「一般向け」速報が初めて発表されたのは、2008年4月28日午前2時32分の沖縄県宮古島近海を震源とする地震だった。NHKではラジオ第2放送(この時間は放送休止中で停波していた)および国際放送NHKワールド(テレビ・ラジオ)を除く全メディアで緊急地震速報が流れた。だがこの地震速報では、震源地が海上であったため、海上に震度計がなく、実際に揺れが計測されたのは陸地に到達してからであった。そのため計算が間に合わず、発表されたのは島が揺れだしてから5秒後だった。地震発生時、深夜だったために多くの人が緊急地震速報を目にしていなかった。今回の地震速報でも、多くの弱点を突くものだった。
また、2008年5月8日午前1時45分の茨城県沖を震源とする地震の緊急地震速報は、揺れが始まってから約58秒後に発表されたものだった。総合テレビでは、ニュース放送中に緊急地震速報が発表されたため、アナウンサーが緊急地震速報発令に関して報道中に、突然画面が切り替わり、同時に緊急地震速報のテロップも消え、『JAPANナビゲーション』の放送を開始するなどの手違いも発生している。
衛星を介した緊急地震速報提供サービスに、モバイル放送の「Sバンド防災情報」がある[21]。大きな地震によりライフラインが遮断されても、電線さえ確保されていれば衛星から緊急地震速報を受信するため、災害向けとなっている。また、受信端末によっては位置を変えてもGPSにより自動修正するものもある。[22]なお、利用には同サービスの契約が必要となるほか、受信端末は専用受信端末で、放送番組は視聴できない。
文科省リーディングプロジェクトの「災害医療」の分野として、東京都立川市の(独)国立病院機構 災害医療センターにて平成15年から利活用の実験・検証が行なわれてきた。平成20年4月現在は、病院内の全館放送、エレベーター最寄り階停止、自動扉開放、放射線装置停止、情報表示機、現地地震計との連携(近い震源の地震に対応)を実施している。 また、「集客施設」の分野では、伊勢丹百貨店が全国10店舗で館内放送との連動を実施している。特に百貨店は不特定多数者が多い施設であるため、地震時の混乱を最小限にするためにも職員のみならず来客者自身も冷静な行動を心がける必要性がある。
その他の集客施設や公共施設などでも、システムの整備が完了した施設では、2007年10月から提供が始められている。
消防庁の全国瞬時警報システム(J-ALERT)を利用した自治体の防災行政無線による緊急地震速報も、2007年10月1日から開始した。システムの整備が完了した一部の市町村から提供が始められている。
携帯電話ではNTTドコモ・auおよびソフトバンクの端末で緊急地震速報を受信できるようにするため、配信システム・基盤をそれぞれ開発し、2008年発売の新機種からの受信機能搭載をめざしている [23] [24] [25]。このうちNTTドコモに関しては、2007年11月26日より順次発売のFOMA 905iシリーズ全機種、及び2008年2月より順次発売予定のFOMA 705iシリーズのFOMAハイスピード対応の一部機種から搭載し、無償で提供する「エリアメール」サービスを12月10日からスタートした[26] [27]。auに関しては2008年1月9日から順次発売の2008年春モデルの大半の機種[28]から搭載し、2008年3月25日から無償で提供する緊急地震速報サービス(Cメールを使用)をスタートした[29]。
既存のインターネット回線とパソコン端末を用いた有償サービス「The Last 10-Second」の提供をウェザーニューズが10月15日より開始した[30][31][32]。Windows 2000以降を搭載したPC及び常時接続可能なインターネット回線が必要である。2008年4月現在、個人が緊急地震速報に対応した専用端末を導入するためには多額の導入コストが必要であるが、既存の設備を活用することで安価にサービス提供できる点を特徴として挙げている。高度利用者向け緊急地震速報の分類に入るため、国内やその近海で発生したM3.5もしくは震度3以上の地震であれば、設定ですべてを受信することも可能。
マンションの共用部にインターネット回線と緊急地震速報の受信設備を設置し、インターホン設備に接続することにより、インターホンの機器・配線を活用して棟内に一斉配信するシステムが既に発売されている。 受信した緊急地震速報は各住戸に設置されているインターホン親機からカラーモニターでの表示や警報音声で居住者に通知される。インターホン設備は緊急地震速報に対応した専用の機種が必要となるが、来客対応用に常に待機状態を維持しているインターホン親機から警報できることがメリットであり、新築マンションを中心に採用が急増している。
「一般向け」緊急地震速報発表事例[33][34]地震発生時刻震央規模(暫定値)最大震度予測最大震度備考
2008年4月28日 02:32沖縄県宮古島近海M5.2震度4: 沖縄県宮古島震度5弱程度: 同左地震波検知後 4.6秒で第1報=「高度利用者向け」、10.6秒で第3報=「一般向け」を発表[33]。「一般向け」は初で、予測震度は宮古島で 4.8、実際の計測震度は宮古島市平良西仲宗根で 4.4だった[35]。海底が震源だったため、震度計のない海底では地震を感知できず、速報発表は地震波を検知してから約10秒後、宮古島市が揺れだしてから5秒後だったが、気象庁はこの遅れを「誤差の範囲内」としている[要出典]。主要動到達までの時間は、沖縄県宮古島市城辺で 第1報=「高度利用者向け」が2秒台[33]。