日本では理系のほうが文系に比べて修士・博士課程に進学する割合が高く、博士号取得者の8割が理系である。これは卒業後の就職・採用事情と大きく関係しており、理科系は研究室の教官紹介が中心となるのに対して文科系には研究職の募集が極端に少なく、経理や営業現場でのOJTを重視する傾向にあるためと見られる。文系とされる博士号取得者は欧米には多数存在する一方で日本の付与条件や取得状況が極端に厳しく、これが海外留学生の受け入れにおいてしばしば問題とされる[3]。
近代以後、学問各分野における専門知識の増大により、文科系・理科系や自然科学・社会科学・人文科学などの異なる分類の学問間のみならず、同じ分類にされている学問内においても研究の相互理解が困難になりつつある。このような現状は、最近のことではなく20世紀当初からあったと C. P. Snow は“The two cultures and a second look”の中で述べている。
また前述のように学問分野の隣接・融合(学際化)も起こっており、言うなれば「○○系寄りの□□系」、「□□系寄りの○○系」といった分野も存在するため、これが更なる同一学問系内における乖離を生み出している。
さらに次項で説明するように、同一学問系内でも論理を基底に据えるか経験を基底に据えるかによって立場が大きく異なる場合もある。
数学と物理学はそれぞれ同じ理系に分類されるのが一般的認識だが、前者は公理と論理によって構築される形式科学 (formal science) に属するのに対し、後者は自然現象の観察という経験を通して構築される経験科学 (empirical science) に属する。数学は算術や天文学に端を発する経験科学という印象を持たれがちだが、実際は自然界に存在し得ないものも表現しうる高度に形而上的な体系となっている。一方、物理学は数学と密接な関係にはあるものの、あくまでも自然界に存在するもの、経験に重きが置かれ、事象が説明できれば数学的に厳密な証明を要さない場合も少なくない。つまり両者は密接な関係にありながら、立場や観点、方法論は大きく異なる。
同様に文系における哲学・論理学と社会科学・言語学においても、一方が論理と証明を基底とし、他方が経験と実証を基底とする点においては数学と物理学に似た関係性が見られる。
日本の政党では自民党と公明党に文系出身者が多く、民主党と共産党と社民党に理系出身者が多い。また、中国共産党の執行部は理系出身者で占められている[4]。
文系的と捉えられることが多い学問
哲学
宗教学 - 神学
文学 - 人文学
芸術学 - 美学
美術工芸学 - デザイン学
音楽学
歴史学 - 考古学
地理学
観光学
心理学
経済学 - 商学 - 経営学
法学 - 政治学 - 政治経済学
行政学 - 政策学
国際関係学
言語学
社会学
福祉学
家政学 - 生活環境科学
教育学
ただし、経済学・言語学・社会学・心理学・デザイン学には高度な数学的・統計学的解析を伴うものも多い。また、地理学は地球科学と密接な関係を持ち、特に自然地理学や地図学は理系の学問と位置づけられることも多い。
理系的と捉えられることが多い学問
数学
物理学
化学
生命科学
生物学 - 生物資源科学
農学 - 林学- 森林科学
獣医学 - 畜産学
工学 - 理工学
情報学 - 情報科学
地球科学 - 海洋学 - 気象学 - 地学
商船学 - 水産学
天文学 - 宇宙科学
医学 - 歯学 - 薬学
保健学
軍事学 - 軍学 - 防衛学
農学、工学には経済学、拓殖学や地域研究、経営学、金融工学、デザイン学、生物学・医学には哲学・倫理学、情報学には社会学など、人文科学的・社会科学的な考えを要する分野もある。