印欧語やセム語に見られる性・数の概念は無く、性・数・格の一致の概念もない。
名詞の格は格助詞によって表わされる。話し言葉では格を明示しなくても文脈上明らかであれば省略する。
一つの名詞が複数の格助詞をとることができる。二つの格助詞が組み合わさって新しい意味を持つこともある。
動詞は語幹のみでは文節を形成することができず、必ず終結語尾を必要とする。
動詞と終結語尾の間には時制やアスペクト、主体敬語を表す先語末語尾を挿入することができる。
形容詞は動詞とほぼ同じ活用をする。また、日本語のように形容詞と形容動詞に分かれていない。
冠形詞は名詞を修飾する不変化詞で、日本語の連体詞に相当する。
敬語には対者敬語、主体敬語、客体敬語の三つがあり、日本語の丁寧語、謙譲語、尊敬語にほぼ相当する。
名詞、助詞、動詞には敬語を表す特別な語彙(補充形)があり、敬語を表す名詞接尾辞、敬語を表す動詞(主体敬語を表す語尾先語末語尾と対者敬語を表す終結語尾)がある。
対者敬語を表す終結語尾は敬意の程度が6段階に分かれるが、そのうちよく使われるのは4段階のみである。
日本語の敬語はウチとソトの概念に関して相対的であるが、朝鮮語の敬語は序列(血縁的なものも含む)に関して相対的である。
(母に対して)????? ????.(お父さんがいらっしゃいました)
(祖父に対して)???? ???.(お父さんが来ました)
朝鮮語の語彙集も参照
朝鮮語の語彙は大きく分けて固有語、漢字語(古典中国語系語彙)、外来語の三つの階層から成り立っている。特に韓国における朝鮮語の外来語のほとんどは英語であり、固有語の上に漢字語(古典中国語系語彙)と英語などの欧米系借用語の二つの上層を持つという意味において日本語やベトナム語に似た語彙構造を持っているということができる。
一層目の固有語は古来からの朝鮮語である。全ての品詞に広く分布しており、朝鮮語の語彙の核であるが、日本語と同じく基本語彙の中にも漢字語に侵食されているものがあり、その比率は日本語よりも高めである。例えば、山を表す?/san/、川を表す?/ga?/はそれぞれ「山」、「江」であり、元々あった山と川を表す固有語(?, ??)は残存しているものの、意味の縮小と非日常語化を余儀なくされた。
二層目の漢字語は中国語由来の言葉である。まず伝統的な語彙に見られる漢語は中国との長い間の接触によって時々の中国語から直接に借用され、または国内で韓国製漢語として造語された。また日本による植民地時代には日本語を経由した漢語の借用が行われた(和製漢語の流入)。それゆえ韓国で使われる現在の漢語の字義と日本語の漢語の字義との一致率は日本語と現代中国語のそれを上回る。漢字語は名詞、動詞、形容詞に見られる。名詞はそのままとりこまれたが、動詞、形容詞は朝鮮語の活用体系に合わせるため、-??/hada/をつけてとりこまれた。日本語において動作性漢語名詞に「?する」をつけて活用するのと同じである。
漢字の読音は日本語の場合とは異なり、ほぼ1つに統一されている。稀に一つの漢字が複数の音を持つ場合があるが、それは日本語の漢音・呉音のように複数の時代の中国音を反映しているのではなく、中国語における一字多音を反映していることが多い。例えば、悪には?/ak/と?/o/の二つの読音があるが、?/ak/は「悪い」という意味であり、?/o/は「憎む」という意味である。なおこの場合、日本語ではアク・オ、普通話では e ・ wu に、それぞれ対応する。入声は保持されているが、語末の t が l に変化している。
三層目は(漢字語以外の)外来語である。韓国においては英語、北朝鮮においてはロシア語が主な輸入源となった。外来語をとりこむ方法は漢字語に準ずる(名詞はそのまま、動詞、形容詞は??をつける)。
それぞれの階層の語が語彙全体の中で占める割合を日本語と比べた場合、固有語と外来語は割合がやや少なく、漢字語は割合がやや高い。
その他の外来要素としては、元朝支配時代に流入したモンゴル語と植民地時代に流入した日本語がある。モンゴル語は当時はかなりの影響力があったとする学説もあるが、現代ではごく僅かな特殊語彙に痕跡をとどめるのみである。ここでいう日本語とは、和製漢語(朝鮮漢字音読み)とは区別される。例えば「勝負」は漢字を介して??/s??bu/という形でも流入し、同時に日本語音そのままで??/sjobu/という形でも流入した。このようにして朝鮮語にとりこまれた日本語には、弁当、バケツ、袖(??/som?/)などがあるが、韓国・北朝鮮の両方の政府はこのような日本語からの借用語を排除する政策を採ったため、現在では高齢者を中心に限られた範囲で俗語として扱われていることが多い。品詞は名詞、副詞が多く、副詞は本来の日本語が持っているニュアンスとは微妙に異なることが多い。これらの語彙は朝鮮語の語彙全体からして非常に低い割合でしかないが、日本植民地統治時代の残滓と考えられたため問題視されたのである。
韓国と北朝鮮ではそれぞれ別々に言語政策を取ったため、二つの地域では語彙にも差が見られる。詳しくは朝鮮語の南北間差異を参照のこと。中国の朝鮮語の語彙も中国語の強い影響を受けている。中国語を朝鮮語音で読んで取り入れる場合もあれば、中国語音をそのまま取り入れる場合もある。例えば、「卒業」は韓国において同じ漢字語を用いて??/?or?p/というが、中国では「??(畢業)」を朝鮮語読みして??/p?ir?p/という。また、「コンピューター」は韓国では???/k??mp?jut??/だが、中国では「??(電脳)」の発音そのままに????/t'iennao/であるようだ。中央アジアにおいてもロシア語の動詞стрейть(建てる)から不定詞語尾-тьをとって代わりに-??をつけて??????/s?t??reihada/とするなどのロシア語流入が行われている。
朝鮮語に関する資格試験
「ハングル」能力検定試験
日本の特定非営利法人ハングル能力検定協会が主催する資格試験で、6月頃と11月頃(年に2回)実施される。日本の朝鮮語学習者によく知られている試験である。5級が最も低く、4級・3級・準2級・2級・1級の順にレベルが上がる。日本国内でのみ通用かつレベルアップの段階が英検とほぼ同じであるため、しばしば英検と比較対照されることがある。2006年より「準1級」が無くなった。2級と1級は、問題文など全てが朝鮮語で表記されている。なお、この試験は、解答する際に南北どちらかの言い回しに統一されていれば正解となる。また、近年の韓流ブームなどで初級受験者はかなりの増加傾向にあるが、逆に2級や1級レベルでは受験者は極端に少なく、会場に一人もいないという場合も珍しくない。2004年前後に上級の試験問題は難易度が増す一方、3級以下で各級とも合格率が90%前後にまで易化するという現象が起こった。しかし2006年に出題基準が見直され大幅な改正が行われた結果、低い級でも難易度が一気に高くなって現在に至っている。このような難易度の乱高下のため、資格としてはいささか信頼性に欠ける。
韓国語能力試験(通称:TOPIK)
韓国教育課程評価院が主催し、教育科学技術部が認定する資格試験。毎年4月と9月に実施される(韓国などでは2007年から、日本では2008年から年2回になった)。