一度に提供するものとなったのである。まず映画によって同時に多数の場所で視聴可能となり、ラジオやテレビに至っては受信できる環境にありさえすれば自宅でも楽しむことが出来る。このような非常に簡易に享受できるメディアの急速な普及が既存の芸能と芸能人のあり方を根本的に変えてしまったと言える。収入面から言っても知名度を考えても、メディアへの露出はもはや芸能人にとって、成功するための必須とも言える条件になってしまった。が、これと同時に本来の芸を見せるのではなく、話術や容姿またはキャラクターなどが求められる傾向が強くなった。このような状況から、本来ラジオテレビの職業的出演者を指す「タレント」との個人毎の区別は次第に消え、多くの芸能人がラジオやテレビに活動を依存しているのが現状である。

この中で、日本の伝統芸能を担っていた能・歌舞伎などの役者は現代の「芸能人」の間に埋没していった。一方、落語家などの一部にはテレビ出演することで活路を開いた例もある。

舞台を撮影中継してテレビなどに流す方法もあり厳密な二分法は出来ない曖昧さもあるが、一方で舞台のみに感じられる迫真性や情緒の方に意義を認めて鑑賞する人も存在するため両者の間にはいくらか隔たりがある。


境界性の強い芸能人

前述のように定義や区分に曖昧さの多くなった「芸能人」というカテゴリに含まれるものの内部において、境界性の強いジャンルとして声優お菓子系アイドル地下アイドルがあげられる。

アニメ吹き替えなど声の仕事を専門に行う専業声優は芸能人に含まれるが、境界性が強いため区別されることが多い。これとは異なるケースとして、話題作りのため有名な歌手・タレント・俳優・文化人を声優に起用することがあり、有名芸能人という意味で芸能人と呼んでいることがある。そのためアニメファン・声優ファンは日頃より歌手や俳優等を「芸能人」と呼ぶことが多い。

いわゆるお菓子系アイドルも声優同様、境界性が強い。メジャーとされるアイドル雑誌にはあまり登場せず、クリームやホイップ等の「お菓子系雑誌」を中心に活躍している事が理由に挙げられる。近年ではお菓子系出身のAV女優や、お菓子系のテイストを持ったAV女優も多く登場しており、アイドルファンよりもアダルトビデオファンから支持を集めている。これらの理由から、お菓子系アイドルが歌手・タレント・俳優と区別される、と考えられる。

地下アイドルも声優・お菓子系アイドル同様、境界性が強いと考えられている。マスメディアには登場せず、ライヴ活動や撮影会等を中心に活躍しているため、有名芸能人と区別されることが多い。

境界性の強いジャンルで活躍している人物を一括する傾向は近年ますます拡散・進展しており、本来の活動場所の如何を問わず、テレビ等で取り上げられる芸能をもって収入を得る者すべてを「芸能人」と一括りにする一般人さえ見られる。つまり、噺家であろうが舞台役者であろうが元スポーツ選手であろうが、テレビ出演において自らの技や体験談などを披露するすべてを、「タレント活動をする」という理由によって「芸能人」に括ってしまう、極めて大雑把な捉え方である。そのような捉え方について、特に日本に於いては文化の退廃と見る向きもある。同様に、作曲家バンドプレーヤ等の演奏家を目指している立場においては、「この人は芸能人を目指している」と紹介される事に強く拒絶感を覚える事も多い。


犯罪

芸能リポーター梨元勝は芸能人が起す犯罪について、「覚醒剤の再犯率は、一般だと5割くらいだが、芸能界は7割と高い」と語っている[1]。また梨元は謹慎に至る芸能人の罪状は、

未成年タレントは写真週刊誌で報じられる飲酒、喫煙の発覚。

歌手は大麻、覚醒剤の使用や所持。

お笑いタレントは下半身のスキャンダル。

の3つのパターンが主だと語っている[1]。 

罪を犯したタレントが大手芸能事務に所属している場合、「容疑者」や「被告」ではなく、名前の後に「所属タレント」か「タレント」と表記され、犯罪者として表現されることもある(例:島田紳助稲垣吾郎など)。


再犯率が高い理由

不祥事に対する処分は所属事務所に委ねられるが、テレビ局側の判断になる事もある。タレントの謹慎期間は1年未満が大半で、警察沙汰になっても3~5ヶ月でテレビ番組に戻ってくる。一般なら不祥事を起せば、同じ会社には働けず、前科があるというだけで社会復帰も危ぶまれるが、芸能界は復帰が早い。それどころか、「不祥事を乗り越えて」などと芸能マスコミなどが挙って持ち上げる傾向も手伝って、タレントは反省せず犯罪を繰り返してしまう傾向が強い[1]。 

完全にテレビから姿を消した芸能人がいないわけではなく、田代まさしの様に何度も不祥事を起し芸能界から永久追放されたタレントや、羽賀研二のように元プロボクサーの暴力団幹部らと共に株取引の詐欺や恐喝といった重大犯罪を行ない逮捕・起訴されたり、愛人を殺害して芸能界を追放され、レコードも全部廃盤にされた歌手もいる。だが逆に言えば、田代の様に何度も犯罪を繰り返さない限りは、芸能界から消える事は無いという事になる。その為芸能関係者や芸能リポーターは芸能人の意識の低さと、不祥事を起したタレントを異常なまでにフォローする芸能界の甘さを指摘し、一般への影響(つまり、芸能人にさえなれれば悪いことをしても直ぐに戻れる)を懸念している[1]


復帰後

復帰後、目覚しい活動をすれば、それなりに評価される。だが、これもファッション観察家のノブ山田は覚醒剤騒動があったケイト・モスを例に上げ「不祥事で逆に才能が評価される風潮には疑問」と苦言を呈している[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki