仏教の時間理解は基本的に現在指向である。それは前世も来世も説かなかったブッダの現世指向に起因するものらしい。 物事はすべて移ろい行くものであり、不変な存在などない(諸行無常)というのが仏教の根本的な認識である。アビダルマではこれを「すべての存在は極分化された一瞬にのみ存在し、瞬間毎に消滅する」(刹那滅)という思想として展開した。 龍樹に代表される空思想においても時間は、現在意識を軸に考察されている(後に、大森荘厳はこの時間理解を元に独自の思索を展開していくことになった。それについては後述)。
アイザック・ニュートンは自然哲学にユークリッド幾何学(および他の数学)を大幅に導入してニュートン力学を創始し、そこにおいて時間は過去から未来へとどの場所でも常に等しく進むもので、空間と共に、現象が起きる固定された舞台を成すものであると想定した体系を構築し、この固定された舞台を絶対空間および絶対時間とも呼んだ。この体系では、空間は均一で平坦なユークリッド空間であることが暗黙に仮定されている[9]。(現代では、時空を合わせて4次元の直交デカルト座標で表すことができる、とも理解される)
ニュートン力学においては時間は全宇宙で同一だが、アインシュタインの相対性理論ではそうではない。
特殊相対性理論によれば光の速度はどの慣性系に対しても一定である。これを光速度不変の原理と呼ぶ。光速度不変の原理から異なる慣性系の間の時空座標の変換式が求められ、それはローレンツ変換となる。このとき、ある慣性系から見て空間上の異なる地点で同時に起きた事象は、異なる慣性系から見ると同時に起きてはいない。これを同時性の崩れという。結果として、観測者に対して相対運動する時計は進み方が遅れて見える。
一般相対性理論によれば重力と加速度は等価であり(等価原理)、これらは空間と共に時間をも歪める。一般に重力ポテンシャルの低い位置での時間の進み方は、高い位置よりも遅れる。例えば惑星や恒星の表面では宇宙空間よりも時間の進み方が遅い。非常に重力の強いブラックホールや中性子星ではこの効果が顕著である。
【この節の記載は「時空」の節と重なる部分もあるが、この節ではアインシュタイン個人の時間解釈が述べられる。ただし、アインシュタインが以下のようなまとまった時間解釈を発表したか否かは、出典明示を要する。】
アインシュタインによれば時間と空間は同じもので時空(時空連続体)と解釈する。ニュートンの時間方程式もアインシュタイン方程式も時間対称性を持ち、ニュートンもアインシュタインも自分の方程式に時間対称性(時間は等方向つまり過去、現在、未来にも流れる事が方程式上可能)が存在するのを見つけており悩んだが、アインシュタインはあえてこの方程式上に存在する時間対称性が数学的に存在を許すのを肯定し、過去、現在、未来が同時に存在しているという解釈をした。これを時空連続体という。時空連続体には過去、現在、未来がすでに同時に存在している、という解釈である。
この概念を発展させた近年の研究[要出典]で、なぜ光速が秒速約30万キロなのかという事も説明する。即ち、すでに出来上がっている過去、現在、未来(時空連続体)の中を私達が光速度 秒速約30万キロで走っている、とされる。私達が光の速度を秒速約30万キロと観測するのもこの為である、とされる。もし、私たちが時空連続体内を秒速10万キロで走っていると、光速度は秒速10万キロとなる、とされる。アインシュタインは記者から「その様な事が本当にあるのか?」と聞かれ、「信じては貰えないと思うが、過去、現在、未来がすでに同時に私の数学方程式上には存在しているのです」と答えている。
この解釈以降、空間3次元と時間1次元が合わせて「時空」と呼ばれるようになった。
ニュートン力学でも相対性理論でも、1個の質点の運動は、3つの空間座標と1つの時間座標で表される4次元空間の中の1本の連続曲線(軌跡)として表現できる。また特定の時刻に特定の場所で何かが起きるといった事象(イベント)は、この4次元空間の中の1個の点として表現できる。しかしニュートン力学では、3つの空間座標が互いに入れ替えることができるのとは異なり、時間座標は空間座標とは全く独立であり両者は完全に別のパラメータとして扱われる。一方、相対性理論ではローレンツ変換により時間座標と空間座標とが混合するので、両者を完全に独立のパラメータとして扱うことはできない。すなわちヘルマン・ミンコフスキーにより示された通り、ローレンツ変換はこの4次元空間の座標軸の回転とみなせる。この事情から、この4次元空間を時間と空間が強く一体化した「時空」だとする考えが生まれ、さらにこの考えが、重力は4次元時空の曲がりに相当するという一般相対性理論の発想につながった[10]。この4次元空間は、ヘルマン・ミンコフスキーにより数学的に定式化されたのでミンコフスキー空間またはミンコフスキー時空とも呼ばれる。
この解釈の提示以降の様々な議論については、時空の哲学も参照のこと。
よほど光速に近い速度で移動するもので無い限り、基本的にニュートン力学の枠組みで十分な精度で計算できるので、相対性理論が登場した後でも、大半の自然科学者は普段は基本的にニュートン力学の枠組みのままで時間概念を取り扱っている。(ただし、素粒子論などを扱っている科学者は別である)
現代の物理学の体系において、時間は物理量のひとつとして扱われている[11]。
特筆すべきことのひとつに、物理学分野での「プランク時間」の概念の登場がある。さる理論同士の矛盾があったが、もし光に最小単位があるという仮説を導入すれば解決することをマックス・プランクが見出し、それによって光量子の概念が認められ、それと連動してプランク単位系が生まれ、また「時間の最小単位」という概念も登場した。