上記のように潮汐の原因は天体運動によるものであるが、実際の満潮・干潮は、海水の慣性や、海流、湾岸の形状など種々の要因によって、天文学的に導かれる時刻とずれが生じる。
垂直・水平それぞれの方向に、干満の差が大きい海岸、小さい海岸がある。
水平方向の差の大きさは海岸の傾斜により、当然ながら同じ水位差であれば傾斜が緩い方が、つまり遠浅な方がその差は大きい。砂浜や、特に干潟のような傾斜のなだらかな場所では、水平方向にして数百〜数千メートルにも及び海岸線が変化することがあり、そこに豊かな生態系がはぐくまれている。ただし、そのような場所で潮干狩りなどすると、潮が満ちてきたときにひどく長い距離を急いで逃げねばならない場合がある。
垂直方向の差は、つまり潮位差であるが、一般に内湾的な海域では潮位差が小さい。これは水位変化のためには海水が大きく移動しなければならないが、内湾的傾向が強ければ海水がほとんど閉じこめられてしまっていて、水位変化の起きようがないためである。たとえば瀬戸内海は潮位差が小さい[要出典]。太平洋では潮位差はそれよりはるかに大きいので、その出入り口である鳴門海峡などでは毎日巨大な水流を生じ、これが鳴門の渦潮の原因となっている。同様に日本海や地中海も潮位差が小さいことが知られている。
河口域では潮の満ち干によって干潮時には淡水が最河口まで流れくだり、満潮時には海水が上流方向に侵入する。そのため一定の幅で海水と淡水が混じる区域があり、これを汽水域という。実際には海水は淡水より比重がやや大きいので、流れ下る淡水の下に海水が流れ込むなど複雑な状況もある。(塩水くさびも参照)
非常に大きい河口の場合、潮汐による海水面の変化により流れ込む水の量が大きくなり、大きな波を形成することがある。これを海嘯といい、アマゾン川のポロロッカが有名である。
朔(旧暦1日)や満月(15日)の頃には、月・太陽・地球が一直線に並び、太陰潮と太陽潮とが重り合うため、高低差が大きい大潮(おおしお)となる。
上弦(8日)や下弦(23日)の頃には、月・地球・太陽が直角に並び、太陰潮と太陽潮とが打ち消し合うため小潮(こしお)となる。
小潮の末期の、上弦・下弦を1〜2日過ぎた頃(10日・25日頃)には、干満の差が小潮よりもさらに小さくなり、干満の変化がゆるやかに長く続くように見える。これを長潮(ながしお)という。
長潮を過ぎると、次第に干満の差が大きくなってゆく。この状態を「潮が返る」と言い、長潮の翌日のことを若潮(わかしお)という。
大潮と小潮の間の期間を中潮(なかしお)という。
現在では、月と太陽の位相(黄経の差)によって、以下のように定義されている。
348〜36度:大潮
36〜72度:中潮
72〜108度:小潮
108〜120度:長潮
120〜132度:若潮
132〜168度:中潮
168〜216度:大潮
216〜252度:中潮
252〜288度:小潮
288〜300度:長潮
300〜312度:若潮
312〜348度:中潮
ある地点での干満は通常1日2回ずつあり、干潮から次の干潮まで(あるいは満潮から次の満潮まで)の周期は平均約12時間25分ある。よって、干満の時刻は毎日約50分ずつ遅れてゆくことになる。
なお、干潮、満潮の時刻は、海洋や港湾の海水の液体の固有振動のため、月や太陽が最大高度になって潮汐力が極大になる時刻とは一致しない。
潮の満ち引きは、海などにかかわる事であるため、当然海に住む生き物達にも大きな影響を与える。総じて彼らは大潮(特に満月)の時に産卵することが知られている。また、大潮になると魚類の活性が上がるとも言われており、アメリカで釣り大会を行う場合は大潮の週末と決まっている。なお日本の釣具店にはほぼ必ず潮見表が置いてあり、潮見表を元に釣りに出かける釣り客も多い。
関連項目
潮汐説 − 惑星誕生の説の一つ。現在は隕石説が主流。
潮汐流
海嘯、ポロロッカ
潮力発電
外部リンク
⇒気象庁:海洋のデータバンク
⇒潮位表
⇒潮汐観測資料
⇒xtide
⇒「Tide」 - Encyclopedia of Earthにある「潮汐」についての項目(英語)。
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更新日時:2008年6月22日(日)08:02
取得日時:2008/08/19 15:41