遮蔽定数 S を求める方法について、J・C・スレーターが次のように提案した。
有効量子数 n* は、量子数 n と以下のような関係にあるとする。
n12345
n*1.02.03.03.74.0
有効核電荷 Zeff を計算するにあたって、原子のもつ以下のようなグループに分類し、1sから順に外側のグループに電子が配列するとする。(1sのグループ)⇒(2sと2pのグループ)⇒(3sと3pのグループ)⇒(3dのグループ)⇒(4sと4pのグループ)⇒(4dのグループ)⇒(4fのグループ)⇒(5sと5pのグループ)⇒(...)⇒(...)...
このとき、遮蔽定数Sはつぎの B, C, D の和とする。A. 着目する電子より外側の軌道に関しては無視する。B. 着目する電子と同じグループにあるほかの電子からの寄与は電子1つにつき0.35(例外として1s軌道のときだけ0.30)とする。C. 着目する電子がsとpのグループにあるときは、主量子数が1小さい電子からの寄与を電子1個につき0.85とし、その他の内側の電子の寄与は電子1個につき1.00とする。D. 着目する電子がdまたはfのグループのときは、それより内側にある電子の寄与を電子1個につき1.00とする。
この方法にしたがって Mg, Si の最外殻電子 (n = 3) について有効核電荷を計算してみると、
Mg(Z = 12, 1s22s22p63s2)Zeff = 12 ? (1 × 0.35 + 8 × 0.85 + 2 × 1.00) = +2.85
Si (Z = 14, 1s22s22p63s23p2)Zeff = 14 ? (3 × 0.35 + 8 × 0.85 + 2 × 1.00) = +4.15
となる。 つまり、(Mgにおいて)電子による遮蔽がなければ、この最外殻電子は+12の核電荷の影響を受けるが、電子が間に存在することにより核電荷が+2.85にまで減少することを示している。
関連項目
スレーター軌道
参考文献
『演習無機化学』第1版、東京化学同人、2005年。
カテゴリ: 原子
更新日時:2008年9月26日(金)17:46
取得日時:2008/10/08 00:45