固体中では結晶の周期構造などの結果、連続だった状態密度が分離した帯状(バンド)の構造をつくる(バンド理論参照)。バンド間の状態が存在しない領域をバンドギャップとよぶ。
半導体、絶縁体ではバンドギャップ上にフェルミ準位が存在する。この場合のD(EF)は絶対零度ではゼロである。 金属はフェルミ準位がバンド内にあり、状態が存在する、この場合フェルミ準位上の状態密度は D(EF) であり、その金属の持つ物性(物理量→定積比熱やパウリ帯磁率等)と深く関係している。
一般にフェルミ準位上に状態密度のピークが存在する場合、系が不安定となる。この場合構造の変位が起こり、状態密度のピークがフェルミ準位を境に電子が占有されたものと、占有しないものとに分かれ安定化することがある。これは電子が占有されたピークがフェルミ準位より下側にシフトすることにより、その分全エネルギーが小さくなり、より安定になるためである。
状態密度を求める表式(下の自由電子の状態密度の式参照)から、∇kE = 0となる場合、状態密度の形に特異性が現れる(→ファン・ホーブ特異点、ファン・ホーベとも言う)。
実空間の位置座標rにおける状態密度を局所状態密度ρ(r,E)と言う。状態密度D(E)と局所状態密度の関係は、系の体積をVとして、
となる。また、逆格子空間の座標qにおける状態密度をスペクトル密度a(q,E)と言う。状態密度D(E)とスペクトル密度の関係は、
となる。qがk点の場合、a(k,E)からバンド構造(E-k曲線)が描ける。
自由電子における状態密度
自由電子のエネルギーは、
であり、これからエネルギーE?E+dEまでの状態数は、
となる。
(一次元の場合)
(二次元の場合)
(三次元の場合)
(以上の式で一部係数を省略している)
以上から自由電子の状態密度D(E)は、一次元でE-1/2(エネルギー零のところで発散)、二次元で一定値、三次元でE1/2(状態密度を横軸、エネルギーを縦軸と見れば放物線の形)のオーダーとなる。
アルカリ金属の価電子部分(s軌道)は比較的自由電子に近く、それら価電子部分の状態密度は放物線(←三次元自由電子の状態密度)に近い形をしている。
ω:振動数、V:系の体積、∇ωq= 0の場合、電子での状態密度と同様に特異性(異常)が現れる(→ファン・ホーブ特異点)。
関連項目
物性物理学
第一原理バンド計算
カテゴリ: 固体物理学
更新日時:2007年9月11日(火)22:46
取得日時:2008/08/30 12:45