速報の基礎となる地震動を観測する地震計の技術的問題やその特性による、誤報が発生することがある。機械の故障や雷サージ(雷による異常な電流)による誤作動、人為的なミスなどが原因として考えられる。
なかでも、安全にかかわる情報だけに、地震が発生していないときの誤報は特に問題となっている。2007年9月1日(防災の日)には東京都墨田区による緊急地震速報のメール配信システムに登録していた約5000人に、委託会社のミスにより「震度5強の地震が発生」とのメールが誤送信された。
2008年1月13日2時13分に、NHKの地上波・衛星の各テレビ放送(元から緊急地震速報のテロップ表示を行わないNHKワールドは除く)に、緊急地震速報(チャイム音・アナウンス・画面の一番下の日付時刻テロップ)が実際に流れたが、揺れが予測される地域が表示されなかった(気象庁から速報自体が発表されていないため、該当地域が出せない)。この時間、教育テレビとデジタル衛星ハイビジョンは放送休止中だったが、当然ながら誤報が発生している。夜が明けて5:00の総合テレビ「NHKニュース」で、この日担当の近藤敏之アナ(現・東京アナウンス室 当時はNHK情報ネットワークに出向していた。)から、これが通常の地震のニュース速報(同日2時11分に北海道で発生した最大震度4の地震)を誤って緊急地震速報として流してしまった旨のお詫びが放送された。地域が放送されなかったことにより、全国の視聴者の不安をいたずらに煽ることとなってしまった。なお、AM/FMラジオ全波と元から緊急地震速報のテロップ表示を行わないNHKワールドのテレビ・短波ラジオの放送には誤報は発生していない。誤報の原因は担当職員によるニュース速報テロップ装置の操作のミスとみられる。
2008年7月14日夜には、愛知の受信端末で「1分半後にM12.7 最大6弱」と高度利用者向けに速報が流れた(一般向けには発表されていない)。直後に受信端末が設置されている小中学校では生徒や教師などが避難行動をとった。実際には、千葉県沖を震源とする地震で最大震度2という情報が誤って流れてしまったといい、翌日に気象庁は陳謝した。本運用を開始してからは大規模な誤報である。なお、地震ではM8.5の地震ですら起きる可能性がないため、M12の地震は現実には起きない。
気象庁によれば、「緊急地震速報の受信装置の設置が義務化されている」などと偽って機器などを販売する悪質な訪問販売業者も出てきており、住宅用火災報知機の設置義務化時などと同様の被害が出ることが懸念されている。
全ての人が速報受信機能付き携帯電話を持っているわけではなく、またテレビやラジオをつけっ放しにしているわけではない。また有線ラジオ放送では警報告知は行なわれない。そのため、全ての人が常時緊急地震速報を受信できる状態にはない。従って、ひとりひとりの緊急地震速報の受信確率には情報格差のような差が生じる状態になることが考えられる。地震(の発生状況や震度を知らせる)速報などに比べて速報性が重視される緊急地震速報において、1回の受信の可能・不可能は、地震の発生を事前に知ることができるかできないか(あるいは自身の安全)に直結する。技術的な対応などで受信率を上げる検討がなされているが、国民全員を完全にカバーすることは難しい。
出典
気象庁
⇒緊急地震速報とは 2007年10月3日閲覧
⇒緊急地震速報を見聞きしたときは 2007年8月30日閲覧
⇒一般向け緊急地震速報の利用の心得 2007年8月30日閲覧
⇒緊急地震速報の利活用の手引き(施設管理者用)Ver.1.0 2007年8月3日閲覧
⇒「緊急地震速報」の受信装置の設置を義務化しているなどと話す業者にご注意ください 2007年8月30日閲覧
脚注^ 2007年9月20日気象庁開催の「 ⇒緊急地震速報の本運用開始に係る検討会(第8回)」において、日本テレビが同月4日に「世界初!画期的システム」とする特番を放送した旨、報告されている( ⇒資料ファイルp. 3)。
^ a b c d ⇒緊急地震速報の内容.気象庁.
^ ⇒ためしてみよう!! 緊急地震速報
^ a b c d e ⇒気象業務法の一部を改正する法律の施行(平成19年12月1日)に伴い、緊急地震速報を地震動の予報及び警報に位置づけることについて.気象庁.
^ a b c ⇒気象業務法(昭和二十七年六月二日法律第百六十五号).総務省行政管理局による ⇒法令データ提供システムのデータ.
^ ⇒QCASTシリーズ受信装置デモ画面 明星電気
^ ⇒新潟県中越沖地震で緊急地震速報受信 - YouTube, yas55, 2007年7月16日
^ ⇒http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2007/06/006.pdf NHK発表の緊急地震速報プレス
^ ⇒民放も緊急地震速報、全国のTV・ラジオで順次放送へ(読売新聞 2007年8月29日)
^ ⇒緊急地震速報の自動化開始(南海放送2008年4月24日)
^ ⇒緊急地震速報がスタート(静岡放送 2007年10月1日)