自転車の祖先に当たる乗り物、またその着想についてはこれまでもさまざまな説が浮上しては否定されてきた。現在ではドライジーネ (Draisine) が、実際に製作されたことが確認できる自転車の始祖とされる。これは、1817年にドイツのカール・フォン・ドライス男爵によって発明された木製の乗り物で、ハンドルと前後同じ直径の二輪を備えている。クランクやペダル、チェーンといった駆動装置は付かず、足で直接地面を蹴って走るものであった。
1860年にはフランスでミショー型が発明された。これは現在の小児用の三輪車と同じようにペダルを前輪に直接取り付けたものであった。オリバー兄弟がピエール・ラルマンの発明に商機を感じ取り、ピエール・ミショーと組んで製造販売を始めた(詳細はベロシペード参照)。
1870年頃、英国のジェームズ・スターレーが、スピードを追求するために前輪を巨大化させたオーディナリー型自転車を発明。前輪は拡大を続け、直径が1.5メートルを超えるものも出現した。当時盛んに行われたレースなどスポーツ用に特化したもので、長距離のクロスカントリーライドまで行われた。しかし安定性が悪く、通常用としては乗車が困難であり、転倒すれば頭から落ちるようなものであった。日本では「だるま車」と呼ばれた。
1879年にローソンにより後輪チェーン駆動車が発明され、1884年ハンバー、マッカモン、BSAなどが後輪をチェーンで駆動し、低く長い車体の自転車を発売する。1885年にジェームズ・スターレーの甥ジョン・ケンプ・スターレーが「ローバー安全型自転車 (Rover Safety Bicycle)」の販売を開始する。車体の中心付近にペダルとクランクを設け、後輪とチェーンで連結することで動力を伝える現在の形である。このローバー安全型自転車が現在の自転車の原型とされている[1]。1888年にジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを実用化。その後フリーホイール機構が発明され、現在の自転車がほぼ完成された。
フレームは自転車を構成する上での最大の部品であり、根幹である。ハンドルやタイヤ、コンポーネントなどは含まないが、フロントフォークを含む。フロントフォークを除いた場合、「フレーム体」という。フレーム体は基本的に8本のパイプ(チューブとも言う)で構成されている。
フレームの詳しい構造については フレームを参照のこと。
フレームの形状は、基本形でありスポーツ車に多いダイヤモンドフレームのほか、シティサイクル(俗にいうママチャリ)に多く採用されているスタッガードやパラレル、U字などの形がある。主な相違点はトップチューブとダウンチューブの位置と形状で、ダイヤモンドフレームではトップチューブ、ダウンチューブともに直線的で、トップチューブは地面に平行、もしくはそれに近い。U字フレームではトップチューブ、ダウンチューブは曲線的または直線的であり、トップチューブは後方が下がるように取り付けられている。以前は、これらのチューブをラグといわれるジョイントを介して繋いでいたが、最近はチューブの端を直接溶接する繋ぎ方が多くなっている。
前輪とフレーム体の間でステアリングコラム(ヘッドチューブを貫いてハンドルまで至るフォークの上部)を中心に操舵可能なフロントフォーク。一般的には高張力鋼やステンレスなどの鉄合金、アルミなどで作られるが、スポーツ車ではチタンやカーボン繊維樹脂製のもの、サスペンション付きのもの等がある。形状としては先端まで直線的なストレートタイプと、先端が前方に湾曲しているベンドタイプがある。一般車では後者が主流。ステアリングコラムは地面に対して垂直でなく、後方に寝かせられている(キャスタ角)。また、ステアリングコラムの延長線が地面に交差する点とタイヤの接地面との距離をトレールと呼ぶ。トレール量とキャスタ角は合わせて走行時の挙動を示す指標となるが一方だけが提示される場合もある(キャスタ角は普通はコラムの角度だが、メーカーによってはステム取り付け部あたりからタイヤの接地点まで引いた線の傾きとする場合がある)。700cサイズの自転車の場合でトレールは45mmぐらいが標準的である。フロントフォークとフレーム体はベアリングを内蔵したヘッドパーツ(ヘッドセット)で結合される。ヘッドセットには、コラムに切ったネジで締め付け調整するノーマルタイプと、コラム内にナットを打ち込み上部からステムごと押し付けて調整するアヘッドタイプの二つがある。ヘッドパーツはフレーム体のヘッドチューブ(ステアリングコラムが入る部分)のパイプ径とステアリングコラムの根元部分(クラウンレースと呼びヘッドパーツのベアリング受けをはめ込む部分)で、JISサイズ、1インチ(ノーマルタイプ)1-1/8インチ(オーバーサイズ)1-1/4インチ(スーパーオーバーサイズ、フィッシャーサイズ)1-1/2インチ (OnePointFive) などの種類がある。古いものにはフレンチ規格 (35mm) など特殊なサイズのものもある。
人間の身体が自転車と接触する部分はペダル、サドル、ハンドルの3点である。この3点は日本では「三つのル」と呼ばれて、快適性を左右し、非常に乗り手個人の好みが分かれる部分である。主観による判断基準が多いため、技術というよりも趣向で選択する要素が多い。
操作用のハンドル。形によって、一文字ハンドル、ドロップハンドル、セミドロップハンドル、ブルホーンバーなどがある。ハンドルとステアリングコラムはステムで結合されている。
人の臀部を乗せる部分で乗り手の体重のほとんどをここで受け止める。よってサドルの相性は自転車の選択には重要である。初期には一枚革をサドルフレームに鋲で張った革サドルから始まり、現在では人間工学からアプローチをして多様なサドルが出回っている。しかし数々の革新が自転車の姿を変えてきたのにもかかわらず、サドルには基本形を大きく変える革新が起こっていない。伝統的な革サドルが現在も市場の一角を占め、愛好する人々も多い。また素材が違っていても現在のサドルのほとんどが、革サドルとほぼ同じ形状をしている。またプロの自転車選手はサドルに関しては保守的で、慣れたものを使い続けることが多く、時として所属チームの契約メーカー以外のものを使うこともある。
なおペダルに関しては駆動部分も兼ねているので次項目の駆動部分で説明する。
人間の筋力を推進力として変化させる部分。安全型自転車の確立以降、この部分に技術更新が形となって現れることが多い。外装型変速機の外観 横型パンタグラフ式内装型変速機の内部構造