ヨーロッパにおける外交は貴族の手によりなされていたので、近代官僚制、つまり一般の家柄の者が外交に関わる時代になっても長くその風習は残り、大使を筆頭とする外交官には貴族的な高い教養が求められた。そのため社会主義政党による政権があえて貴族を大使に任命するという事例もあった。現代でもプロトコールに外交儀礼の伝統がとどめられており、フランス語が多用されている。
日本の特命全権大使は原則として大使館または政府代表部の在外公館の長(在外公館長)であるが、国連政府代表部など複数名の特命全権大使を擁する在外公館がある。その場合は上位者が館長に、次席が次席館員となる。在外公館に勤務しない大使は待命大使と呼ばれる。
特命全権大使は特別職の国家公務員かつ外務公務員であり、その任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。また、特命全権大使の信任状及び解任状は、天皇がこれを認証する。
現在の日本では慣例的に外務省職員(特にキャリア官僚)からの任命が多くを占めているが、他省庁の職員が退官後に各国の大使に任命される例も多い。外務省職員にとって大使ポストは出世のキャリアに組み込まれているが、とりわけ外務省においては事務次官をつとめた後、サミット国や近隣の大国の大使に転出する慣例が続いてきた。この点において事務次官が最高ポストである他省庁と一線を画す。他方、相対的に日本との関係で重要性が低いと見られる国の大使には、しばしば本省の課長相当職すら経験していない人物が赴任するケースがあったため、外務省改革の一環としてその運用が見直された。
その外務省改革では主要国以外の大使のポストに民間の人材が多く登用された。例として、猪口邦子・国連軍縮会議代表部大使(前職は上智大学教授)、石弘之・ザンビア大使(東京大学教授)、小川元・チリ大使(元衆議院議員)、北岡伸一・国際連合代表部次席大使(東京大学教授)、浅井和子・ガーナ大使(弁護士)などが挙げられる。
ローマ教皇の派遣する大使には2階級あり、司教や大司教がなるノンスと枢機卿がなるレガがある。[要出典]
イギリス連邦の所属国同士は大使を交換せず、高等弁務官 (High Commissioner)と呼ばれる使節長を交換する。
アメリカなどでは大使は政治任用ポストとされ、政治家や時には与党の有力支持者である実業家、学者などが任命される(国務省の官僚が任命される場合ももちろん存在する。湾岸戦争時の駐日大使マイケル・アマコストなど)。また、著名な人物が任命されることがあり、シャーリー・テンプル(ガーナ大使、チェコスロバキア大使)、レイモンド・スプルーアンス(フィリピン大使)が代表例である。チャールズ・チャップリンも第二次世界大戦中の一時期、「駐ソ大使に任命か」という噂が流れたことがあった(昭和17年8月6日付朝日新聞夕刊)。
関連項目
外交官
大使、特派大使、臨時代理大使、政府代表、全権委員
待命大使
名称大使
領事
駐在武官
外交特権
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 大使 | 外務省 | 政治の役職名
更新日時:2008年7月19日(土)16:49
取得日時:2008/10/07 04:18