英米の伝統的コモン・ローにおいては、包括的概念としての殺人行為( ⇒homicide)があり、そのうち犯罪行為にあたる行為が、 ⇒Murder(謀殺)、 ⇒Manslaughter(故殺、過失致死)に分類されている。主として被告人の主観的要件に着目して分類されており、日本法にはない区分も存する。陪審制の下、事実審すなわち適用法規(構成要件の該当性)の決定は陪審員にあり、量刑を行う職業裁判官の裁量の余地を残さないよう細分化されている。
具体的な要件は州法によって定められており、州によって若干の差異がみられるが、一般的なコモン・ロー下の分類は以下の通りである。。
謀殺( ⇒Murder) 事前の殺人の故意(malice aforethought)をもって殺人を犯した場合。態様につき、さらに2等級に分類される。
第一級謀殺(First-degree murder) 保険金目的殺人など周到な準備に基づく場合や、強盗・強姦・誘拐等他の重い犯罪行為( ⇒Felony))の手段として、意図的な殺害をした場合。情状酌量等が認められず、量刑も死刑または終身刑(100年を超える実質的終身刑を含む)。
第二級謀殺(Second-degree murder) 第一級謀殺以外の、一般的な事前の殺人の故意による殺人。重い犯罪行為( ⇒Felony)の実行時に意図的でない殺害をした場合を含む(日本における強盗殺人罪、強姦殺人罪等と同旨の部分もある。)。
故殺( ⇒Manslaughter) 第三級謀殺(Third-degree murder)とも称される。日本法においては、過失致死罪は殺人罪と別の類型であるが、Manslaughterはその双方を含む概念である。
Voluntary manslaughter 喧嘩における殺人、挑発行為に対する逆上時における殺人等、殺人の故意はあるが計画性のないもの。これに謀殺を加えたものが、日本法の殺人罪に相当する。
Involuntary manslaughter 日本語でいう過失致死に近い(negligent homicide)が、死の結果について認識がある場合(認識ある過失)に適用される。
関連項目
死刑
安楽死
尊厳死
臓器の移植に関する法律(臓器移植法)
外部リンク
⇒法制審議会刑事法(凶悪・重大犯罪関係)部会第5回会議(平成16年7月30日開催)
⇒答申(凶悪・重大犯罪に対処するための刑事法の整備に関する要綱(骨子))及び附帯決議
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更新日時:2008年6月9日(月)16:08
取得日時:2008/08/14 20:10