社会主義国家
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社会主義国の抑圧体制

暴力革命によってプロレタリア独裁を実行したことから、結果的に社会のあらゆる組織や営みを国が管理・支配する社会が生まれた。言論の自由がなく、秘密警察が市民を監視する社会である(当時ルーマニアでは人口2,300万人に対し、秘密警察は200万人いると言われていた。無論常識をはるかに上回った数字であり、歴史修正主義者によるプロパガンダとの批判もある)。体制の最高指導者の政策に異議を唱えるものは、「人民の敵」「反革命分子」等の烙印を押され、まともな裁判も受けられずに処刑され、または収容所精神病院へ送られた。ソ連においてはスターリンによる粛清が最も悪名高く、独ソ開戦当初ソ連軍の敗北が続いたのは、軍隊での大量粛清の影響だとする説もある程であった。このような弾圧は言論のみならず芸術宗教、数々の演劇関係者、演奏者、作曲家文学者が「反革命的」であるとして断罪され、ある者は銃殺されある者は公表の機会を奪われある者は作風を変えられある者は家族を捨てて亡命した(例えばメイエルホリドソルジェニーツィンショスタコーヴィッチ社会主義リアリズム参照)。

東ドイツが建国された1949年から、ベルリンの壁が建設される1961年まで、つまりわずか11年足らずの間に、270万人もの東ドイツ国民が西側に亡命した(1989年、東ドイツの総人口は1,700万人)。西ドイツで公式に亡命者として登録された人だけでも270万に達し、親族や知り合いを頼って移住し、亡命者として登録していない人も含めれば、実数はこれよりも多いと考えられている。東西ドイツが統一するまでに亡命したドイツ人の数は東ドイツの人口の二割とも言われている(当然ながら、西から東へと移住した人もいる)。

カンボジアのポル・ポト政権は、中国の文化大革命に触発されて極端な農業化を推し進め、人口700万の同国で150万から300万の国民(国外亡命者を含む)を処刑した。

1989年6月には、中国・北京天安門広場で民主化を求める学生デモが発生したが、中国政府はこれを武力で鎮圧した(天安門事件)。事件での犠牲者について、中国政府は軍人を含む319人と発表したが、実際にはもっと多いのではないかと推測する者もいる。また、2005年反日暴動に前後して、インターネットにおける中国政府の検閲や同国の国定教科書が話題になった。


社会主義国の低生産性

計画経済の下では資本主義諸国に比べ生産性の向上が遅い。これには、

市場での競争原理が働かないため、各事業体がノルマの達成だけを考え、商品や生産技術の向上を考えない

厳しいノルマの生産計画により、生産設備も労働者も疲弊してしまう

労働者がどのように働いても同じ給与しか得られないことからモチベーションが低くなりがちである

需要と供給を考慮せずに計画を立ててしまうことから、場合によっては製造しても超過供給となり、資源を浪費する

無能な経営者の淘汰が構造的に起きにくい(資本主義では株主などの直接的な利害関係者がチェックし経営者を変えられる。最悪の場合は企業が倒産する)

などの理由が挙げられている。また、冷戦による軍事費の増大は、経済基盤が元々西側ほどは強くない社会主義国にとっては大きな負担となった。

このため経済的に困窮した社会主義国のなかには、麻薬の栽培、兵器輸出等を主産業として外貨を得ている場合がある。東アジアでは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるミサイル技術や核兵器の拡散、日本人韓国人の拉致北朝鮮による日本人拉致問題北朝鮮による韓国人拉致問題)、工作船等の不法侵入、麻薬の密輸が深刻な問題となっている。


社会主義国の現在

社会主義の掲げた理想は皮肉なことに、社会主義国では労働組合傀儡化され、階級も固定化されるなどまったく実現されず、一方、資本主義国側では、教育水準の向上が社会流動性をもたらし、社会保障等の福祉制度の充実となによりも生産力の向上が、貧困の克服と、社会の成熟と安定をもたらした。

こうした事実の認識は、ソ連の崩壊によって確固たるものとなった。ここに至って、世界各国の社会主義、共産主義政党はプロレタリア独裁のドグマを放棄し、イタリア共産党のように社会民主主義政党へ路線転換したりするなど、社会主義者・共産主義者からの歩み寄りもみられるようになった。日本共産党もまた、1974年にプロレタリア独裁の規定を放棄している。

一方、中南米では1990年代末より左派勢力が力を増し、ベネズエラチャベス政権のように社会主義を目指す国が現れている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen