日本の所有する有人深海探査船は「しんかい2000」と「しんかい6500」である。「しんかい2000」は2003年に引退し、現在は「しんかい6500」だけが稼動している。
「しんかい6500」はその名のとおり水深6,500mまでの潜航が可能である。3名搭乗できるが、うち2名はパイロットで、オブザーバーと呼ばれる深海調査を行う学者は1名だけ搭乗できる。およそ秒速0.7mで潜水し、水深6,500mまで2時間ほどで到達する。一度の潜航時間は9時間程度である。
同じく、日本の所有する、直接の搭乗員はおらず母船とはケーブルで繋がった状態で深海探査を行う無人深海探査機としては「かいこう」、「UROV7K」、「ディープ・トウ」、「ハイパー・ドルフィン」、「うらしま」などがあり、最も深く潜航できるのが「かいこう」である。
「かいこう」はもともと、「ランチャー」という親機と「ビークル」という子機からなっていた。これら二つが繋がった状態で水深7,000mまで潜航し、さらにビークルを分離することで、世界のどの探査機より深い水深11,000mまで潜航することができた。しかし2003年にケーブルが切れ、ビークルを失う事故が発生した。このため現在は別の無人探査機「UROV7K」を改造してビークルの代用に充てている。なお「UROV7K」の潜航深度が7,000mであるため、現在は「かいこう7000」として運用中である。また7,000mであっても潜航深度としては現存する世界のどの探査機よりも深い。「かいこう」ランチャー自体は現在も11,000mまで潜航可能であるが、ランチャーには探査機能がない。
アメリカ合衆国が所有するアルビン号は、水深4,500mまで潜航できる有人深海探査船である。パイロットは1名のみでオブザーバーが2名の計3名が搭乗できる。
1964年完成の古い探査船だが、耐久性に優れ未だに現役であり、これまでに数々の発見をしてきた。世界中の深海探査船の潜水時間を合わせてもアルビンの潜水時間に及ばない。
ミールといえばロシアがかつて所有していた宇宙ステーションが有名だが、ここで挙げるのは同名の有人深海探査船である。6,000mまで潜航でき、深海に沈むタイタニック号を撮影したことでも知られる。
スイスで設計され、1953年に進水したバチスカーフ・トリエステは深度約10,900mという世界一深く潜った有人潜水艇として知られており、現在この深度に達する有人の潜水艇は存在しない。しかし、安全に深く潜ること、に重点をおいた潜水艇だったため後に開発された潜水艇に比べると、持続性と汎用性の面では劣っていた。
参考文献
北村雄一 『深海生物図鑑』 同文書院 1998年 ISBN 4-8103-7503-x
北村雄一 『深海生物ファイル』 ネコ・パブリッシング 2005年 ISBN 978-4-7770-5125-0
ピーター・ヘリング著・沖山宗雄訳 『深海の生物学』 東海大学出版 2006年 ISBN 4-486-01675-0
出典・脚注^ a b c d e f g 瀧澤美奈子著 『深海の不思議』 日本実業出版社 2008年3月20日初版発行 ISBN 9784534043542
^ 『深海生物図鑑』 p.221
^ Karner MB, DeLong EF, Karl DM (2001). “Archaeal dominance in the mesopelagic zone of the Pacific Ocean”. Nature 409 (6819): 507?10. ⇒PMID 11206545.
関連項目
熱塩循環
深海魚
しんかい2000 - しんかい6500
炭酸塩補償深度
外部リンク
⇒国際海洋環境情報センター「深海映像データベース」
カテゴリ: 海 | 海洋学 | 地形
更新日時:2008年9月9日(火)15:37
取得日時:2008/10/01 12:11