一般に領域国家は、領土を地方に分割して経済的軍事的な効率を得る必要がある。しかし軍事面では、大きすぎる分割は叛乱などの温床ともなり得るので、中央政府の支配力を越えない範囲に限定しようとする。最も簡単な区分は国と県の二階層である。軍事的な要素を重視した場合は、五人または五世帯まで幾層にも細分化される。封建国家では、与えられた領地を分割することで行政区画が深化した。
歴史的には、古代の中央集権国家において、中央政府から派遣される地方官の事務所として、県を設置した。管轄する範囲は互いに排他的であったと考えられる。
古代の中央集権国家が破綻すると、地方の小領域が国家として割拠する時代が到来したが、各々の小国家内で県を設置することがあった。
近代社会の成立過程で、再び中央集権化されると小国家内の県を対等な基礎的行政区画とし、小国家をそのままか統合分割などで新たに県として設置することがあった。[1]
植民地の独立後や東西冷戦の解消後、中央集権体制だった国家は、規模の原理よりも市場の原理により地方分権の機運が高まった。これらの国家では補完性の原理により県を包括する大領域の行政区画を設置したり、[2]県の役割を基礎的行政区画の補完をする広域連合として位置付けることも行われている。[3]
詳細は都道府県を参照
日本では中国の制度や明治維新後は米仏普にも影響を受け、
面的な名称には、国・州・藩・郡・町・村・坊・郷・里・荘または庄・区。
線的な名称には、道・街・条・里・線。
点的な名称には、京・都・府・庁・県・市・駅または宿。
人的な名称には、使。
が用いられてきた。江戸時代に能登国を能州と書くなど、雅称として漢風の名称が広まっていたため、[4]「州>郡>県」の順に小さくなると受け入れられていた。[5]明治維新後の廃藩置県と県の統廃合分置により、面的な名称としても受け入れられ、「州>県>郡」と理解されるに至った。一方で「郡>村」の伝統的な関係と合わせ、「州>県>郡>村」の順に小さくなるような行政区分を基本的と考えている。このため県は第2層の行政区画として扱われる。[6]
漢字使用圏以外の国の行政区画の日本語訳としての利用でも、日本での順序に準じて用いられる。[7]ただし、県の意味に「『中央政府』から派遣される地方官の治める範囲」とあるため、相当する区画がない場合は用いられない。[8]また「国≒州」という理解から統治の権限が小さい場合、州を用いず県を用いる。[9][10]
漢字使用圏の日本以外の国の行政区画については、行政区分や権能に着目して訳さずに字体を日本に合わせてそのまま用いる。[11]
詳細は県 (中華人民共和国)を参照
2003年12月31日現在、中国大陸には全部で1470県と少数民族の117自治県がある。県級行政区は省の下、地級行政区に属するのが基本であるが、海南省全域など省に直属する場合もある。2002年12月31日現在県級行政区は2860個あり、平均人口は63.13万人。
詳細は県 (中華民国)を参照
中華民国国民政府が国共内戦に負け、台湾へ退去後、福建省の統治区域には金門県と連江県馬祖列島が残り、台湾省に16県を有する。
国現地名総数
アルバニアの県rrethe(アルバニア語)36
イタリアの県provincia(イタリア語)103
ギリシャの県νομ??(ギリシャ語)51
スペインの県provincia(スペイン語)50
タイ王国の県???????(タイ語)76
中華人民共和国の県?(中国語(簡体字))1587
中華民国の県縣(中国語(繁体字))18
ドイツの県Regierungsbezirk(ドイツ語)[12]22
日本の県県(日本語(当用漢字))43
ノルウェーの県fylke(ノルウェー語)19
ハンガリーの県Megye(ハンガリー語)19
フィンランドの県maakunta(フィンランド語)20
フランスの県Departement(フランス語)100
ベトナムの県Huy?n(縣)(ベトナム語)663
モンゴルの県аймаг(モンゴル語)[13]21
ルーマニアの県Jude?(ルーマニア語)41