歩兵部隊の編成は組織や時代によって非常にばらつきがあり一概には言えない。
基本的に現代の軍隊では二人から六人程度で構成される班が戦闘の最小の行動単位となり機関銃などの制圧火器がしばしばこの部隊に配備される。二個から三個の班から構成される分隊があり(分隊支援火器として制圧火器がこの分隊に配備される場合もある)、三個から四個ていどの分隊で構成されるものは小隊、小隊が三個から四個ほど集まった部隊を中隊とする。中隊の規模になってくると歩兵の人員数は100〜250人程になり、歩兵の部隊での比率は60%から90%程度になってくる。中隊がさらに三個から五個ほど集まって大隊となり、大隊は部隊を支援するための火砲や車両などのを装備し、おおむね少佐や中佐の士官が指揮を執る。その大隊を三個から四個ほど擁するのが連隊または旅団と呼ばれる。この連隊や旅団は大体1500〜2500人程度の人員を抱え、中佐や大佐が指揮を執り、支援として戦車隊や工兵隊なども部隊を構成する場合がある。この程度の規模の部隊になれば歩兵の比率は25%から60%当たりになってくる。ちなみに旅団や連隊よりも大規模な師団という部隊の単位も存在する。
時代によっても歩兵の編成は変わってくる。例えば古代中国では卒、伍、隊、旅、軍というような編制の記述が兵法書にみられる。この影響からか近代の日本にも伍長、一兵卒、部隊、旅団というような名称があるように一部名残があるようである。
歩兵には非常に多岐にわたる実践的な能力が求められる。その歩兵がどのような任務につく部隊に所属しているか、またどのような適性があるのか、予算がどのていど充実しているのかなどによって大きくその教育内容などが変わるので、概略することは難しい。平均的な歩兵の能力について以下は述べる。
徒歩での移動能力に関しては歩兵は徹底的に訓練で鍛えられる。歩兵はしばしば50kg以上の装備を担いで、車両が入ってこられないような険しい地形を突破する必要があるため、マラソンや山岳地域の行軍などで体力と強い足腰を鍛える必要性がある。歩兵だけにいえることではないが、歩兵の根本的な任務は徒歩で複雑な地形を走破、また隠密的に移動することであるので、特に重要な事項であるといえる。
格闘技は近接戦闘における技術を獲得するためにどの歩兵でも訓練される。国によって訓練される格闘技の種類はそれぞれ異なる。ナイフの取り扱いもこの一環で訓練され、閉所での戦闘に生かされる。また銃剣の取り扱いを含めた総合的な閉所での戦闘訓練を受ける場合もある(詳しくはCQC、CQB)。
射撃能力によってその歩兵の戦闘力が大きく左右される。銃の操作・メンテナンス方法や射撃時の姿勢、基本的な射的訓練、次々と現れる的を素早く的確に狙う訓練は特に重要であり、反射的に銃を目標に対して的確な姿勢で向けるようになり、素早く銃が取り扱えるようにならなければ実戦で優位に立つことは難しい。
戦闘陣地の建設のノウハウを歩兵がきちんと把握しておけば、あらゆる局面で敵の攻撃の被害を軽減できる。塹壕(ざんごう)を掘る位置や形、また人員の配置などには一定の理解に基づいて建設されなければ、十分に機能しない。また建設の要領を歩兵全員がわかっていれば短時間で戦闘陣地を建設できる。こういったノウハウはすべての歩兵が熟知することが望ましい。塹壕の底に50cm程度の溝を作っておけば、手榴弾が投げ込まれても溝に落ちるので比較的安全、などといった細かい知識が戦場では生死を分けることもある。
歩兵はその自己完結性が強く求められる兵科であるのでサバイバルの技能も重要視される。野生の動植物を食べられるか判別する知識や、潜入技術やナイフ格闘、負傷した際の応急処置(野戦衛生学など)や地図やGPSがない状況での地形把握などの幅広い技能がこれにあたる。しかし全ての歩兵がこの技能を身につけられるわけではなく、選りすぐられた人員で編成する特殊部隊などが主に訓練を行う。日本の自衛隊ではレンジャーが特にサバイバルを重視した訓練を受けている。
なお歩兵個人が戦闘中に死亡することは戦死というが、戦時下において歩兵を死に至らしめたり、あるいは戦闘できないほどに消耗させてしまうのは、何も敵による攻撃だけとは限らない。事故・疾病・飢餓といった危機的状況は平和で安全な文明社会にいるときよりも、より深刻なダメージを与えうる。こういったダメージで兵員が損耗することは部隊、ひいては軍隊にとっても大きな損失となるため、各々の歩兵は必要に応じて自身の身を、それら敵以外から受けるダメージを防ぐ知識と技能も要求される(→歩兵の損耗に関しては、戦死を参照されたし)。
陸上戦闘で最も発生しやすい損害の大部分は歩兵である。しかし敵の陸上戦力を掃討して敵拠点を征圧しなければ戦争の勝敗を決定的なものにすることは難しい。そのため戦車、火砲、航空機などの兵器を用いて、まず敵部隊の圧倒的な戦闘力を破壊し、敵に逆襲が不可能な損害を与えてから歩兵部隊を投入することが望ましいと考えられている。(小隊や分隊レベルの歩兵の運用については歩兵の戦術を参照)
歩兵の仕事の大部分は移動、残りは防御陣地の建設と維持であり、その余禄に一割にも満たない戦闘が含まれる。映画などの娯楽作品では、往々にして歩兵は常に撃ち合いをしている様に描かれるが、実際にそのような状況下では、敵も味方も精神的に疲弊して戦闘ストレス反応(戦争神経症 shell shock)を示す場合がある。第二次世界大戦の研究によれば、100日〜200日にわたって戦闘を生き延びた兵士のほとんどが心身共に磨耗し、戦闘不能になってしまっている。実質的に頻繁な戦闘行動が行われるのは、どちらかが一方的に大量の人材や物資を投入して、攻め上げている場合のみである。今日のアメリカがこの様式で、相手を疲弊させ、戦争の早期決着を目指す作戦を取っている。しかしながら、近年の湾岸戦争やイラク戦争などでは即席爆発装置(IED)で手足を失う兵士や心的外傷後ストレス障害などを患う兵士も多く、アメリカは国内外から強い反発を受けている(戦術を参照)。
戦闘は歩兵にとってもっともつらく苦しい仕事となる。戦闘はその目的や環境、参加戦力の規模や種類によってさまざまな形態がある(塹壕戦、市街戦、上陸戦など)。