産業に効率化・能率化が図られると、機械の導入などによってエネルギーの消費が増えるように、産業の発展・生活水準の向上・環境負荷の増加は切っても切り離せない関係にある。環境負荷を軽減しようとすれば、産業の発展や生活水準の向上が妨げられるとの考えは根強く、現在の環境問題対策の大きな足かせとなっている。
環境市場や環境ビジネスは拡大し続けており、環境保護をテーマにした商品や企業も増え続けている。自らの損失を省みない献身的な環境保護活動・環境対策が民間を中心に行われている一方、利益のための環境保護活動・環境対策も行われている。利益が生まれ、かつ実効性のあるものもあるが、中には実効性が無く環境負荷が増えるものを「地球にやさしい」などと称しているものもあり、それらはグリーンウォッシングとも呼ばれる。
これについては、環境保護や「エコ」を前面に押し出したり、スポンサー企業との関係が絡むマスコミやメディアの影響も大きい。これに対して環境教育の推進が行われているが、これ自体も環境保護を前面に押し出したものであり、環境リテラシーの向上を求める声がある。ヨーロッパでは、オーフス条約により多くの国で環境に関する情報入手や意思決定などへの市民参加が推進されている。
例としてハイブリッドカーを挙げると、ハイブリッドカーは環境に優しいと宣伝されるているものの、その開発、製造、廃棄処分などには多大なエネルギーを使うため環境負荷は大きい。従って、実用化や普及、更なる技術革新を行わなければ環境負荷の低減は望めない。また、軽自動車、電車、自転車、徒歩などのほうがはるかに環境負荷は少ない。そこに大きな矛盾を指摘する声もあるが、生活水準の維持やライフスタイルとの折り合いの関係で、難しい部分もある。
環境問題全体の対策を考える上で、ある問題への対策が他の問題に悪影響を与えたり、それぞれの環境問題への対策が互いに相容れないものであることもある。例えば、温室効果ガスの排出量が少ないためヨーロッパではディーゼル自動車の利用が推進されているが、大気汚染物質の排出量が多いため日本では規制対象となるなど、対応が分かれている。資源の節約のために再生紙の古紙配合率を高めると、製品化にかかるエネルギーや資源が増大するといった問題もあるが、両方の解決のためには更なる作業の工夫や技術開発などが必要となる。
また、消費者の視点として、環境に優しい製品などの環境負荷低減効果(環境効果)を正しく見極める必要があるとされる。例えば、電気自動車は排気ガスや温室効果ガスが出ないとされているが、動力源の電気を発電する過程で、ガソリン自動車よりは少ないものの、温室効果ガスなどが排出されている。一般的な認識では、全く排気ガスを出さないといった誤解も生まれており、環境効果の適切な表示や、環境リテラシーを求める声がある。
比較的新しい概念として、環境負荷を低くして文明を永続させるための持続可能な発展や持続可能性ということが国際的に盛んに言われている。これは「将来世代の利益を損なわずに、私たちが発展できるレベル」で経済発展をするというコンセプトで、特に途上国の開発の問題では頻繁に使われている。
パーマカルチャーという永続可能な農業・生活設計やそれを実践したエコビレッジなどが各地にあり、なかでもオーストラリアにあるクリスタルウォーターズが有名である。
原義は「生態学」であったが、意味が拡大して現在は「環境に優しい」「環境に配慮した」「環境負荷が少ない」という意味で用いる。略してエコと呼ぶことも多い。意味や定義が曖昧であるため、「健康にいい」「自然な」といったところにまで意味が拡大されることもあり、環境問題とはかけ離れた意味で使われることもある。
地球と、そこにすむすべての生物や海洋・大気・地圏などの自然環境は1つの生命体あるいはシステムのようなものだとする考え方。生物と自然環境の相互作用や恒常性に関しては、「ガイア理論」という形ではないながらも広く理解されている。また、この1つの生命体あるいはシステムに生じた障害が環境問題であるという地球免疫説はガイア理論から発展したもの。地球免疫説からは、障害を回復しようとする過程で起こるのが気候変動などの災害であるという考え方、何もせずとも自然に回復可能であるという考え方の2つが派生している。
発展や利便性追及の流れから、もともとの自然に回帰することで、環境問題を解決しようとする考え方がある。また、文明と環境問題が密接な関係を持つことから、文明を回避あるいは後退させることで解決しようとする考え方もある。この流れは、ラッダイト運動や日本では環境負荷の低い精進料理・江戸時代の生活様式など伝統を見直そうという動きに窺うことが出来る。自然を理想とする考え方もアナーキズムやルソーなど一部のロマン主義に見ることが出来、アスコーナではその種の共同体が試みられることもあった。
生活の中に自然を取り入れる、環境に配慮した生活を行うといった、ライフスタイルに踏み込んだ環境問題への取り組みもある。「エコライフ」や「LOHAS」などさまざまなものがある。環境負荷の低減に貢献しているものもあるが、単に自然を取り入れただけであって環境負荷低減の効果は無いものもあり、根強い批判がある。
さまざまな環境問題
分野
公害
地球環境問題
自然環境問題、自然破壊
生態系問題、生物多様性の喪失、絶滅、大量発生
複合汚染
種類
ここに挙げているものは、人為的な要因によって発生しうる環境問題であり、人為的な要因がなくても発生することがある問題も含まれる。
水質汚染
水質汚濁、海洋汚染、地下水汚染、底質汚染、富栄養化、貧酸素水塊、赤潮、青潮、アオコ
大気汚染