特許庁が行った審決に対する不服申立てとしての審決取消訴訟は、知的財産高等裁判所が全国の事件を全て取り扱う(知的財産高等裁判所設置法2条2号、特許法178条1項等)。この審決取消訴訟については、知的財産高等裁判所が第一審となる。
技術型事件とは、
特許権
実用新案権
半導体集積回路の回路配置利用権
プログラムの著作物についての著作者の権利
に関する訴訟事件のこと。
技術型事件の第一審は、東京地方裁判所または大阪地方裁判所の管轄に属する。そして、民事控訴事件(民事事件の控訴審)のうち、技術型事件の控訴事件は、東京高等裁判所の専属管轄に属し(民事訴訟法6条3項)、東京高等裁判所の「特別の支部」である知的財産高等裁判所が全国の事件を全て取り扱う(知的財産高等裁判所設置法2条1号)。
非技術型(各高裁が取り扱う。知財高裁は、東京高裁の管轄事件のみ取り扱う。)
非技術型事件とは、
意匠権
商標権
著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)
出版権
著作隣接権
育成者権
不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴え
に関する訴訟事件のこと。
非技術型事件の第一審は、全国の地方裁判所の管轄に属する。そして、民事控訴事件のうち、非技術型事件の控訴事件については、第一審を取り扱った各地方裁判所に対応して、全国8か所にある高等裁判所が管轄を有している。そのため、東京高等裁判所の管轄に属する事件のみを知的財産高等裁判所が取り扱う(知的財産高等裁判所設置法2条1号)。
東京高等裁判所の管轄に属する民事事件及び行政事件のうち、主要な争点の審理につき知的財産権に関する専門的な知見を要する事件は、知的財産高等裁判所が取り扱う(知的財産高等裁判所設置法2条3号)。
沿革
1950年(昭和25年) - 東京高裁に知的財産部を開設する。
当初は、第5特別部を充てる。後に、民事通常部の第6民事部、第13民事部、第18民事部、第3民事部を知的財産権関係事件の専門部とする。
1961年(昭和36年)- 東京地裁に知的財産部を開設する。
平成17年4月1日現在、東京地裁には、知的財産権関係事件を取り扱う専門部が4箇部ある。
1964年(昭和39年) - 大阪地裁に知的財産部を開設する。
平成17年4月1日現在、大阪地裁には、知的財産権関係事件を取り扱う専門部が2箇部ある。
1990年(平成2年) - 大阪高裁に知的財産部を開設する。
平成17年4月1日現在、大阪高裁には知的財産権関係事件を取り扱う集中部が1箇部ある。
1996年8月(平成8年) - 民事訴訟法等の一部を改正する法律が成立する(特許等に関する訴えの競合管轄化等を内容とする。)。
1999年(平成11年)7月 - 司法制度改革審議会が設置される。
2001年(平成13年)6月 - 司法制度改革審議会が「意見」を公表する。
2001年(平成13年)12月 - 司法制度改革推進本部が設置される(2004年11月まで)。
2002年(平成14年)2月 - 小泉首相が施政方針演説で、歴代総理として初めて知的財産の重要性に言及。
2002年(平成14年)3月 - 知的財産戦略会議が発足する。
2002年(平成14年)7月 - 知的財産戦略大綱を決定する。
2002年(平成14年)10月 - 知的財産訴訟検討会を開催する。
2003年(平成15年)3月 - 知的財産基本法(平成14年法律第122号)が施行される。知的財産戦略本部が発足する。
2003年(平成15年)7月 - 「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」が決定される。民事訴訟法等の一部を改正する法律が成立する(特許等に関する訴えの専属管轄化、専門委員制度の導入等を内容とする。)。
2004年(平成16年)4月 - 東京高裁で知財関係事件を取り扱っていた4つの民事通常部(第6民事部、第13民事部、第18民事部、第3民事部)を、第1から第4の「知的財産部」に名称を変更する。また、東京高裁に知的財産大合議部としての「第6特別部」(5人の裁判官による大合議制)を創設する。
2004年(平成16年)6月 - 知的財産高等裁判所設置法、裁判所法等の一部を改正する法律が成立する。
2005年(平成17年)4月 - 知的財産高等裁判所が設立される。
東京高裁にあった第1知的財産部から第4知的財産部の4箇部を「通常部」とし、第6特別部を「大合議部」とする。
歴代所長
篠原勝美(2005年4月?2007年5月、福岡高裁長官)
(任期の後ろは後職)
その他の裁判官
青柳馨
飯村敏明
宍戸充
田中信義
田中昌利
中野哲弘
三村量一
外部リンク
⇒知的財産高等裁判所