未成年者
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財産行為

一般原則
未成年者は制限行為能力者である( ⇒20条1項)。したがって、未成年者が、法律行為を行うには法定代理人の同意が必要である( ⇒5条1項本文)。法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、単独で取消せる( ⇒120条)。ただし、単に義務を得、または義務を免れる法律行為については法定代理人の同意は不要であり、制限行為能力者であることを理由として取り消すこともできない( ⇒5条1項但書)。単に権利を得、または義務を免れる法律行為とは、未成年者が債権者から債務の免除を受ける場合などである。なお、未成年者による貸金の領収は未成年者の債権が失われるので法定代理人の同意が必要となる[2]

随意財産の処分
民法第5条1項の規定にかかわらず、未成年者は、その法定代理人が目的を定めて処分を許した財産についてはその目的の範囲内において、目的を定めないで処分を許した財産については任意に処分できる( ⇒5条3項)。

未成年者の営業の許可
未成年者の法定代理人は未成年者に対して一種又は数種の営業を許可することができ、この場合、許可された未成年者はその営業に関しては成年者と同一の行為能力を有する( ⇒6条第1項)。したがって、未成年者が許可された営業について行った法律行為は制限行為能力者であることを理由としては取り消すことができなくなる。法定代理人は未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは営業の許可を取消・制限することができる(6条第2項)。この取消し・制限は将来に向かって許可の全部あるいは一部の効力を失わせる撤回であるから、その営業が許可されていた間に未成年者がなした営業行為を取り消すことはできない[3]。未成年者の営業の許可及びその取消し・制限において、営業の内容が商業であるときは商法上・会社法上・商業登記法上の登記を要する( ⇒商法第5条など)。


身分行為

未成年者の婚姻
未成年者でも婚姻は可能であるが、未成年者の婚姻には婚姻の一般的要件(重婚の禁止など)のほかに、婚姻適齢に達していること( ⇒731条)及び父母の同意( ⇒737条)を要する。第一に婚姻適齢については男性は18歳以上、女性は16歳以上でなければならない。これに反する婚姻届は受理されず、誤って受理された場合でも各当事者、その親族又は検察官からその取消しを家庭裁判所に請求することができる( ⇒744条1項本文)。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、婚姻の取消しを請求することができない( ⇒744条1項但書)。婚姻適齢に達していない者の婚姻は不適法な婚姻として民法744条によって取り消されるまでは一応有効なのであって、当然無効となるわけではないので不適齢者が婚姻適齢に達したときには取消しを請求することができなくなる( ⇒745条1項)。ただ、婚姻した不適齢者は、適齢に達した後、なお3ヶ月間はその婚姻の取消しを請求できるが( ⇒745条2項本文)、適齢に達した後に追認したときは、もはや不適齢を理由として取り消すことはできない( ⇒745条2項但書)。第二に未成年者で婚姻する場合は、父母の同意が必要である( ⇒737条本文)。父母の一方が同意しないとき、父母の一方が知れないとき、父母の一方が意思を表示することができないときは他の一方の同意だけで足りる( ⇒737条但書)。ただ、民法737条については実親と養親がいる場合はどうなるのか、離婚や親権喪失の宣告などによって父母の一方あるいは両方が親権を喪失している場合はどうなるのかといった問題点をめぐり学説が複雑に対立しており、父母ではなく親権者あるいは未成年の後見人の同意または家庭裁判所の許可とすべきといった議論もなされている[4]。民法737条に反する婚姻届は受理されないが、誤って受理された場合にはもはや取り消すことはできない(民法744条が不適法な婚姻の取消原因として民法737条(父母の同意)を加えていないことに注意)。未成年者は婚姻によって成年に達したものと擬制を受ける( ⇒753条)。ただし、この成年擬制の効果は民法などの私法領域のみに限られ、公法領域にその効果は及ばない(未成年者喫煙禁止法未成年者飲酒禁止法などの法律は当然適用されない。公職選挙法上の選挙権も持たない)[5]。成年擬制を受けた者が年齢二十歳に達しないうちに婚姻を解消した場合には、未成年に復帰するとする少数説もあるが、当事者や法律行為の相手方などの社会的影響を考慮して未成年には復帰しないとするのが通説[6]である。

未成年者の認知
未成年者は嫡出でない子の認知をすることができる。法定代理人の同意は不要である( ⇒780条)。

未成年者の養子縁組

未成年者を養子とする場合

未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない( ⇒798条)。

配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない( ⇒795条本文)。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合または配偶者がその意思を表示することができない場合はこの限りでない( ⇒795条但書)。

養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人がこれに代わって縁組の承諾をすることができる( ⇒797条1項)。法定代理人がこの承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない( ⇒797条2項)。


未成年者が養親となる場合

民法は「成年に達した者は、養子をすることができる」と規定しており( ⇒792条)、この反対解釈から未成年者は養親となることができない。 ⇒753条により婚姻によって成年に達したものと擬制を受けた者については法律実務上養親となることができることとされているが、この点については議論がある[7]

未成年者の遺言
15歳に達した者は、遺言することができる( ⇒961条)。法定代理人の同意は不要である。


日本の各法律における未成年者
刑法
刑事未成年者14歳に満たない者の行為は罰しない(第41条)。詳しくは、責任能力の項目を参照。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki