ほとんどが円柱形であるが、台形や四角形のものも存在する。例えばコンビーフの缶が台形なのは開けた時、中身がきれいに抜けるためである。
詰め込まれるものは飲料(缶飲料)、肉類(コンビーフなど)、魚介類(「ツナ」など)、野菜類(水煮、ホールトマトなど)、果物(シロップ漬け)、その他加工食品(サンマの蒲焼など)、油脂類(食用油、ラードなど)、調味料(主に業務用の調味料)など様々である。飲料を詰めた物は缶ジュース・缶コーヒー・缶ビールなどと呼ばれ、飲料以外の食品を詰めた物は缶詰と呼ばれる。
飲料の缶では、製造過程において、熱いまま缶に入れられるものについてはスチール缶が用いられる(缶コーヒーなど)。これは、冷えると中の圧力が下がり、アルミ缶では強度不足から大気圧によってへこんでしまうためである。このような内圧が低い缶を陰圧缶という。また炭酸飲料はその炭酸ガスによって内側から圧力がかかりへこむ心配がない。そのため缶の厚みを薄く、軽くできるアルミ缶が使われる。これは同じく陽圧缶という。しかし素材によって決まるわけではなく、スチールの陽圧缶などもある。簡単な見分け方としては、底が丸くへこんだドーム状をしているものは陽圧缶、平らなものは陰圧缶と判断できる。陽圧缶がドーム状なのは内圧に耐えるためである。最近は、CO2と製造時に使用する水の大幅な削減の為、飲料缶にタルク缶が製造されている。これは、原料のアルミもしくは鉄にPET樹脂を貼り付けており、そこからプレスする事で通常の陽圧缶が製造されるときに必要とされる潤滑油を必要としない。このため潤滑油の洗浄工程が無くなるので水の使用量削減が達成できた(製造業者は東洋製罐だけ)。特徴としてスチール缶では底が白い缶である。アルミ缶では底部PET樹脂は透明な為、区別がつかない。
食品だけでなく、石油などを入れる物も缶と呼ばれる(ドラム缶など)。ボイラーのことを缶と呼ぶこともある(清缶剤など)。また、船舶のエンジンも罐と呼ばれる。これは20世紀半ば位まで、船舶の機関はタービン機関が主流であった名残である。建築物やプラントに設置する金属製のタンクも缶と呼ぶことがあるが、これは密閉、開放を問わない。
缶飲料は手軽に買いやすいが空缶となるため、ごみの問題が顕著化している。よくあるごみの問題に缶の投げ捨て(ポイ捨て)が該当する。ポイ捨てによって町の景観が損なわれたり、リサイクルすることで資源の節約にもなるため自治体やメーカーではポイ捨ての禁止を呼びかけている。また空缶をタバコの灰皿代わりにする者もいるが、幼児などが誤って飲んでしまう事故があり、注意をしなければならない。
初期の缶は缶切りと呼ばれる道具を利用して開封した。食品用の缶詰の場合は円筒形の缶の円形の面を缶切りで切れ込みを入れてこじ開けた。飲料の缶の場合は円形の面に二か所穴(注ぎ口、空気穴)をあけ中の飲み物を注いだ。
飲料用の缶は、その後(1970年頃)プルタブ(プルトップ)と呼ばれる缶切りを必要としない蓋(口をつける個所に切り込みが入っている)が発明され、ガラス瓶からの移行が進んだ。初期のプルタブは、現在食品関係で使われるイージーオープン缶の小型版で、缶から切り口の部分が外れるが、プルタブの散乱が問題になったことから、現在は缶から外れないステイ・オン・タブ(SOT)が採用されている。
切り口が缶から外れるプルタブは、イージーオープン缶として、1990年頃から食品の缶詰にも利用されている。
1996年に小型ペットボトルの使用規制が解禁され、清涼飲料が500mlのペットボトルを中心に販売されるようになった。このため、アルミ缶の製造量の伸びが鈍化・減少する傾向があった。これに対して、アルミ缶製造業者(大和製缶)は2000年にペットボトルと同型の500mlのアルミ製ボトル缶を開発し対抗した(市販されたのは450mlビール缶が最初)。さらに、スチール製ボトル缶も開発され、コーヒーやお茶の容器として利用されている。
ボトル缶のメリットとして、蓋を閉めることができるので中身を一度に消費する必要がないことと、ペットボトルよりも熱動率がよく冷えやすいうえ、不要時はペットボトルのような専用プレス機(プレス→針金・ビニルバンド束ね)ではなく、金属製品用のプレス機(針金束ね無し)でスクラップに出来ることが挙げられる。
ボトル缶は蓋も容器自体と同じ材質であるため、蓋も含めてリサイクル可能であり、缶本体とキャップは分別しない。 ただ、事実上使い回しが出来るが、メーカーはあくまで使い切り容器なので、「空容器の転用はしないでください」 という注意書きがある商品もある。
「かん」の用字は元来「罐」であり、これは明治期にオランダ語 "kan", 英語 "can" の音に通じ、かつ円筒形の瓶(かめ)の意から本字を当てたもの。字体からわかるように「かん」の音は旁にある(「觀(観)」「勸(勧)」などと同様)。これに、「缶」の文字を当てるのは、戦後国語改革で当用漢字から、「罐」が外され、代字として偏の「缶」を慣習的に用い定着したところ常用漢字として採用されたことによる。しかし、「缶」は「フ・フウ」の音を有する別字であり、文字の伝統をあまりに無視したものとの批判が強い。同様の文字に、「芸」(ウン)と「藝」(ゲイ)の関係がある。
中身が空(から)の缶のうち、中身を詰める前の未使用の缶は空缶(くうかん)、使用済みの缶は空缶(あきかん)と呼ばれる。
近年はスポーツ・コンサート施設やイベント会場では気持ちよくそれらに参加・観覧してもらうようにするため、飲料類(缶・ガラス瓶・ペットボトル)の持参を規制しているところが増えている。特にJリーグでは、全てのスタジアム共通で「缶・ガラス瓶入り飲料は持ち込み禁止」 ⇒[1]となっており、持参者は入場時に紙コップやタンブラー(近年は環境の配慮の名目でタンブラーを推奨している例が多い)に移し変えるように指導している。
使用済みの缶は、子供でも簡単に入手できるため、缶けりなどの遊びに使われることがある。
関連項目
製缶
カテゴリ: 缶 | 容器
更新日時:2008年7月22日(火)15:22
取得日時:2008/09/04 22:07