検察官は訴追機関であると同時に、あらゆる犯罪を捜査する権限も有する(実際には補充的な捜査にとどまることが多い)ことから、他の捜査機関(一般司法警察職員・特別司法警察職員)との関係が問題となる。
戦前、検察官は捜査を主宰するとされ、強力な指揮権限が認められていた。もっとも、指揮に反した場合でも、警察は内務省管轄であったため、内務省警保局の管理権と検事の指揮が反した場合は、その指揮を貫くのは難しかったとされる。戦後は原則としていずれも対等・独立の協力関係であるとしつつ、公訴提起・公判維持の観点から検察官に一定の指揮権限を与えている。
具体的には、検察官は警察官等に対して、一般的指示権、一般的指揮権、具体的指揮権を有するほか、正当な理由がなくこれらの検察官の指揮に従わない場合、検事総長、検事長、検事正は従わない司法警察職員の懲戒の請求を公安委員会に対してすることができる。検察官自身には懲戒権限はない。検事総長、検事長又は検事正自身には懲戒権限はないため、この正当性の判断や必要性等は国家公安委員会が独自に判断する事となっている。公安委員会の管理権と検察官の指揮権が相反する場合にどちらが優先されるかが問題となるが、あくまでも正当性の判断主体は公安委員会であるため、公安委員会の管理権が優先されると解されている。
これは司法警察活動(犯罪の捜査)に関してのものであり、行政警察活動(犯罪の予防・鎮圧等)に関しては戦前、戦後ともに検察官の権限はなく、当然指揮の問題も発生しない。
検察審査会とは、選挙権を有する国民の中から無作為に選ばれた11人の検察審査員が、検察官の公訴を提起しない処分(不起訴処分)の当否の審査に関する事項、及び検察事務の改善に関する建議又は勧告に関する事項を扱う機関である。前者の不起訴処分に対する審査の議決は、司法制度改革により、今後、法的拘束力を持たせることとなっている。
検察官適格審査会とは検察官の職務に対する適格性を審査する機関(法務省の審議会等)であり、国会議員6人(衆議院議員4人、参議院議員2人。検察庁法23条4項)、最高裁判所判事1人(最高裁判事の互選。検察官適格審査会令1条2項)、日本弁護士連合会会長(検察官適格審査会令1条1項2号)、日本学士院会員1人(日本学士院会員の互選。検察官適格審査会令1条2項)、学識経験者2人の計11名で構成される。
委員は法務大臣に任命され、その任期は2年で再任されることができ、非常勤であり、委員1人につき同一の資格のある予備委員1人が法務大臣により任命される。予備委員のうち、日弁連会長をもって充てる委員の予備委員は日弁連副会長の内の年長者(検察官適格審査会令2条2項)を任命する。全ての検察官を3年ごとに定時審査するほか、法務大臣の請求により、または職権で各検察官を随時審査する(法律上の制度ではないが一般の者も審査会に随時審査を開始するよう求めることはできる)。審査によって免職された場合、3年間弁護士になることができない(弁護士法7条3号)。
脚注^ 最高裁判所昭和27年6月5日決定・最高裁判所裁判集刑事65号73頁
^ 東京高等検察庁検事長のみ大臣政務官よりも高く副大臣よりも低い待遇であり、その他の高等検察庁の検事長は大臣政務官に相当する待遇である。
^ 本項に記した待遇は、俸給(給与の本給)の額の比較に基づく。次長検事及び検事長について「大臣政務官級」とあるが、大臣政務官は認証官でなく、給与以外の側面から見れば次長検事及び検事長は副大臣級とみなすことも間違いではない。
外部リンク
⇒検察庁法
⇒検察庁事務章程
カテゴリ: 検察官 | 日本の検察官 | 刑事訴訟法 | 日本の行政官職名
更新日時:2008年9月27日(土)10:55
取得日時:2008/10/15 12:10