営業収支
営業収入(2006年度実績、70億7,800万円)は、Jリーグ全31クラブの中でトップ。(2位横浜M:約45.6億円、J1平均:約30.2億円)。
内訳は、入場料収入(同年度25億3,100万円)が最も大きな割合を占める。(入場料収入2位新潟:約10億円、J1平均:約6.4億円)。次点は、広告料収入(同年度22億8,800万円)である(1位横浜M:約25.2億円、2位柏:約25億円)。グッズ販売収入(同年度12億5,300万円)がこれに続き、他クラブを大きく引き離す売上高を記録している(2006年度Jクラブ個別経営情報開示資料ではその他収入に編入)。[5] [6]。
背景・分析
Jリーグクラブ中トップの営業収益を上げる背景に、以下の点が挙げられる。
クラブの観客動員数はJリーグで常に1、2を争っている(2007年度動員数793,347人、Jリーグ史上最高動員記録)。この他に過去9シーズン(1996年-1999年、2001年-2003年、2007年)でJリーグの年間最多観客数を記録している。また、カップ戦(ナビスコ杯4試合、ACL6試合)を含めると年間観客動員数は100万人を超える。
1人当たり動員単価が約2,900円(新潟:約1,700円)と比較的高水準である。これは、招待券による入場者が極めて少なく(同年度0.5%[7])、割引率10%未満にも関わらず、シーズンチケット(埼玉スタジアムの約2万2,000枚を含む)が軒並み完売していることから、それらが入場料収入の確保に高い安定性をもたらしていることが挙げられる。
サポーター観客のアウェイゲーム動員数が他クラブと比較しても多い。アウェイゲームには首都圏は勿論のこと、広島、福岡、大分などでも大挙して応援することで知られる。これは他クラブにとっても対浦和戦は文字通りドル箱カードであるため、浦和戦のみアウェイの席割を増やしたり、よりキャパシティの大きいスタジアムで開催することが多い。この傾向は海外遠征においても見られ、2007年AFCチャンピオンズリーグのグループステージでは、浦和サポーターの数をシドニー約3000人、上海約2500人、全州約4000人、城南約1000人、エスファハーン約400人と報道されている。
グッズ販売収入が好調な背景には、浦和ファンの1人1人が自分達でクラブ運営を支えているという意識が強いことが挙げられる。相当数の浦和サポーターがクラブ関連グッズなどに多額の支出をしており、グッズ直売店であるレッドボルテージは毎ホームゲーム開催日には大変混み合う。同様に埼玉スタジアム、浦和駒場スタジアムの店舗にも人だかりが絶えない。
このように入場料収入やグッズ販売収入の好調さは、主としてクラブ強化の財源となり、優れた環境における選手育成、積極的な戦力補強が可能となり、より魅力的なクラブづくりへと繋がる好循環を生み出す。この傾向はJ1復帰翌年の2002年以降に顕著となり、結果として近年は優勝争いに絡む成績を上げており、所属選手から日本代表を輩出するなどしている。
広告料収入の背景には、上述の成績の好調さに加えて、地域に対する様々な還元や貢献活動にクラブが積極的な投資を行っていることが挙げられる。こうした活動はクラブイメージを向上させ、マス媒体への露出機会も近年著しく増やしていることから、出資企業以外の大口スポンサーも途切れていない。
一例として、ユニフォーム・ウェアは過去一貫してプーマ社であったが、2004年よりナイキ社(日本のクラブチームでは東京ヴェルディ、鹿島アントラーズに次いで3クラブ目)が独占供給契約を結んでおり、2007年からは4年間で16億円の契約に更新することが報じられている。
広告料収入全体では他のクラブにトップを譲っているが、これには次の事情が関係している。浦和は、2005年に三菱自工とそれまで結んでいた損失補填契約を解除し、また、それに代わる定額支援も受けていない。収入面で親会社に頼らない独立採算運営を行っている。Jリーグやプロ野球を含む一部の日本のプロスポーツでは国税庁が特別にその親会社に対して広告費を全額損金算入(経費扱い)とすることを認めているため、親会社から子会社のクラブに対して多額の資金提供が行なわれていることが少なくないが、浦和の収入構造は上記のように実質的に市民クラブと変わらなくなっている。