核兵器
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第二次世界大戦と核兵器開発

1930年代中性子による原子核の分裂が連鎖的に行われれば、莫大なエネルギーが放出されると仮説が立てられていた。1939年ウランによる核分裂連鎖反応が実験実証されると各国で原子炉の開発が開始された。当初は必ずしも兵器目的ではなかったが、この年の9月に第二次世界大戦が勃発すると、核分裂の巨大エネルギーを兵器として利用する原子爆弾の可能性が活発に議論されることになる。原爆の秘密裏の検討は連合国側・枢軸国側ともに行われていたとされる。[1]


マンハッタン計画

この時代で原爆開発を組織的に最も推進できたのはアメリカであった。当時のアメリカには当時核開発を行っていたドイツナチスユダヤ人迫害から逃れてアメリカに移民した優秀な科学者が大勢おり、その一人のレオ・シラードアインシュタインの署名を得て、ルーズベルト大統領にヒトラーの核保有と独占の危険性を訴える手紙を送った(1939年8月)。これを契機に原爆開発がスタートしたとされる。この秘密開発プロジェクトはマンハッタン計画と呼ばれた。

ウラン濃縮プラント・プルトニウム生産炉の各巨大工場の建設、そしてオッペンハイマーが率いるロスアラモス研究所には優秀な科学者を全米から集め、アメリカの軍・産・学の総力を挙げた国家プロジェクトとなった。最初の原爆は1945年7月16日に完成(3個)し、そのうち1個(ガジェット)によりアラモゴードの砂漠で世界最初の原爆実験を実施した。残りの2つの原爆が日本に投下された。詳細はマンハッタン計画を参照。

世界初の原子爆弾の実使用は、1945年8月6日午前8時15分に広島に対して濃縮ウラン型原爆リトルボーイB-29エノラ・ゲイ)からの投下で実行された。ついで1945年8月9日午前11時2分には長崎に対してプルトニウム爆縮型原爆ファットマンB-29ボックスカー)から投下された。

原爆投下により両都市は一瞬にして壊滅し、数十万人が殺害された。原爆炸裂によるキノコ雲の頂点は17kmと成層圏に達し、雲からは放射性物質を含む黒い雨が30kmの範囲に降り注ぎ、被曝の人的被害を拡大した。詳細は広島市への原子爆弾投下長崎市への原子爆弾投下を参照。

原爆の成功に軍当局は喜んだものの、原爆使用の実体が明らかになってくると世界は恐怖し、原爆開発に関係した科学者からも原爆反対の声があがっていくことになる。

核の力によるアメリカの単独覇権は想定通りとならなかった。予想以上に早く、1949年ソ連原爆実験に成功したからである。これ以降、世界は核の均衡の上の冷戦の時代に突入する。

なお、ソ連の原爆開発には、CFR(外交問題評議会)メンバーであり、ルーズベルト政権の商務長官兼任大統領主席補佐官であったハリー・ホプキンスが、意図的にソ連に原爆技術を移転したと言う、レーシー・ジョーダン(George Racey Jordan)少佐のアメリカ議会委員会での宣誓供述がある。[2]


冷戦時代の核競争核実験を至近距離で見つめる兵士たち。核攻撃直後の被爆地における作戦行動能力の調査という名目であったが、人体への影響を調査する実験体であったとも言われる。アメリカ合衆国(青)とソビエト連邦(ロシア、赤)の核兵器保有量の推移(1945年-2005年)

冷戦時代には、アメリカ合衆国とソビエト連邦の間で核兵器の大量製造、配備が行われた。イギリス、中国、フランスも核兵器を開発、保有した。核兵器の量は地球上の全人類を滅ぼすのに必要な量を遥かに上回っていたとされる。また、核による先制攻撃を通じて相手国に致命的なダメージを負わせ、戦争に勝利するという戦略を不可能にするべく、相手国の攻撃を早期に探知し、報復するためのシステムが構築された。この戦略は相互確証破壊(Mutually Assured Destruction, MAD)と呼ばれ、冷戦期の核抑止をめぐる議論で重要な役割を果たした。

また核兵器の小型化にともない冷戦期には戦略的な使用のみならず戦場などで使用される戦術核兵器も開発され、同時代のミサイルの信頼性の低さを補うための対空核ミサイル、潜水艦を確実に沈めるための核魚雷、敵部隊を一撃で殲滅するための核砲弾など、ありとあらゆるものの核兵器化が行われた。戦略爆撃機弾道弾搭載原子力潜水艦(SSBN)大陸間弾道弾(ICBM)の三つは核兵器の三本柱(トライアド)といわれた。


核の冬

核兵器の大量使用の後には、地表は放射性物質で汚染され、また放射性物質を含む灰(放射性降下物)が降ることになる。巻き上がった灰によって日光が遮られ、地表の気温が低下し、植物が枯れ、人間が生存できない環境になることが指摘された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki