キリスト教およびイスラーム、儒教では、自殺は宗教的に禁止されている。そのため、欧米やイスラーム諸国では自殺は犯罪と考えられ、自殺者には葬式が行われないなどの社会的な制約が課せられていた。カトリック洗礼を受けていた細川ガラシャは武士の妻として自害すべきだったがこれ故出来ず、家臣に胸を槍で突かせた。かつては、教会の墓地に埋葬することも許されなかった。ドイツの哲学者・ショーペンハウエルは『自殺について』のなかで、キリスト教の聖書の中に自殺を禁止している文言はなく、原理主義的に言えば、自殺を禁じているわけではないため、不当に貶められた自殺者の名誉を回復するべきだと指摘している。
キリスト教で自殺に対する否定的道徳評価が始まったのは、聖書に基づくものではなく4世紀の聖アウグスティヌスの時代とされる。当時は殉教者が多数にのぼり、信者の死を止めるために何らかの手を打たねばならなくなっていた。また10人に1人死ぬ者を定めるという「デシメーション」と呼ばれる習慣のあったことをアウグスティヌスは問題にした。693年にはトレド会議において自殺者を破門するという宣言がなされ、のちに聖トマス・アクィナスが自殺を生と死を司る神の権限を侵す罪であると述べるに至って、すでに広まっていた罪の観念はほぼ動かし難いものになった[8]。
しかし、文化によっては自殺に類するものが推奨される場合もある。ヒンドゥー教には、夫が死ねば妻も焼身自殺するという、寡婦殉死(サティー)の風習があった。マヤ文明では、一般に死をつかさどる神「ア・プチ」のほかに絞首台の女神「イシュタム」がいて、自殺者の魂を死後の楽園へ導くとされた。
仏教では自殺を「じせつ」と読む。死は永遠ではなく輪廻・転生により生とは隔て難いものであるが、これらは死生観を説いたものであり、現代の一般的な自殺の理由にはなりえない。一般的には、殺生は十悪の一つに数え、波羅夷罪(はらいざい)を犯すものであるとして、五戒の1つであるため、自殺もそれに抵触するとして禁じられている。ただし、病気などで死期が近い人が、病に苦しみ自らの存在が僧団の他の比丘(僧侶)に大きな迷惑をかけると自覚して、その結果、自発的に断食などにより死へ向う行為は自殺ではないとされる(『善見律』11など)。また仏や菩薩などが他者のために自らの身体を捨てる行為は、捨身(しゃしん)といい、これは最高の布施であるとして自殺とは捉えない。
したがって、かつての日本で行われた、焼身往生や補陀落渡海など、宗教的な理由から自らの命を絶つ場合や入定ミイラや行人塚のように人々の幸福のために自ら命を絶つ場合もあったが、この場合は自殺と見られることはなかった。
文化的に推奨される場合には、社会的圧力によって自殺が強要される場合もある。チェコのヤン・パラフや、フランスにおけるイラン人焼身自殺などである。また「抗議の意思を伝える政治的主張のため」とする自殺が行われる場合がある。これは後述の「焼身自殺」の項でも述べる。日本で有名な例では、織田信長の守役の平手政秀が死をもって信長の行動を諌めている。
現代のイスラム原理主義者による自爆テロにもそのような主張がなされることがあるが、強要・洗脳・煽動・追込み、そして、最も根本的には「同情を向けるための戦術」という面があり、さらには自殺と同時に殺人が行われることになるので、犯罪性が強い。多数派のイスラムの教義解釈によれば、敵の戦闘員に対しての自爆はジハードとして天国に行けるが、民間人に対しての自爆テロは自殺として永遠の滅びの刑罰が与えられるとされている。
また、文学的なテーマの一つであり、主人公の自殺にいたる心理など、物語の終焉や筋の展開のなかでえがかれることがおおい。日本文学では、夏目漱石の『こヽろ』、井上靖『しろばんば』など。また、自殺した文学者も、北村透谷、太宰治、芥川龍之介、有島武郎、川端康成、三島由紀夫、田宮虎彦など多くの有名な作家が人生を終える方法に選択している。
文学上の主題で問題にまでなったものとしては、ドイツの作家ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』で恋人との失恋に絶望し自殺した主人公を描き、その影響で模倣自殺する人が相次いだため発禁処分に処するところも出た事例がある。→ウェルテル効果
米国の独立系・非営利組織の医療施設評価認証機構である「ジョイント・コミッション」の医療事故報告制度の中では、病院内での重大な医療事故の最多のものは、自殺であるという。
日本医療機能評価機構による調査では、調査の3年間に29%の一般病院(精神科病床なし)で自殺が起こっている。その自殺者の入院理由となる疾患は、35%が悪性腫瘍である。
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自殺する手法として、男女を問わずもっとも多い[要出典]のが、首をロープなど紐状のものによって吊り、縊死することによる自殺である。
「首吊り自殺は酸欠による窒息死である」と誤解されやすいが、首吊りで窒息死するケースはわずかである。