しかし、地球の自転周期は一定でなく、平均太陽日を元にした定義では秒が正確に定義できないことがわかった。そこで、1954年の第10回国際度量衡総会(CGPM)での決議に基づき、1956年の国際度量衡委員会(CIPM)において、「1900年の年初に近い時で、太陽の幾何学(章動と光行差の影響を除いた)平均黄経が 279度41分48.04秒 なる時刻を基点として測り、この時刻を暦表時1900年1月0日の12時(日本時間で1899年12月31日21時)と定義する。暦表時秒とはこの時刻から1太陽年の 1/31556925.9747」と定義が改められた。このときに使用したのは、18世紀から19世紀までの天文観測に基づいて1900年以降の太陽の運動を示す方程式を記述した「ニューカムによる太陽の見かけの(光行差を考慮した)平均黄経」であった。この定義は1960年の第11回国際度量衡総会で批准された。1900年というのは、これが平均太陽日が86400秒になる時代であるという意味ではない。単に時間を決めるための基準点としてきりの良い日附が選ばれただけである。暦表時とは、ニュートン力学に基づき地球の公転周期を元にして定めた時刻である。
原子時計が開発されたことにより、観測によってしか決定できない地球の公転よりも、実験室で求めることのできる原子時計を秒の定義に使うことが決定された。
その数年後、アメリカ海軍観測所(USNO)の2人の天文学者とイギリス国立物理学研究所の2人の天文学者が、セシウム原子の超微細遷移周波数と暦表秒との間の関係を求めた。その結果、1967年の第13回国際度量衡総会において、現在の原子時によるSIの秒の定義が決定された。
基底状態は磁場0の状態で定義される。このようにして定められる秒は暦表秒に等しい。
秒の定義について、1997年の国際度量衡局(BIPM)の会議で「この定義は0ケルビン(K)におけるセシウム原子について言及したものである」という声明が出された。
「秒」という漢字の元々の意味は、小麦や稲などの芒(のぎ。穂先の堅い毛)のことである。そこから、わずかなもの、微細なものの意味となった。『孫子算経』では、小数の位取りに「秒」を用い、毛の10分の1(すなわち0.0001、1万分の1)を秒としている。宋代にこの秒は糸に置き替えられた。明代に西洋の時法が伝わったとき、わずかな時間であるsecondに秒の字が宛てられた。
秒の倍量単位は、定義上はキロ秒、メガ秒などもありうるが、通常は分・時間・日・週・月・年・世紀・千年紀などの慣用の単位が使われるため、接頭辞つきの単位はほとんど用いられない。参考までに、これらの慣用の単位を秒だけで表すと以下のようになる。
1分 = 60 s
1時間 = 60分 = 3 600 s = 3.6 ks
1日(平均太陽日) = 24時間 = 86 400 s = 86.4 ks
1週 = 7日 = 604 800 s = 604.8 ks
1月 = 30日(31日の月もある) = 2 592 000 s = 2.592 Ms
1年(暦表年) = 365日(366日の年もある) = 31 536 000 s = 31.536 Ms
1世紀 = 100年 = 36 524日(24回閏日があるものとする) = 3 155 673 600 s = 約 3.1557 Gs
1千年紀 = 1000年 = 365 248日(248日閏日があるものとする) = 31 557 427 200 s = 約 31.557 Gs
逆に1秒は慣用の単位では以下のように表される(全て、6桁目を四捨五入している)。
1秒 = 1.6667 × 10-2 分
1秒 = 2.7778 × 10-4 時間
1秒 = 1.1574 × 10-5 日
1秒 = 1.6534 × 10-6 週
1秒 = 3.8580 × 10-7 月
1秒 = 3.1710 × 10-8 年
1秒 = 3.1689 × 10-10 世紀
1秒 = 3.1689 × 10-11 千年紀
分量単位には以下のものがある。
ミリ秒(ms)は1000分の1秒に等しい。ミリ秒は、音声学で音素の期間を測るためによく使われる。また、一般的なストップウオッチにおける最小の単位でもある
マイクロ秒(μs)は100万分の1(10-6)秒に等しい。マイクロ秒は、原子の反応や化学反応のような、通常わずかな時間で起こるような現象の時間の計測によく用いられる。
ナノ秒(ns)は、10-9秒に等しい。
ナノ秒が日常生活に登場することはまずない。技術的な場面では、コンピュータ、電気通信、パルスレーザーといくつかの電子機器でよく使われる単位である。
1ナノ秒の間に光は真空中を 299.792458 mm(これはメートルの定義値に基づく正確な値である)進む。しかし、真空以外の空間中ではそれよりも遅くなり、それは屈折率n(1以上)によって示される。空気(n = 1.000292)中では光は1ナノ秒間に約 298.9 mm 進むが、水(n = 1.33)の中では約 225.4 mm になる。
ピコ秒(ps)は、10-12秒に等しい。
フェムト秒(fs)は、10-15秒に等しい。
可視光の波は、およそ1フェムト秒の周期で振動する。
アト秒(as)は、10-18秒に等しい。
現在、計測することのできる最も短い時間(2004年2月現在)は100アト秒である。 ⇒(BBCニュース)
ゼプト秒(zs)は、10-21秒に等しい。
ヨクト秒(ys)は、10-24秒に等しい。
外部リンク
⇒Official BIPM definition of the second
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カテゴリ: 時間の単位 | SI基本単位 | CGS単位系 | 自然科学関連のスタブ項目
更新日時:2008年7月28日(月)08:04
取得日時:2008/10/04 21:32