2004年12月から、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(牛肉トレーサビリティ法)の施行により、国産牛肉については、牛の出生からと畜場(食肉処理場)で処理されて、牛肉に加工され、小売店頭に並ぶ一連の履歴を10桁の個体識別番号で管理し、取引のデータを記録することになった。このため、スーパーマーケットや精肉店などの小売店で販売されたり、焼肉レストランやしゃぶしゃぶ店などで使われたりする国産牛肉には、小間切肉や挽肉など一部の例外を除き、10桁の個体識別番号の表示が義務付けられた。
なお、販売店や商品によっては、仕入れなどの取引の関係から、複数の牛(最大50頭)を一つにまとめたロット番号で表示している場合もあり、この場合には、一度、販売店などに問い合わせるか、販売店などが開設するウェブサイトへアクセスするなどして、ロット番号から個体識別番号を聞いたり、探し出したりする手順が加わる。
実際に、販売されている牛肉の履歴データを確認するためには、パソコンからインターネットを通じて、独立行政法人家畜改良センターのウェブサイト ⇒http://www.id.nlbc.go.jp/top.html へアクセスするか、または、携帯電話用のウェブサイト ⇒http://www.id.nlbc.go.jp/mobile/ へアクセスし、この10桁の個体識別番号を入力して、自宅だけでなく、携帯電話の電波が店内に届いていれば、売り場などでも携帯電話で確認することが可能である。また、店舗によっては、パソコンを備え付けたり、上記家畜改良センターのウェブサイトへアクセスして得た内容を印刷して掲示するなどの工夫をしている。
なお、10桁の個体識別番号を入力して表示される情報は
個体識別番号
出生又は輸入の年月日
雌雄の別
母牛の個体識別番号
飼養施設の所在地(都道府県名)
飼養施設における飼養の開始及び終了の年月日
とさつ、死亡又は輸出の年月日
輸入された牛について、輸入先の国名
と畜場の名称及びその所在地
輸出された牛について、輸出先の国名
である。
このほか、個人情報の公表に関して同意が得られた管理者については、管理者の氏名または名称及び住所が表示される。
世界的に見ると、柔らかい牛肉を好む地域よりも脂身が少ない赤身の牛肉を好む地域が多い。例えばフランスの一流シェフが日本に来て牛肉を使ったフランス料理を作るとしても、日本のブランド牛を使うことはまずない。 柔らかい肉を好む日本においては筋肉繊維より脂肪が多い肉が好まれる傾向がある。上記にあるブランド牛と呼ばれるものは霜降りの割合が通常の牛肉より非常に多い。これらの部位を刺身として生食する者がいるが、牛脂はマグロの脂とは違い人の体温では溶けない。そのため刺身で食べると舌の上に脂片が残ることになる。しかし最近は品種改良が進んで人の体温で溶けてしまう霜降りが存在し生食も行われている。 人工霜降り牛肉も「生産」されている。安価な輸入牛肉の赤身に牛脂を注射で注入し、霜降り肉にするもので、食品メーカーで開発され食品偽装にも利用された。
肉
ネック
すねに次いで堅い。:シチュー、スープ、ひき肉
肩
やや堅い:すき焼き、しゃぶしゃぶ、カレー・シチューなどの煮込み、パストラミ
肩ロース
霜降りが入りやすい。:すき焼き、しゃぶしゃぶ、煮込み、ステーキ
リブロース
霜降りになりやすい。:ステーキ、ローストビーフ、すき焼き、しゃぶしゃぶ
サーロイン
やわらかい。:ステーキ、ローストビーフ
ヒレ(フィレ)
赤身で最もやわらかい。:ステーキ、薄切りはしゃぶしゃぶにも
ばら
脂肪が多い、やや堅い。:すき焼き、牛丼、焼き肉、煮込み
かたばら
やや堅い。:カルビ焼き
ともばら
やや堅い、赤みと脂肪が層になっている。:ショートリブ
もも、うちもも
赤身が多い。:ステーキ、ローストビーフ、焼肉、コールドビーフ、たたき
そともも
やや堅い、ゼラチン質が多い。:煮込み、ビーフストロガノフ
ランプ
脂肪が少ないがやわらかい。生食にも向く。:ステーキ、ローストビーフ、バター焼き、ユッケ、刺身
すね
赤身肉。堅く筋が多い。:煮込み、スープ
しんたま
脂肪が少なく、やわらかい。
テール(尾)
高たんぱく質でコラーゲンが多い。:スープ
スジ、アキレス腱
堅いが、コラーゲン豊富、煮込むと最も柔らかくなる。:おでん、煮込み、牛丼、ブッフ・ブルギニョンなど
顔部の肉
ほほ肉
タンに似た風味だが歯ごたえは異なり、独特の風味がある。子牛のものはテット・ド・ヴォーとして特にフランス料理で好まれる。
耳、鼻
耳・鼻それぞれコリッとした歯ごたえのある独特の食感を持つ。切って茹でたものをゼリー寄せやマリネなどで前菜や酒の肴にする。
内臓
タン(舌)
脂肪が多く堅めだが、煮込むとやわらかくなる。独特の歯応えがある。:タン塩、シチュー
ハツ(心臓)
ココロ、シンゾウ、ハート、ヘルツなどとも呼ばれる。新鮮なものは刺身として食べることができるが一般には焼いて食べる。