境界型糖尿病が2型糖尿病の前段階と考えられている。糖尿病の診断基準を満たしていないという意味では厳密には糖尿病ではない。しかし、糖尿病と同様に大血管障害、即ち心筋梗塞などを起こすリスクが高いということ、食事療法、運動療法以外に経口血糖降下薬を用いた薬物療法を行うことで慢性期合併症を予防できる可能性が示唆されているため、病気として扱い治療を受けた方がよいという意見もある(ガイドライン上は推奨されていない)。2型糖尿病と同様に生活習慣病である。
この時期の糖尿病は肝臓病としての側面が強く、糖新生を行う肝臓をターゲットとしたインスリン抵抗性を改善する薬がよく用いられる。またNASH、脂肪肝といった肝疾患との関連やメタボリックシンドロームとの関連が示唆されている。
MODY(モディ、Maturity Onset Diabetes of Young)、ミトコンドリア遺伝子異常、インスリン受容体異常症などが知られている。いずれも比較的若年に発症し、1型ほど重症ではなく、強い家族内発症がみられるという特徴があるが、臨床所見は大きく異なる。
MODY純粋に糖尿病のみを来すメンデル遺伝疾患で、常染色体優性遺伝を示す。内服薬による治療が奏効する場合が多い。MODYには6種類の病型があり、原因遺伝子はそれぞれHNF-4α(MODY1)、グルコキナーゼ(MODY2)、HNF-1α(MODY3)、IPF-1(MODY4)、HNF-1β(MODY5)、neuroD1(MODY6)である。
ミトコンドリア遺伝子異常そのメカニズム通り(参考: ミトコンドリアDNA)母方のみから遺伝し、難聴を伴うMIDD(Maternally Inherited Diabetes and Deafness)、最重症型で脳卒中・乳酸アシドーシスなどを来すMELASなど多彩な病像を呈する。ミトコンドリア遺伝子異常にはいくつかの変異ポイントがあるが、最多のものは3243A->G変異である。
インスリン受容体異常症黒色表皮腫や体毛が濃いなどの特徴的な体格がみられる。糖尿病として診断されるのはヘテロ接合型の患者であり、ホモ接合型では乳児期以降まで生存しない。
インスリン自体の遺伝子異常報告されているが極めてまれである。
いずれも診断にはゲノムDNAやミトコンドリアDNAを検体とした特殊な検査が必要である。
続発性糖尿病(ぞくはつせいとうにょうびょう、二次性糖尿病)(ICD-10:E13)は、他の疾患によって引き起こされる糖尿病である。以前は原因となる疾患と一括されていた。原因となる疾患は血糖の調節機構に挙げたホルモンが異常高値になるものである。
グルカゴンを異常分泌するグルカゴン産生腫瘍
糖質コルチコイド作用が異常増加するクッシング症候群、原発性アルドステロン症
アドレナリンを異常分泌する褐色細胞腫
成長ホルモンを異常分泌する成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症)
肝硬変
慢性膵炎、ヘモクロマトーシス、膵癌
筋緊張性ジストロフィー
薬剤性(サイアザイド系利尿薬、フェニトインなど)
続発性糖尿病は早期診断ができれば原因疾患の治療で完治が可能である。
詳細は妊娠糖尿病を参照
詳細はステロイド糖尿病を参照
糖尿病は、極度の高血糖(約600mg/dl以上)にならない限り自覚症状は多飲・多尿程度である(血糖値の上昇による浸透圧の上昇のため)。あるいは急性期(発症初期)の血糖高値のみでもこむらがえりなどの特異的な神経障害がおこることがある。慢性期になって、下記の合併症が発症したり進行すると、それに応じた症状が出現する。
糖尿病性昏睡は糖尿病の急性合併症であり、一時的に著しい高血糖になることによって昏睡状態となる。体調不良によって平常通りに服薬できなかった場合、いわゆるシックデイの時に特に起こりやすく糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、 高血糖性高浸透圧状態(HHS、非ケトン性高浸透圧性昏睡、HONK)、乳酸アシドーシスが有名である。
詳細は糖尿病性昏睡を参照
詳細は糖尿病慢性期合併症を参照
2型糖尿病の治療の目的は慢性期合併症の予防である。動脈硬化による合併症に近いものが多い傾向がある。分子中にアルデヒド基を持ち、蛋白質を構成する塩基性アミノ酸側鎖のアミノ基と高い反応性を持つブドウ糖の糖化ストレスにより血管系をはじめとした各器官に慢性的な障害をもたらす。このブドウ糖とタンパク質の反応はメイラード反応の前半部分に相当し、またアルデヒド基とアミノ残基の反応によるタンパク質の架橋反応である点でホルマリンによる生物組織の固定作用とも共通する要素を持つ。
特に有名な合併症は大血管障害としての心筋梗塞、小血管障害としては糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症の三大合併症などがあげられる。また感染症にかかりやすくなったりもする。
詳細は糖尿病の検査を参照