北海道では、管区機動隊はなく、その代わりに1個大隊編成の北海道警察警備隊が置かれている。大隊長は、原則として北海道警察本部警備部警備課指導官(警視)をもって充てることになっている。大隊本部は、北海道警察本部警備部警備課に置かれている。
機動隊類似の部隊
千葉県警察成田国際空港警備隊
1978年に新東京国際空港警備隊として発足する。千葉県警察本部警備部に設置され、成田国際空港の警備に当たる。千葉県の警察官の他、全国都道府県警や皇宮警察からの出向者によって編制される。隊員数は約1500名。空港警備隊長(千葉県警察本部警備部参事官: 警視正)の指揮下に総務室、警備室、6個の空港機動隊(大隊)によって編制されている。爆発物処理班、銃器対策部隊、レンジャー部隊、NBCテロ対策部隊、機動救助隊、儀じょう隊などが置かれている。
警視庁総理大臣官邸警備隊
2002年(平成14年)4月1日に発足する。警視庁警備部警護課の附置機関で、首相官邸の警備に当たる。隊員数は約100名。本部隊の発足以前は首相官邸の警備は所轄の警視庁麹町警察署が行っていたが、警備力の不足が指摘されたため、本部隊の創設となった。隊長(警視)以下3個中隊編成となっている。機関けん銃(短機関銃)や化学防護装備等を保有している。
皇宮警察特別警備隊(特備隊)
皇宮警察の坂下、吹上、赤坂の各護衛署に勤務する皇宮護衛官で編成される機動隊。1個中隊(3個小隊)から成り、隊員は50名。隊長は皇宮警部で小隊長は皇宮警部補である。皇宮警察本部警備部警備第二課に設置されている。皇居内の警衛を実施しており、特別警備隊内に儀仗隊を置き儀衛も実施している。外国大使・公使の儀衛の他、皇族の葬儀の際には正装して出棺の列の護衛を実施する。通常業務と警備隊業務を兼務し、特別警備隊に入隊すると警視庁第一機動隊で警備実施訓練を受ける。機関けん銃(短機関銃)も装備している。
海上保安庁特別警備隊(特警隊)
海上保安庁が全国の主要海上保安部の警備実施強化巡視船に配置している部隊。都道府県警察の機動隊とも合同訓練を行なっている。所属管区に関係なく全国的に活動。対テロ事案の際は特殊警備隊(SST)が到着するまでは初動措置を実施する。港湾施設の警備や海上デモの規制(どこかの港で大規模な海上デモが予定されているときは、 全国の警備実施強化巡視船を集結させる。そして、この機動隊が当該地区の小型巡視船艇(PC型・CL型と呼ばれる巡視艇)に乗り換えて、デモなどに対する警備実施を行なう)。特別警備隊の下に2個の機動隊(小隊編成)が置かれている。
各都道府県警察や各隊の運用により、異なることも多いが、概ね機動隊の編成は以下のとおりである。
連隊 : 連隊長(概ね警視正)及び3個大隊。
大隊 : 大隊長(概ね警視)及び3個中隊。
中隊 : 中隊長(警部)及び3個小隊。
小隊 : 小隊長(警部補)及び3個分隊。
分隊 : 分隊長(巡査部長)及び隊員(巡査長・巡査)4名の合計5名。
―― 伝令 : 伝令長(警部補)以下伝令。小隊レベルまでの各隊長に随従。
個人装備
正装
機動隊も警察官であり、正装は一般の警察官と同様に制服を着用する。また、各都道府県警察によって仕様は異なるが、機動隊員章や腕章を着装する場合がある。靴は主に出動靴(安全靴構造のブーツ)を使用する。
また、機動隊員として特徴的な装備は次の通りである。
出動服
紺色で防水難燃加工されている。通常は、上衣を下衣の上に出して使用するが、防弾ベストなどを装着する際は上衣を下衣に入れる。そのため、上衣の下半分にはポケットが付いていない。右上腕部に旭日章のワッペン(西陣織で出来ている)が縫いつけてあることから、通称「ワッペン服」とも呼ばれる。出動服の中には盛夏ワイシャツを着用する。
出動靴
基本的に編上型の半長靴を履くことが多い。危険な任務の場合は鉄板の入った、いわゆる「安全靴」を使用する。両者とも「編上靴(へんじょうか)」と呼ばれている。自衛隊などの半長靴と違い、踝までを紐で締め、その上にゲートルが付いている。
防護装備
旧式では、脛当・篭手・防護衣。篭手以外には鉄製のプレートを入れて投石などから身を守る。防弾性能なし。篭手は革またはジュラルミン製。篭手以外は出動服の中に装備し、外側からは見えない。新型では、臑当・篭手・防護ベスト(背中に「POLICE」と白抜きで入る)で大幅に軽量化されている。臑当・篭手はポリカーボネート製。防護ベストはナイロン製ベストで前面にはステンレスプレートが入っている。このプレートは体に沿って湾曲しており若干の防弾性能も持たせてある(止められるのは.30口径程度まで)。旧式は背面は何も入っておらず無防備であったが、新型では背面にポリカーボネートプレートが入っている。新型装備には裏側にウレタンクッションが張られており、打撃の衝撃を吸収するようになっている。旧式と違い出動服の上から装備する。脛当は各県警によって、マークやイラストがあり、北海道警なら熊、茨城県警ならバラのマークが描かれている。
マフラー
綿または絹製で燃え難いため襟元を守る役割(対火炎瓶)と、包帯代わりの役割がある。通常は白色だが、隊によってはシンボルカラーに染めているところもある。
ヘルメット
ポリカーボネート製。鉄兜とも呼ばれる。旧式では青色で、顔面保護用のバイザーは外装、また頚椎保護用の垂れが付いている。旧型の正式名称は「SB8型防護面付特殊警備用ヘルメット」。新型では黒色で、バイザーは内装、また頚椎保護用の垂れが付いている。旧型・新型ともに防弾性能なし。バイザーの厚さは旧・新ともに約2mm。かつては階級を表示する周章があったが、あさま山荘事件では指揮官が周章で見分けられ狙撃された事を教訓に、後頭部にのみ階級線を入れるようになった。階級章は通常のものと異なり、白線の数や太さで識別された簡略章が用いられる。この略章は一般警察官の乗車用略帽にも用いられている。
盾
防護用装備。縁や角の部分による打撃用としても使用される。旧型はジュラルミン製。投石や角材などによる攻撃を防ぐためのもので、防弾性能はない。このため、あさま山荘事件では犯人の銃撃から隊員を守ることができず、盾を2枚重ねて使用した。