積分
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リーマン積分の例

次の積分

を区分求積法により求めてみよう。まず x の動く範囲 [0, 1] を n 等分し、pi+1 ? pi = 1/n とする(積分の値が分割の仕方に依らないので、計算しやすいようにこのようにする)。 明らかに Δ = 1/n であるから、x2 が積分範囲で単調増加であることと併せて、Mi = (i /n)2, mi = ((i + 1)/n)2。従って、上積分・下積分は、それぞれ

となる。下積分が

と書けることより、上積分と下積分の差は、

となるから、両者の値は等しい。従ってリーマン積分可能である。この時、下積分だけ求めれば十分であるから、

を得る。


リーマン積分不可能な関数

閉区間上で連続な関数は必ずリーマン積分を有する。積分を面積と捉えれば、有限個の不連続点しか持たない区分的に連続な関数もリーマン積分可能であるのは自然なことだろう。したがって、リーマン積分不能な関数は少なくとも無限個の不連続点を持たなければならない。 例えば、ディリクレの関数

は、リーマン積分不可能である。ここで、Q は有理数全体の集合を表す。積分

は積分範囲内にどのような点 pi を取っても、区間 [pi, pi+1] の中に有理数も無理数も必ず存在する。従って、恒等的に Mi = 1, mi = 0 が成り立つから、上積分が 1 で下積分が 0 となってしまい、両者の値が異なることより、リーマン積分不可能となるのである。

しかしながら、当に積分のリーマンの定義によって初めて、不連続点を稠密に含みながら積分可能な関数、というものも同時に現れるのである。以下の例は、リーマン自身によるものである(前出の論文)。 関数 (x) の値を、x が丁度整数間の中央にある時には 1/2、それ以外では、x から最も近い整数から x を引いたもの、と定義する。このとき、関数 f を

で定義すると、この関数 f は、n を整数、p を奇数として x = p/2n では不連続、従って無限個の不連続点を含んでいるが、積分可能な関数である。


広義リーマン積分

無限区間における積分(無限積分)、無限大に発散する点を含む区間における積分(異常積分、improper integral)など。極限により定まる。

これらの極限値が有限値に定まるとき、広義リーマン積分可能であるという。一方、広義リーマン積分可能でなくとも極限のとり方を限定するとき極限値が有限確定に存在することがある。たとえば

は ?∞ + ∞ の形の不定形であり、ε1, ε2 の 0 への近づき方により値が異なるため、広義リーマン積分可能でない。しかしながら ε1 = ε2 という特殊な場合には

となる。このように上下から同等の速さで特異点に近づける極限で現れる値をコーシーの主値という。


積分法に関する公式
被積分函数に関する線型性

積分区間に対する加法性

置換積分法
(a = x(α), b = x(β) なる条件の下)
部分積分法

平均値の定理


その他の積分


リーマン・スティルチェス積分

有界変動の関数 φ によるリーマン和の変形から定まる積分:

をリーマン・スティルチェス積分という。φ(x) = x のときは通常のリーマン積分。φ が可微分関数で φ' が連続なら、

で、これは密度を持つリーマン積分。


ルベーグ積分

狭義には、ルベーグ測度による積分。この意味では可算無限個の不連続点をもつ至る所連続な関数は積分できる。リーマン積分ではジョルダン測度を用いているため、前述のディリクレ関数などを積分することができなかったが、ルベーグの意味では積分可能である。有理点のルベーグ測度は 0 であり、積分の結果は 0 になる。ルベーグ可積分な函数がリーマン積分可能ならば、両積分の値は一致する。広義リーマン積分を特異積分と呼ばれる積分としてルベーグ積分に包摂するとき、狭義および広義のリーマン可積分函数はルベーグ可積分である。

広義には測度という汎関数を用いた積分作用素

測度論がやや抽象的なため取っ付きにくいが、その分積分自体は極限操作に秀でている。
詳しくはルベーグ積分を参照。


ルベーグ・スティルチェス積分

リーマン・スティルチェス積分の拡張。加法的集合関数の変動が定める測度に関するルベーグ積分。


リーマン型積分

通常のリーマン積分は、積分区間の分割の幅を一様に0に近づけたときの対応するリーマン和の極限として定義されるが、リーマン和の取り方や分割の幅の縮め方を変えることによってさまざまな積分を定義でき、このように定義される積分をリーマン型積分と言う。たとえば、マクシェイン積分(McShane integral)ヘンストック・カーツヴァイル積分(Henstock-Kurzweil integral)などのゲージ積分がリーマン型積分である。


関連項目

微分法

不定積分

線積分

面積分

ルベーグ積分

ガウス求積


参考文献

積分に関する教科書・参考書は膨大な量になるが、利用者の便を図り、レベル・内容別に有用と思われる文献を挙げる。

入門者向け

篠崎寿夫、松浦武信『ルベーグ積分と関数空間入門』現代工学社 1991年 ISBN 4-87472-149-4: 物理・工学系の学生向け


カテゴリ: 微分積分学 | 初等数学 | 数学に関する記事 | 数値積分

更新日時:2008年10月9日(木)01:39
取得日時:2008/10/12 10:30


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki