リストカットを含む自傷行為が始まるのは精神的に最も不安定であった時期より数年遅れることが多く、若ければ10歳前後から始まる。酒や薬などを用いて始めることもあるが、多くの場合は自然に発症する。当初の感覚は強い憤り、不安、パニックなどである。前兆として、その感情を抑えようと物を投げたり壊したりすることもある。
当初は周囲に対する恥辱感から傷口を隠すことが多い。通常は腕時計やリストバンド、長袖などで傷口を隠す。小学生など、年齢が若い場合は自傷行為についての知識がさほどないためか、刃物以外で自傷行為をすることが多い。
自傷行為をすることによって、一時的に当初の精神的な苦痛は緩和される。しかし、それは自分を傷つけた直後だけなので、止めたいと思っていたとしても、また新たな精神的苦痛を負うことによって何度も繰り返してしまい、常習化するケースがほとんどである。何度も切っているとその部分の感覚が麻痺してくるうえ、血を見ることに慣れてくるので、常習化はさらに進む。また、夏服になると手首は目立つので、リストカットよりもアームカットをすることが多い。
一般には剃刀やカッターナイフなど鋭利な刃物を使うことが多い。自傷行為は切るだけではなく、自分で自分を殴ることもある。他には、バーニングをするためにドライヤーなどを使うこともある。また、激しい痛みを求める場合には鋏や包丁など刃先がギザギザした刃物を用いる事もある。切る時はただ切りたいという衝動に駆られるだけで切ることが多いが、後で傷跡やケロイドを見て醜く思い、自分自身を卑下してしまうこともある。
人間関係が不安定になることが多い。引きこもりのような状況になることもあるが、基本的には人との接触を望んでいるので、一時的なものであることが多い。しかし、対人関係はその後も不安定であることが多い。この状態が続いた場合、現実検討能力が全体的に弱体化していく。
自傷行為が原因で死亡まで至るケースは極めてまれであるが、静脈切断でもかなりの量の出血をすることがあり、極度の貧血のために心臓が弱ってしまうなど健康に差し支えることもある。また、精神的に乖離している場合、予定外に動脈を損傷することもあり、この場合本人の意思にかかわらず結果的に死亡してしまうこともある。
自傷者は、ある程度の時間がたつと精神的ストレスを言葉で表現することが多くなってくる。もともと自分自身の抑圧されたストレスが表現できなかった者に多いため、周囲の環境によっては回復することも少なからずある。実際に、精神的に落ち着けば自傷行為が治まる場合も多く、年齢と共に自傷行為をする人口は減る。これは、年齢に応じた経験によって自己を確立する術を手に入れたからと考えられる。また、結婚などによって治まることもある。しかし、愛情にうまく対応できず離婚してしまい、再び自傷行為をしてしまう者も多い。
だが、近親者からのひどい性的暴行を加えられた場合などでは、生涯にわたって影響が見られる場合が少なくない。成人の場合はその人はアダルトチルドレン (AC) であるとも考えられ、自傷者の中にもそう言っている者がいるが、より深刻な心的外傷後ストレス障害や解離性同一性障害の人もいる可能性もあるため、安易にこの用語は用いるべきではない。精神障害の診断と統計の手引き(DSM-IV)では自傷行為は多重人格を示唆する所見の一つとして数えられているくらいである。
自分の感じている世界とは違った世界観を持っているように見える。 相手がしている行為や、行動が自傷者からすると妙にちっぽけなものだと感じてしまう。 他人の気遣いの態度が逆に自分には偽善の態度にしか見えなくてイライラしてしまったりすることも少なくはない。 また、自傷していることに気がついた周りの者が興味本位に「傷を見せろ」と言ってくることがあり、言ってきた人に少なからず不快の念を覚えているのは確かである。
悲しみや怒り、孤独感や劣等感などの感情により衝動を抑えきれない状態に陥った時、または呼吸困難、頭痛、吐き気など精神的ストレスによる症状が同時に襲ってきた時、それを抑えるために自らを傷つけてしまうと一般的にはいわれている。しかし、本人にとっては具体的に何が引き金となり自傷行為を行うかはたいてい不明である。自傷を行う者は「ただ強い衝動があった」などといったはっきりとしない妙な説明をしてしまうことが多く、中には自傷をしている時点で記憶や意識がない場合もある。これはいわゆる解離性障害であるとみられる。
目的は死に到るための自殺ではなく、孤独感や空虚感を紛らわすための「自己の再確認」や「ストレス解消」といった、生きる願望が屈折した形になって現れる行為である。しかし、自傷行為は生きたいための行動であるにもかかわらず、本人に自殺願望があることも多い。自傷行為は自殺を抑えるための役には立つが、自殺願望がある場合には、最終的に自殺をしてしまうこともあるとされる。しかし、自傷行為による事故死と自殺は判別がつきにくく、実際の様相ははっきりとは分かっていない。自傷行為は社会的には理解されにくく不可思議なものとみなされてしまうことが多い。しかし、本人の状態に対する危険信号としての理解が必要である。
また、医師は初め脳器質疾患を疑うこともあるが、それは念のための診断である。肉体を切るとエンドルフィンというホルモンが分泌され、精神的な苦痛が緩和されるのでそれを無意識的に期待して切る者もあるとも考えられている。だが、大抵本人はこの事は分かっていない。
自傷行為の原因として、脳内のセロトニン不活性も考えられている。しかし、その生化学的因子は幼少期にトラウマを負ったことによっても形成されるとされているので、現時点ではそれが遺伝的因子と同一であるかについての結論は出ていない。
アルコール依存症などの遺伝的因子は、自傷行為をよりひどくする因子であると考えられている。
自傷行為をする者に最も疑われるのは境界性人格障害であり、鬱病、演技性人格障害、自己愛性人格障害、摂食障害、抜毛症、強迫性障害なども疑われる。また、統合失調症と判断されることもある。精神医学上は自傷行為はそれらの人格障害、精神病の二次的な症状であるとされ、それ単独で起こるとはされない。しかしながら実際には、必ずしも症状の深刻さと自傷行為のひどさは一致しないことが分かっている。