社会学の主たる研究テーマの一つは、秩序問題、すなわち社会秩序や、何らかの社会への協力行動と関連した問題群である。具体的には、治安や犯罪、逸脱行動、地位/役割、権力/支配関係、利他的行動、社会的ジレンマなどが問題にされる。また、社会心理学や小集団実験と関連する研究も多い。とりわけ近年では、社会的な包摂/排除や治安・犯罪に関わるテーマが世界的に注目されている。数理社会学や合理的選択理論の手法を用いた研究も盛んになっている。
こうしたミクロ・レベルでの秩序問題の解明とともに、マクロな社会構造とその時代的変化、すなわち社会変動の分析も、社会学の主要なテーマである。たとえば、産業社会や労働市場、社会階層、学校システム、家族や地域社会、国家社会などの構造や問題構制の変容過程などである。これらの分野では、社会システム論による総合的な理論蓄積のほか、大規模な調査データを元にした個別的な研究成果も多く挙がっている。
社会変動研究は、もともと近代主義的、発展段階論的な視点によるものが多かったが(マルクス主義社会学もその一つに数えられよう)、実際の資本主義社会の変容(たとえば脱産業社会化)や隣接学問分野の動向を見据え、今日では、そうした古典的研究の批判的継承のもとに(たとえばポスト・マルクス主義社会学)、さまざまな社会現象とその変化に関する解釈学的(=歴史的)、構築主義的な研究が広く行われている。
高度経済成長期以降の日本の社会学でも、やはり産業社会化、都市社会化、大衆社会化といった近代化に伴う社会変動が主として扱われてきたが、最近では、脱産業化、少子高齢化、情報テクノロジー化、ネットワーク化、グローバル化などによる社会的、物質的変容に焦点を据えた研究が取り組まれるようになっている。
社会学が対象とする領域は幅広いため、特定の分野を扱う連字符社会学(カール・マンハイムの命名による)が大量に発達することになった。その分野の歴史や他の学問への影響、方法論などはさまざまである。以下は連字符社会学の一例。
医療社会学
エスニシティの社会学
音楽社会学
科学社会学
家族社会学
環境社会学
教育社会学
経営社会学
経済社会学
国際社会学
産業社会学
社会学の社会学
宗教社会学
情報社会学
スポーツ社会学
政治社会学
セクシュアリティの社会学
組織社会学
地域社会学
知識社会学
都市社会学
農村社会学
犯罪社会学
文学社会学
文化社会学
法社会学
歴史社会学
労働社会学
老年社会学
軍事社会学
隣接・下位分野
社会経済学
社会言語学 - コミュニケーション論 - 社会情報学
社会心理学
社会病理学
社会階層論
社会ネットワーク論
行動科学 - 社会統計学
ジェンダー論
社会福祉学
(古典・教科書・啓蒙書)
マックス・ウェーバー『社会学の根本概念』(岩波文庫, 1972年)
エミール・デュルケム『社会学的方法の規準』(岩波文庫, 1978年)
アンソニー・ギデンズ『社会学の新しい方法的規準 第二版』(而立書房, 2000年)
アンソニー・ギデンズ『社会学 第四版』(而立書房, 2004年)
山田實『社会学への道案内』(芦書房, 2004年)
(講座・シリーズ)
『リーディングス 日本の社会学』全20巻(東京大学出版会, 1985-7年)
『岩波講座 現代社会学』全26巻+別巻1、井上俊、上野千鶴子、大澤真幸、見田宗介、吉見俊哉編(岩波書店, 1995-7年)
『講座社会学』全16巻、北川隆吉、塩原力、蓮見音彦編(東京大学出版会, 1998年-)
『講座 社会変動』全10巻(ミネルヴァ書房, 2001年-)
『社会学のアクチュアリティ』全12巻+別巻2、武川正吾、友枝敏雄、西原和久、山田昌弘、吉原直樹編(東信堂, 2004年)
(翻訳シリーズ)
『現代社会学大系』全15巻、日高六郎、岩井弘融、中野卓、浜島朗、田中清助、北川隆吉編(青木書店, 1970年- ※復刻版有)