プリチャージ(圧縮空気)式は、銃に装備されたシリンダーにおよそ200気圧(一部に300気圧まで充填可能なものもある)に及ぶ高圧空気を充填し弾丸の発射に用いる方式で、ハンマー/ストライカーで排気バルブを打撃し短時間開放することで一定量の圧縮空気を小出しに使用する。ポンピング動作や大きな力を要するコッキング動作も不要(ハンマー/ストライカーのコッキングのみ)となり、射手は装薬銃のように射撃に集中することができるようになった。ポンプ式同様、撃発時に大きな可動部を持たない構造は高い命中精度を持つ。競技用ではストライカーの打撃力だけではなく、レギュレータを装備し発射に使用する空気圧を一定に保つ構造が一般的で、一度の空気充填で多くの弾数を安定した初速で撃ち出せる。狩猟用では競技用に比べ弾数より威力に重点が置かれ、レギュレータは装備しないのが普通で、高精度な射撃を行う場合には充填圧の管理が重要となる。
空気の充填には、自転車用空気入れに似た形状のハンドポンプ、あるいは潜水等に用いるボンベに充填した呼吸用の圧縮空気を用いる。ハンドポンプは手軽ではあるが、200気圧に及ぶ高圧空気の充填には相応の労力を必要とする他、高温高圧になった空気から水分が分離することで生じる結露が、内部の腐蝕や劣化を招く場合があり、一般的には水分や不純物等を取り除いた呼吸用の圧縮空気の使用が推奨される。
この方式は、非常に高圧の空気を使用するため、ガスケットやパッキン類が多用されている。これらは消耗品であり、たった一つのパッキンの損傷で発射不可能になるなど、デリケートな構造でもある。そのため使用頻度にもよるが、数年ごとのオーバーホールは必須となり、維持管理に手間がかかる方式でもある。
競技用プリチャージ銃の供給ルートは限定されているため、あまり考える必要もないが、並行輸入の狩猟用プリチャージ銃の購入には注意が必要となる。部品の供給や修理オーバーホール等の窓口まで確保しておかないと、代理店は並行輸入銃の修理や部品供給は行わないため、数年で廃銃という可能性もある。 プリチャージには、充填に伴う補器類が必要であったり、構造的に神経質であったりという欠点は持つものの、その精度や利便性などのメリットは欠点を補って余りあるものであり、現在は競技用、狩猟用とも主流の方式となっている。ダイビングタンクにエアライフルのシリンダーを接続した状態K-DIN変換コネクタ
乾いた空気"dry air"とは、水分を除去した空気の事である。200?300気圧下では、空気中に含まれる水分が水滴となって現れるため、シリンダーやバルブ、蓄気室などの鉄製の部品が腐食される恐れがある。200?300気圧で充填されるダイビング用のタンク(5年毎の耐圧試験必要)もスチール製(アルミ製もある)のため、内部の腐食防止の為に"乾いた空気"での充填が必要であるため、ダイビングショップで比較的安価で入手が可能となっている。最近では海産物の密漁が横行している為、エアチャージの際に身分証明書の提示や、持ち込みタンクの製造番号チェックも行われることもある。手押しポンプの場合は、乾いた空気を作るための部品を別途用意する必要があることや、充填効率が悪く(フル充填はかなり疲れる)費用対効果には少々難点がある。自家製ドライエアを作るためのコンプレッサーも市販されているが、相当高価な上に設置に特別な許可が必要である。個人向けというより業務用の感が強い。
200気圧定格のシリンダーを装備する競技銃の場合、弾着への影響が顕著になるのは80気圧程度以下からである。シリンダーのマノメーター(残圧計)では、100気圧までがグリーンに色分けされており、このラインの中であれば安定した弾道を得られる。60発競技の場合では、試射も含めて90発程度の発射が必要であり、100気圧ラインより上で競技するには、最低でも140?150気圧程度の残圧を確保されたい。エアチャージの際に、タンク内とシリンダー内の残圧が概ね等しくなる為、タンクの容量は大きい方が経済的である。また、タンクの空気充填は25℃下での200気圧に設定する為、冬季の寒冷地では180?190気圧程度しか充填されないため、1回のチャージで発射できる弾数も少なくなる上、タンクの充填頻度も多くなる事になる。狩猟等の用途であれば、持ち運びの利便性を考慮してアルミ製の小容量のもの、競技用途で発射弾数が多いのであれば、出来るだけ大容量のもの(寒冷地では特に)を選択するなどが必要である。出来れば、スペアのシリンダーも用意しておいた方が好ましい。
種類はエアライフルとエアピストルに大別され、日本独自の銃種としてハンドライフルがある。通常、競技用の口径は4.5mmで、狩猟用の口径は4.5、5.0、5.5、6.35mmがある。
空気または不燃性のガスにより弾丸を発射するライフル銃である。ライフル銃と同様に銃身にライフル(旋条)が切られており、命中精度が高い。狩猟用・競技用に使用される。海外では無許可で所持できるケースが多いが、日本では厳しい銃刀法の規制下にあり、実技面の教習等が免除となるものの、他の手続きは装薬銃(散弾銃)と同じである。2008年現在、狩猟用、競技用エアライフル共に、プリチャージ(圧縮空気式)が主流である。
空気または不燃性のガスにより弾丸を発射する拳銃である。方式や構造はエアライフルに準じる。日本では口径4.5mmの競技用で、日本ライフル射撃協会(以下日ラ)が認めた銃のみ使用できる。 所持には日ラの推薦が要求され、日ラに所属し、エアライフルもしくはハンドライフルによる一定の実績と段級を取得することが必要になる。 許可される総数が500名と定められており、許可の更新は行われず2年ごとに新規に推薦を得て所持許可申請をする必要がある。この際、所持年数に応じた一定の成績が要求され、その条件を満たしていない場合、推薦はされず、したがって所持許可も下りないことになる。このため500名の枠ではあるが、かなり新陳代謝は激しい。
拳銃の所持が難しい日本独自の銃種である。基本的にはエアピストルに、エアライフルとしての寸法の基準を満たすよう、グリップ部にライフル様の簡易なストックを装着し、銃身にはスリーブをかぶせて延長したものである。これにより法律上はエアライフルと同じ扱いとなり、所持が容易となる。ストックはあくまで寸法を満たすだけのものであり、片手により据銃し、拳銃と同様に射撃を行うものである。
狩猟におけるこれら空気銃の威力は、競技用空気銃が初速約170m/s(ISSF規則は、初速=185m/s以下を規定)を、弾のエネルギー約9ジュールに対し、(エアピストルは凡そ5ジュールである)PCP(プレチャ?ジド・ニューマチック)空気銃では、初速400m/s以上、弾のエネルギー100ジュール以上ある銃もある。 狩猟用空気銃の種類として、威力の順に、CO2カートリッジ式、スプリング式、圧縮空気式、PCP式(スキューバタンク等より200?300気圧を充填する)があり、PCP空気銃は、50M先の500円玉相当の的に集弾させる事が出来る。 また、麻酔用の小型注射器を発射できる大口径・低速の麻酔銃も多く存在し、こちらは中・大型の野生動物保護の際に、麻酔を打つ際に利用される。
なお日本では、銃砲刀剣類所持等取締法の関係から、これら金属性(金属「製」ではない)の弾丸を発射する空気銃は玩具とは一線を引き厳しく制限されている。銃の所持には「免許」はなく、一銃一許可制である。所持する際に各都道府県公安委員会の許可が必要で、所持許可申請をする者は猟銃等講習会を受け、試験に合格する、医師の診断書を提出する、等の手続きがある。また所持許可の条件として、一定の基準を満たすガンロッカー(後述)と呼ばれる盗難を防止する保管場所が必要である。ガンロッカーは目立たない場所への収納が望ましい
銃を自宅等で、自ら保管する際に必要な保管場所として、設置を義務付けられている金属製のロッカーである。その適合基準は内閣府令によって定められている。具体的には
全ての部分が、厚さ1mm以上の鋼板製であること。
施錠の際、かんぬき機構などで、扉上下と本体が固定される構造であること。
外部から見える蝶番が切断・除去されても、扉が外れないこと。
内部に、鎖などの銃を固定する装置を有すること。
扉の錠は鎌錠など、外部からの力で容易に開錠できないものであること。