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環境と食事

喫煙と数多くの部位のがんとの間に強い相関があることが、数十年にわたる調査での一貫した結果によって明らかになっている。数百の疫学調査により、たばことがんとの関係が確認されている。アメリカ合衆国における肺がん死の比率とたばこ消費量の増加パターンは鏡写しのようであり、喫煙が増加すると肺がん死比率も劇的に増加し、近年喫煙傾向が減少に転じると、男性の肺がん死比率も減少している。日本の政府が日本たばこ産業の株の半数以上を保有しているため、喫煙規制や禁煙に関する動きが進みにくかったという指摘が渡邊昌によってなされており[3]、がんの死亡率の1位が肺がんとなっている。肺がんの発生率は喫煙と高い相関がある。食事は大腸がんの発生率と相関する。

米国国立がん研究所 ( ⇒National Cancer Institute) の公開資料によると、「食事の違いはがんの危険を決定づける役割を持っている。タバコ、紫外線、そしてアルコールは著明な関係が識別できるのに対して、食事の種類とがんに罹る危険性との関係づけを明らかにすることは困難がある。脂肪とカロリーの摂取制限はある種のがんの危険率を減少させる可能性のあるやり方であると明らかとなっている。(脂肪に富んだ)大量の肉と大量のカロリーを摂取する人々は、特に大腸がんにおいて、がんの危険が増大することが図より見て取れる。」と著している[4]

いわゆる「食生活の欧米化[5]」は、乳房や前立腺や大腸のがんとの関連が強いと考えられ[6]、実際に部位別の死亡率は増えている[1]

WHOとIARCによる、「生活習慣とがんの関連」についての報告がある[7]

生活習慣とがんの関連[7][8]
(WHO/IARC)関連の強さリスクを下げるもの(部位)リスクを上げるもの(部位)
確実身体活動(結腸)たばこ(口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、子宮頸部、骨髄性白血病) 他人のたばこの煙(肺)過体重と肥満(食道<腺がん> 結腸、直腸、乳房<閉経後>、子宮体部、腎臓) 飲酒(口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房)、アフラトキシン(肝臓)、中国式塩蔵魚(鼻咽頭)
可能性大野菜・果物(口腔、食道、胃、結腸、直腸)身体活動(乳房)貯蔵肉(結腸、直腸)塩蔵品および食塩(胃) 熱い飲食物(口腔、咽頭、食道)
可能性あり データ不十分食物繊維 大豆 魚 N-3系脂肪酸 カロテノイド ビタミンB2, B6, 葉酸、B12, C, D, E カルシウム、亜鉛、セレン非栄養性植物機能成分(例:アリウム化合物、フラボノイド、イソフラボン、リグナン)動物性脂肪 ヘテロサイクリックアミン 多環芳香族炭化水素 ニトロソ化合物


予防


がん予防10か条(世界がん研究基金)

2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[9]」が報告されている。これは1997年に公表され、日本では「がん予防15か条」などと呼ばれていた4500以上の研究を元にした報告の大きな更新である。
肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。推薦:標準体重の維持。

運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。

体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。

植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。

動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。ゴール:赤肉は週300g以下に。推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨されていない。

アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。

保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。

サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。推奨:がん予防のためにサプリメントにたよらない。

母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。

がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。

タバコの喫煙は肺、口腔、膀胱がんの主因であり、タバコの煙は最も明確に多くの部位のがんの原因であると強調。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。


がん対策の目標(健康日本21-日本厚生労働省)

2000年、厚生労働省の健康日本21[10]によってがん対策の目標が提唱されている。
喫煙が及ぼす健康影響についての知識の普及、分煙、節煙。

食塩摂取量を1日10g未満に減らす。

野菜の平均摂取量を1日350g以上に増やす。

果物類を摂取している人の割合を増やす。

食事中の脂肪の比率を25%以下にする。

純アルコールで1日に約60g飲酒する人の割合を減少する。 「節度ある適度な飲酒」は、約20gという知識の普及。

がん検診。胃がん、乳がん、大腸がんの検診受診者の5割以上の増加。


がんを防ぐための12ヵ条(日本国立がんセンター)

1978年、日本の国立がんセンターは「がんを防ぐための12ヵ条」[11]を提唱している。
バランスのとれた栄養をとる(好き嫌いや偏食をつつしむ)

毎日、変化のある食生活を(同じ食品ばかり食べない)

食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに

はほどほどに(強い酒や飲酒中のタバコは極力控える)

たばこは吸わないように(受動喫煙は危険)

食べものから適量のビタミン食物繊維を摂る(自然の食品の中からしっかりとる)

辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから

焦げた部分はさける

かびの生えたものに注意(輸入ピーナッツとうもろこしに要注意)

日光に当たりすぎない


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen