理系
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『科学』の定義を巡っては、科学哲学の分野に置いて長年に亘っての議論が交わされており(詳しい経緯は科学科学的手法を参照)、定義の内容によっては人文・社会科学のみならず自然科学のほとんどが厳密な意味での『科学』の定義から外れてしまう、科学を定義する上において非常に重要である「科学的手法」として現状挙げられている方法論への是非など、多くの問題が山積しており未だに統一した見解が出されたとは言い難い状態である。故に実際に行われている諸学問の研究活動では不毛な議論と化している感のある「線引き問題」を嫌って、こうした問題を棚上げしている場合も少なくない。


学際主義

万学の基礎たる哲学では、数学・物理学・化学・生物学などが古くより主要な研究対象とされており、それらの学問から哲学に転じた人間も少なくない。こうしたひとつの学問領域に限定されない考え方は、リベラル・アーツ的な視点として古来より存在している。現在ではそれを(文系と理系の双方の考え方を同時に扱おうとする態度を明確にしている場合は特に)文理融合と呼ぶ。また、そのような態度が要求される分野を文系・理系に対する概念として学際系と呼称することも多い。

文理の区別は、学問が中心的に扱う対象や、具体的な研究方法によって決まるという考え方もある。

また理系学問の内、医学歯学薬学などの医療系分野を除いて理工系(りこうけい)と称する学者もおり、彼らは工学的知識と文系諸学問の思想の双方がに扱われる金融工学などの分野を文工融合(ぶんこうゆうごう)と呼ぶ事がある。


ステレオタイプなイメージ

生徒や学生の気質について「理系は理詰めで厳密さを求めるが社会性には乏しく、文系はその逆」というイメージを持つ者が散見される。同様の類型化に「理学や哲学等の基礎学系は理論や手続き重視で理屈っぽく、工学や医学や社会科学等の応用学系は結果重視で必ずしも厳密さを求めない」であるとか、「経済学専攻の人間は社会性があってつきあいやすいが、理工系は堅苦しい人間の集まり」というようなものがある。

しかし、この手のステレオタイプなイメージのほとんどがそうであるように、上記の論も統計にもとづいた科学的根拠が提示された事例がなく、また「理詰め」「理屈っぽい」「社交的」などという曖昧で連続性の誤謬をもつ表現による非論理的な物が多く、実相を表しているとは到底言い難い。結局の所、気質や性格は個人的差異による大きな幅があり、画一的な見方が当て嵌まることは少ない。

一方で諸学問の内、実験を重視する学問はそうでない学問に比べて必然的に拘束時間が長く、結果プライベートな目的に用いることができる時間が少ないという事実も確かに存在し、それが本人の対人関係に影響を与えることがある側面も無視はできない。しかし全ての理系学問が実験を主体としている訳ではないことを留意する必要がある。

小学校高学年から思春期にかけて、男の子は算数(数学)・理科が、女の子は英語・国語が得意、あるいは好きだとするイメージがある。この傾向から大学進学時に女生徒で理系進学を志望すると「珍しい」と評されることがある[1][2]  


博士号取得

日本では理系のほうが文系に比べて修士・博士課程に進学する割合が高く、博士号取得者の8割が理系である。これは卒業後の就職・採用事情と大きく関係しており、理科系は研究室の教官紹介が中心となるのに対して文科系には研究職の募集が極端に少なく、経理や営業現場でのOJTを重視する傾向にあるためと見られる。文系とされる博士号取得者は欧米には多数存在する一方で日本の付与条件や取得状況が極端に厳しく、これが海外留学生の受け入れにおいてしばしば問題とされる[3]


同一学問系内における乖離

近代以後、学問各分野における専門知識の増大により、文科系・理科系や自然科学・社会科学・人文科学などの異なる分類の学問間のみならず、同じ分類にされている学問内においても研究の相互理解が困難になりつつある。このような現状は、最近のことではなく20世紀当初からあったと C. P. Snow は“The two cultures and a second look”の中で述べている。

また前述のように学問分野の隣接・融合(学際化)も起こっており、言うなれば「○○系寄りの□□系」、「□□系寄りの○○系」といった分野も存在するため、これが更なる同一学問系内における乖離を生み出している。

さらに次項で説明するように、同一学問系内でも論理を基底に据えるか経験を基底に据えるかによって立場が大きく異なる場合もある。


形式科学と経験科学

数学物理学はそれぞれ同じ理系に分類されるのが一般的認識だが、前者は公理と論理によって構築される形式科学 (formal science) に属するのに対し、後者は自然現象の観察という経験を通して構築される経験科学 (empirical science) に属する。数学は算術や天文学に端を発する経験科学という印象を持たれがちだが、実際は自然界に存在し得ないものも表現しうる高度に形而上的な体系となっている。一方、物理学は数学と密接な関係にはあるものの、あくまでも自然界に存在するもの、経験に重きが置かれ、事象が説明できれば数学的に厳密な証明を要さない場合も少なくない。つまり両者は密接な関係にありながら、立場や観点、方法論は大きく異なる。

同様に文系における哲学・論理学と社会科学・言語学においても、一方が論理と証明を基底とし、他方が経験と実証を基底とする点においては数学と物理学に似た関係性が見られる。


政界における文系と理系

日本の政党では自民党公明党に文系出身者が多く、民主党共産党社民党に理系出身者が多い。また、中国共産党の執行部は理系出身者で占められている[4]



文系的と捉えられることが多い学問

哲学

宗教学 - 神学

文学 - 人文学

芸術学 - 美学

美術工芸学 - デザイン

音楽学

歴史学 - 考古学

地理学

観光学

心理学

経済学 - 商学 - 経営学

法学 - 政治学 - 政治経済学


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki