知覚とは、外界の情報を認識する機能のことである。
知覚系神経が過剰な活動を示したり、知覚情報の発生源を誤認したりすると錯覚や幻覚などの症状を生じる。錯覚と幻覚は似ているようだが錯覚はある物を間違って捉える事であるのに対して、幻覚は無い物をあると捉えるという点で違いがある。錯覚は健常者でも日常的に起こる一時的現象であるが、幻覚は精神疾患の診断基準のひとつとなる。幻覚には幻視、幻聴、幻嗅、幻味、体感幻覚などがある。特殊なものに、四肢を切断した患者において、喪失したはずの四肢を感じたりする幻肢がある。
また、眼球や眼神経は正常であるにも関わらず心因性に物が見えなくなる心因性盲、痛みの原因となる身体的疾患がないのに痛みを感じる疼痛性障害などの症状も存在する。
思考の障害には、思考過程の異常と思考内容の異常、思考の表現の異常がある。
思考過程の異常は、考える道筋や脈絡そのものが障害されている場合を指し、思考途絶(考えている途中に、突然内容を忘れたり考えが止まってしまう)、思考制止(考える力がなく、思考が進まない)、思考散乱、滅裂思考(思考がまとまらない)、観念奔逸(考えが次々湧き出して脱線してしまう)、思考保続(一旦考えたことが、その後の思考にも繰り返し現れる)、思考迂遠(結論を導き出すまでに脱線し時間がかかる)などがある。
思考内容の異常は妄想がある。妄想の内容によって被害妄想、誇大妄想、貧困妄想などに分類される。
思考の表現の異常には、強迫(?をしなくてはならない)思考、支配観念がある。
感情の異常は、様々な精神疾患でみられる。代表的なものはうつ状態においてみられる抑うつ気分や、躁状態における爽快気分であろう。他に感情鈍麻、興奮、不安、怒り、恍惚、両価性などがあげられる。
感情失禁
喜びなどが溢れ出して止まらなくなる障害。脳血管性痴呆で認められる。
ヒト以外の動物においては、精神症状は行動を介して発現する。ヒトの場合、精神症状を評価する場合には言語を重視しがちであるが、ヒトにおいても精神と行動は密接に関連している。例えば、典型的なうつ病では、摂食、排泄、睡眠、性行為などの基本的機能が障害される。また別の疾患では暴力、多量飲酒などの衝動性として現れることもある。他にも以下のようなものがある。
摂食行動の障害として、うつ状態における食欲低下がまず挙げられるが、摂食障害では拒食や過食などの食行動の異常がみられる。
睡眠の障害としては不眠(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など)、過眠、睡眠リズムの障害などがある。
性の障害として、性欲低下、性交疼痛症、陰萎などのほか、性対象の異常(自己性愛、小児性愛、フェチなど)、性目標の異常(露出症、窃視症、サディズム、マゾヒズム)などがある。
以下の(Fxx)分類はWHO国際疾病分類第10版(ICD-10)に基づく。
痴呆性疾患(F00-F03)、コルサコフ症候群、頭部外傷後遺症など、脳の大きな(=肉眼で分かるほど)病変による精神疾患のことをさす。
精神作用物質使用による精神および行動の障害 F1(F10-F19)
アルコール(F10)、アヘン(F11)、大麻(F12)、鎮静薬または催眠薬(F13)、コカイン(F14)、覚醒剤・カフェイン(F15)、幻覚薬(F16)、タバコ(F17)、揮発性溶剤(F18)などの精神作用物質に関連した精神疾患をさす。依存症、乱用、中毒などに分けられる。アルコール依存症、薬物依存症などがある。
統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害 F2(F20-F29)
統合失調症(F20)
統合失調症型障害(F21)
持続性妄想性障害(F22)
急性一過性精神病性障害(F23)
感応性妄想性障害(F24)
統合失調感情障害(F25)
気分障害(感情障害とも言う)とは主として気分が障害されるもので、
躁病(F30)
双極性障害(F31)躁うつ病とも言う。
うつ病(F32)
が挙げられる。
神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害 不安障害 F4(F40-F48)
恐怖症(F40)
単一恐怖
広場恐怖(F40.0)
社会恐怖(F40.1)
パニック障害(F41.0)
全般性不安障害(F41.1)
強迫性障害(F42)
DSM-IVでは、不安障害にPTSD及び急性ストレス障害を含む。ICD-10では、重度のストレス反応に分類される。
重症ストレス障害(F43)
急性ストレス障害
PTSD(F43.1)(心的外傷後ストレス障害)
適応障害(F43.2)
明確なストレス要因に対する不適応としての、抑うつ、不安など様々な症状のことをさす
解離性障害(F44)
解離性同一性障害(いわゆる多重人格)(F44.81)
身体表現性障害(F45)
転換性障害
心気症(F45.2)
疼痛性障害(F45.4)
身体醜形障害
身体の複数の部位について、他人が見るよりも遥かに醜いと本人が思い悩んでおり、頻回に美容整形術を受ける等の社会不適応行動を伴う障害。抑うつ状態等を合併することも多いが、患者は精神科ではなく美容整形外科などを訪れる事が多い。