1990年代に入り、「ハーフ」という呼称の語源に「半分」という意味があることから、差別用語ではないかとの意見が現れた。そして、2つのルーツ(出自)を持つという意味から「ダブル」という呼称を採用しようとする動きが親から出始めた。しかし、「ダブル」は、二倍の存在であるとはおこがましい、複数のルーツを持たない人を「シングル」として逆差別している、実際には一つの文化のもとに育った人や、2つ以上のルーツを持つ人に当たらない表現である、「ふたつの純血があわさったもの」、というニュアンスへの違和感[3]などの批判がある。そのため英語圏で用いられるmixed-race、cultureを起源とする「ミックス(mixed)」を使用する人も増えており、呼称の変更、ひいては特別な呼称を付けること自体についての賛否がある。
1998年、沖縄にアメラジアン・スクール・イン・オキナワ(AASO)が出来たことにより、それ以降沖縄において在日米軍の関係者と地元女性との間に生まれた子供について「アメラジアン(アメリカン+アジアン)」と呼ばれることがあるが、そもそも特別な呼称を付けること自体に批判がある。
なお、「ハーフ」と呼ばれる人を片親に持つ人は「クオーター(quarter)」とも呼ばれる。
厚生労働省の調査では、2006年に生まれた新生児約110万人のうち、少なくとも片親が外国国籍の子供が35651人と約3.2%を占めることが、2008年8月4日の東京新聞などで報道された。その中で、両親とも外国国籍の子供は約9000人とあり、これを差し引いた約26600人の新生児が日本国籍と外国国籍の両親との間に生まれた子供ということになる。[4]
人間以外・特に家畜・作物では、混血は様々な優れた形質を家畜や作物に与えようとして、実験的交配が繰り返されてきた。この中には生物学的な問題を無視して、異なる科や属に位置する種族どうしを掛け合わせようとした歴史もある。
掛け合せによって生まれる動(植)物の第一世代を遺伝学でF1(エフワン)世代という。さらにその中で両親の(人間にとって)好ましい形質を受継いでいるものをハイブリッドと呼ぶ。しかし一世代限りで次世代が生まれない(交雑種同士では交配できない)というものも見られる。
古くからマガモとアヒルを掛け合わせたアイガモが家畜として知られており、また家畜ではないがトラまたはヒョウとライオンを掛け合わせた動物が作られている(→レオポン、ライガー、タイゴン)。
近年ではバイオテクノロジーの発達も在って、遺伝子レベルで人為的に操作して結合させたキメラも、現実的な話になってきている。 ただ、フランケンシュタイン・コンプレックスに見られるようなテクノロジーに対する警戒論も強く、無闇な他種族間の交配を警戒する声はバイオテクノロジー発達以前からある。
その一方で人為的にではなく、予期せずして交雑が発生する場合もある。イエネコとヤマネコは極めて近い種であるために交雑が発生し得る。これらでは野猫の問題が良く知られており、野生動物・在来種としてのヤマネコを保護する観点から、人為的に持ち込まれたイエネコを捕獲・駆除しなければ成らないと云う状態に在り、捕獲後の扱いに関して、これに反対意見を述べる者もあって社会問題にもなっている。このように、在来種の遺伝子プールが、外部から流入した外来種との交雑によって変異することを生物学的保守主義者が批判して遺伝子汚染という。
ハイブリッドという言葉は自動車のハイブリッドカーのように産業科学の分野でも使われ、そのほうが一般的になってきている。
脚注^ 英語圏ではミックス(mixed)という呼ばれ方をし、これは半分を意味する日本でのハーフより差別的でないのではとされる。いずれにしても、呼称にかかわらず区別すること自体への意見は多い。
^ ⇒昭和55年10月27日の参議院での「沖繩県における国際児(混血児)に関する質問主意書」
^ 李建志『日韓ナショナリズムの解体』筑摩書房,2008。ISBN 978-4-480-84286-2 p.25
^ ⇒30人に1人 親が外国人 06年 日本生まれの子 厚労省調査 過去最高に(東京新聞、2008年8月4日)
関連項目
ハーフ、クオーター
国際結婚
クレオール - クリオーリョ
クレオール化
メスティーソ、ムラート、サンボ
アメラジアン
カラード
少数民族(少数民族が多数派民族の社会に取り込まれる段階で、多くの混血が生まれる)
インディアン - インディオ
アボリジニ、マオリ
アイヌ、ウィルタ、ニブフ、小笠原諸島に住む欧米系島民
在日韓国・朝鮮人、在日中国人、在日台湾人
人種差別
ニュルンベルク法
言語接触 - リンガフランカ - 母語