繁殖(はんしょく)とは生物の個体が増える事を指す。自然に増える時にも、人工的に増やす時にも、この言葉が用いられる。
目次
1 人工繁殖が行われる目的
1.1 食糧生産
1.2 使役動物
1.3 薬用
1.4 原料用
1.5 実験動物
1.6 観賞用
1.7 愛玩動物
2 人工繁殖の意義
2.1 品種改良
2.2 種の保存
3 職業としての繁殖
3.1 農家
3.2 養殖漁業
3.3 畜産業
3.4 プロブリーダー
4 趣味としての繁殖
4.1 植物
4.2 哺乳類
4.3 鳥類
4.4 魚類
4.5 爬虫類
5 繁殖の行われ方
5.1 累代飼育
5.2 CB(キャプティブ・ブリード)
5.3 CH(キャプティブ・ハッチ)
5.4 半養殖
6 関連項目
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ある生物を飼育し、人工的に繁殖を行い、場合によっては累代飼育で代を重ねる、その目的は何なのか?
この節では、その主たる目的を大まかに分類して説明する。なお、生物によって複数の目的に利用される種がいるということも留意されたい。
狩猟採集では安定した食料確保が出来ない為、古代より家畜や農作物の飼育・繁殖は行われてきた。
最初は、野生の生物を特定の場所で飼養し、大きくしてから食べるだけだったと考えられている。その後、食料となる生物の育成方法が確立されてくると、繁殖も含めた「ライフサイクル」の全てを人の手で管理するようになっていった。
そうなると、「品種改良」や「計画的な生産」という、現代の第一次産業でも行われているようなことが出来るようになり、狩猟採集より効率的で確実な食糧生産が可能となった。
食料生産を目的とした繁殖は、人々の暮らしを変えた。農業や畜産業が始まると、狩猟採集の移動生活から農村に定住する暮らしへと、生活スタイルを変えた地域が多く出現した。それが、文明と都市国家が成立するきっかけのひとつになったといわれている。
食用としては利用しない場合もあるが、食用と兼用しているものも多い。
農耕馬や牛などが代表的だが、現代の農業は機械化が進んでいるため、そういった使役動物の出番は少なくなってきている。
しかし、現代でも犬は様々な目的で使役動物として利用されている。猫をネズミ捕りとして利用されている地域もある。
食用と兼用という薬草も多い(例としてはショウガ、ウコンなどを参照)が、完全に薬用として栽培されている種も存在する。
薬草を栽培することにより、コンスタントに薬を得ることが可能な上に、たいていは採集より安価に原料を得られる。また、希少な薬用生物を飼育栽培によって、野生下のものを乱獲から守ることに繋がる場合もある。
何らかの工業製品、加工品などを作る原料として、生物を飼育・栽培する場合もある。
皮革製品には牛、馬、羊など様々な動物の革が使われるが、それらは食用や使役用の動物から採る場合が多い。
しかし、原料を採集することを主目的に飼育されている生物というのも、少なからず存在する。
絹を採取する目的で蚕を飼育する、畳などの原料を得るためにイグサを栽培する、ムスクを得るためにジャコウジカを飼育する、こういったケースの繁殖が具体例として当てはまる。
理化学の実験のために、多種多様な実験動物が飼育栽培されている。 科学的な比較実験などを行うために、特殊な環境化(無菌状態など)で飼われるケース、特殊な処置を施されて繁殖させるケース(放射線を浴びせたり、安定同位体を摂取させて飼育したり)など、特殊な飼育繁殖が行われる場合が多い。
実験に都合がいいという理由だけでなく、他の近い種の生物にもみられる特徴を顕著に備えている、という理由で飼育繁殖が行われる場合もある(詳しくは→モデル生物)
代表的な実験動物としてマウス、ラット、ハムスター、ショウジョウバエ、ウーパールーパー、めだかなどがある。
食用など実用的な目的の中から、観賞用に特化した改良種が作られたケース(例としては金魚など)もあれば、最初から観賞用として採集された野生生物から改良が進められた種もある(例としてはグッピーなど)。
花卉や園芸植物や観賞魚の多くは、観賞用のためだけに飼育栽培が行われている。