民法731条から736条までの規定に違反した婚姻( ⇒744条)、また、詐欺または強迫による婚姻( ⇒747条)は法定の手続に従って取り消しうる。これらは取消しであるから取り消されるまでは当該婚姻は一応は有効とされる。また、婚姻の取消しの効力には遡及効はなく、将来に向かってのみ効力を生ずる( ⇒748条1項)。
婚姻取消事由及び取消権者( ⇒744条)
婚姻の取消しの効力( ⇒748条)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する( ⇒民法750条)。
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない( ⇒民法752条)。
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなされる( ⇒民法753条)。ただし、成年擬制の効果は私法領域に限られる(公職選挙法・未成年者飲酒禁止法・未成年者喫煙禁止法などの公法領域には及ばない)。
夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない( ⇒民法754条)。なお、夫婦関係が実質的に破綻している場合には形式的に婚姻関係にあっても夫婦契約取消権を行使することはできない(昭和42年2月2日最高裁判所判決)。
婚姻によって夫婦間に生じる財産関係、すなわち夫婦の財産の帰属・管理および生活費の負担などを規律する制度。 ⇒民法756条以下により、婚姻届出前に契約によって定めることが認められている(契約財産制)。契約がない場合は法定財産制に従う( ⇒755条)。
契約財産制
契約財産制とは夫婦財産契約に基づく財産関係である。夫婦財産契約とは夫婦が婚姻の届出前にその財産関係についてなす契約であり、夫婦財産契約を定めた場合には法定財産制の適用はない( ⇒755条反対解釈)。日本で夫婦財産契約が締結される例は極めて少ないのが実情である。
法定財産制
法定財産制として、夫婦の財産を共有する共有制、各自が財産を所有する別産制などがあるが、日本では別産制を採用している。
婚姻費用の分担( ⇒760条)
婚姻生活の費用は、夫婦の「資産、収入その他一切の事情を考慮して」分担する。
日常家事による債務の連帯責任( ⇒761条)
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告して責任を免れることもできる。
夫婦間における財産の帰属( ⇒第762条)
夫婦の一方が婚姻前から有する財産および婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(単独所有)となる(その管理も各自行うこととなる)。夫婦のどちらに属するか明らかでない財産は共有と推定する。
法律上、婚姻関係は夫婦の一方が死亡した場合、夫婦の一方が失踪宣告を受けた場合、離婚が成立した場合に解消される。
中世において、結婚の記録は教会の教区簿冊に頼っていた。そのため、キリスト教の影響力が弱くなる等によりキリスト教によらない結婚や事実婚が増えると、結婚の記録に不備が生じる。結婚記録の不備は特に相続の場面において社会問題となった。そのため、例えばイギリスは法律により国教会によらない結婚は結婚として認めず、違反者には重い罰金を科すなどの政策をとったことがある[9]。
現代のスウェーデンでは56%の人が未婚のまま出産する[10]。多くはそのまま生涯未婚を通す。フランスでも半数以上が未婚のまま出産を行っている[11]。こうした婚外子は年々増加しつつある。こうした中で結婚しなくても夫婦と同等の権利になれる制度が法的に定められ、あくまでこの範囲の中で夫婦として子育てを行い、本当に愛し合い一生連れ添いたいとお互い思った場合のみ結婚を行うという考えが一般的になりつつある。
アメリカでは結婚は一般的なものの、46%とほぼ2組に1組の高い離婚率を示しており、先進国ではトップに位置している[12]。
日本においては、先進国の中で比較すると、結婚は非常に一般的であるといえる。婚外子も僅か2%だが、未婚率は年々上昇し20代で結婚しない人の割合は1960年の9.9%から2000年には54%まで上昇している。生涯未婚率は上昇しているが相対的に低く、2000年では男性12.57%、女性5.82%となっている[13]。
平均結婚年齢は年々上昇し、未婚率も上昇しており、非婚化・晩婚化が進んでいる。
要因として、一般的には女性の高学歴化や社会進出(賃金労働者化)などが言われている。山田昌弘は、「男性の収入の不安定化」「女性の専業主婦志望」をあげている[14]。
男性は収入が低く、将来の見通しが不安定だと、結婚率が低くなる(女性の場合は、年収と結婚率に相関関係はみられない)[15]。この現象は、1980年代から零細農家や小規模商店の男性が結婚できないという形で徐々に現れていたが、政府・自治体やマスコミでは「低収入の男性を差別することになる」としてタブー視され、触れられなかった[14]。