時間
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古典的な哲学における時間

時間については多くの哲学者が様々な考え方を提出して来た。そこで扱われる問題には、次のようなものが含まれる。

時間とは何か[7]

時間が流れるとはどのような事か

時間の流れを我々はどのように知るのか

時間をめぐる考察が厄介である事を示すためにしばしば引用されるアウグスティヌスの有名な言葉に、「私はそれについて尋ねられない時、時間が何かを知っている。尋ねられる時、知らない[8]」というものがある。


アウグスティヌス

アウグスティヌスは時間を内面化して考えた。時間はと無関係に外部で流れているようなものではない。過去、現在、未来と時間3つに分けて考えるのが世の常だが、過去はすでにないものであり、未来とはいまだないものである。ならば在ると言えるのは現在だけなのだろうか。過去や未来が在るとすれば、それは過去についての現在と未来についての現在が在るのである。過去についての現在とは記憶であり、未来についての現在とは期待、そして現在についての現在は直観だとアウグスティヌスは述べる。 時間はこのような心の働きである。は世界創造以前には何をしていたのかと問う人がいるが、アウグスティヌスによればこの問いは無意味である。なぜなら、時間そのものが神によって造られたものだから、創造以前には時間はなかったのである。神は永遠であり、過ぎ去るものは何もなく、全体が現在にある。


カント

カントは時間、空間の直観形式でもって、人間は様々な現象認識すると考えた。カントにおいて経験的な認識は、現象からの刺激をまず外官によって空間的に、内官によって時間的に受け取り、それに純粋悟性概念を適用することによって成立する。空間は外官(外的なものからの刺激を受け取る感覚器官)によって直観され、時間は内官(内的なものの感じをうけとる感覚器官)によって直観される。この場合時間は空間のメタファーとして捉える見方もあるが、それは『純粋理性批判』解釈の大変難しい課題である。時間、空間の一体どちらが根源的な認識様式であるかという問いに関しては、どちらかといえば時間であるという見解も純粋理性批判には見い出される。西洋の伝統では、事象は空間的、視覚的に捉えられる事が多いのである。そもそもロゴスという言葉は、ごちゃごちゃした塊を見やすいように整理分離するという意味であったのである。


仏教

仏教の時間理解は基本的に現在指向である。それは前世来世も説かなかったブッダの現世指向に起因するものらしい。 物事はすべて移ろい行くものであり、不変な存在などない(諸行無常)というのが仏教の根本的な認識である。アビダルマではこれを「すべての存在は極分化された一瞬にのみ存在し、瞬間毎に消滅する」(刹那滅)という思想として展開した。 龍樹に代表される空思想においても時間は、現在意識を軸に考察されている(後に、大森荘厳はこの時間理解を元に独自の思索を展開していくことになった。それについては後述)。


自然哲学および自然科学での時間


ニュートン力学での時間

アイザック・ニュートンは自然哲学にユークリッド幾何学(および他の数学)を大幅に導入してニュートン力学を創始し、そこにおいて時間は過去から未来へとどの場所でも常に等しく進むもので、空間と共に、現象が起きる固定された舞台を成すものであると想定した体系を構築し、この固定された舞台を絶対空間および絶対時間とも呼んだ。この体系では、空間は均一で平坦なユークリッド空間であることが暗黙に仮定されている[9]。(現代では、時空を合わせて4次元の直交デカルト座標で表すことができる、とも理解される)


相対性理論での時間

ニュートン力学においては時間は全宇宙で同一だが、アインシュタイン相対性理論ではそうではない。

特殊相対性理論によれば光の速度はどの慣性系に対しても一定である。これを光速度不変の原理と呼ぶ。光速度不変の原理から異なる慣性系の間の時空座標の変換式が求められ、それはローレンツ変換となる。このとき、ある慣性系から見て空間上の異なる地点で同時に起きた事象は、異なる慣性系から見ると同時に起きてはいない。これを同時性の崩れという。結果として、観測者に対して相対運動する時計は進み方が遅れて見える。

一般相対性理論によれば重力加速度は等価であり(等価原理)、これらは空間と共に時間をも歪める。一般に重力ポテンシャルの低い位置での時間の進み方は、高い位置よりも遅れる。例えば惑星や恒星の表面では宇宙空間よりも時間の進み方が遅い。非常に重力の強いブラックホール中性子星ではこの効果が顕著である。


アインシュタイン的時間解釈

【この節の記載は「時空」の節と重なる部分もあるが、この節ではアインシュタイン個人の時間解釈が述べられる。ただし、アインシュタインが以下のようなまとまった時間解釈を発表したか否かは、出典明示を要する。】

アインシュタインによれば時間と空間は同じもので時空(時空連続体)と解釈する。ニュートンの時間方程式もアインシュタイン方程式も時間対称性を持ち、ニュートンもアインシュタインも自分の方程式に時間対称性(時間は等方向つまり過去、現在、未来にも流れる事が方程式上可能)が存在するのを見つけており悩んだが、アインシュタインはあえてこの方程式上に存在する時間対称性が数学的に存在を許すのを肯定し、過去、現在、未来が同時に存在しているという解釈をした。これを時空連続体という。時空連続体には過去、現在、未来がすでに同時に存在している、という解釈である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen