四方を海に囲まれた日本にとって、海運は欠かせないものであり、沿岸部に工業地帯や人口が集中している理由でもある。日本郵船や商船三井などの世界有数の規模を持つ船会社が、19世紀後半から世界各国との間に貨物船や客船を運行してきてた。現在も中東地域や東南アジアからの石油や天然ガスなどの資源が輸入され、ヨーロッパやアメリカ合衆国との電化製品や自動車などの輸出されていく。国内航路においても大小の船会社によって多数の貨客フェリーや高速船が運航されている。また、造船分野においてもその技術力の高さから世界有数の規模を保っている。
自然富士山
国土が南北に長く、また森林限界を越える高山帯や広い海洋、四季の変化によって、国土面積の広さに比べて、生息する動物と植物の種類は豊富である。
日本は四方が海で囲まれているため、外部から新しい生物が侵入してくる可能性が低い。それに加え、多くの離島があるため、その島独自の生態系が維持されてきた土地が多数ある。特に小笠原諸島や、南西諸島は古くから本土と比べ孤立した生態系を築いてきたため、その島固有の動植物が多数生息している。殊に、小笠原諸島においては「東洋のガラパゴス」と呼ばれるほど特殊な生態系を持つ。そのため、その島の名前がその動植物につけられたものも多数ある(例:小笠原諸島のオガサワラトンボ、オガサワラノスリ。南西諸島のうち、八重山列島の西表島に生息するイリオモテヤマネコなど)。
高度経済成長期以降の食卓の変化や海外の農産品の輸入問題などさまざまな要因により、近年農林水産業が大きく変化した。このため、田畑や人工林の放置、漁業資源の減少などの問題も発生している。
日本の環境と環境政策も参照
日本は1950?60年代に四大公害病をはじめとした大規模な公害が発生した。そのため、日本政府は、1967年(昭和42年)の公害対策基本法制定をはじめとして、水質や大気汚染などの規正法を相次いで成立させた。これを受けて、日本企業はオイルショックのためにマイナス成長下にあった1973年(昭和48年)?1976年(昭和51年)前後に集中して公害防止への投資を行い、70年代以降は大規模な公害の件数は急速に減少した。また、この投資は、オイルショック下の日本経済の下支えの役割を果たしたため「日本は公害対策と経済成長を両立させた」といわれている[87]。
しかし、ゴミ問題のために富士山の世界遺産登録を断念したことに象徴されるように、環境対策と管理において、日本は多くの課題を抱えている。生態系においても、明治時代以降外来種による生態系の変化が起こり、トキやニホンオオカミの絶滅に代表されるような生物多様性の低下が起こっている。また、ニホンザルやイノシシが市街地に出没するなど人間の生活への影響も出ている。
日本の国土の約3分の2が森林である。亜熱帯から亜寒帯にわたるどの地域でも年間雨量は十分にあり、森林が成立可能である。平地の植生は、南側約3分の2は常緑広葉樹林、いわゆる照葉樹林という型であり、それ以北は落葉広葉樹林、ブナ林を代表とする森林である。標高の高い地域ではさらに常緑針葉樹林、一部には落葉針葉樹林がある。南西諸島では熱帯要素が強くなり、多少ながらマングローブが発達する。
2002年(平成14年)現在、日本の森林面積は2,512万haであり、森林率は66%となっている。この数字は、1970年代以降、横ばい状況にあり、減少傾向にある世界各国の森林率から比べれば突出した数値となっている(参考:ブラジル57%、カナダ51%)。
森林の内訳は、天然林が53%(1,335万ha)、人工林が41%(1,036万ha)、その他(標高などの条件により未生育の森林など)6%という比率となっている。このうち人工林は、第二次世界大戦後の拡大造林の影響を受けたことから、スギ林が多数(452万ha)を占めている。
人工林がここまで多い理由として、1950?1970年代前半、空前の住宅建設ラッシュが発生し国内の木材需要が逼迫し、その後1970後半?80年代にかけて木材輸入制限が緩和、海外からの輸入量が急増すると一転して木材価格は暴落した。その結果、日本の山には採算の取れない人工林の多くが取り残されることとなった。
人工林の手入れを怠った場合には、生育ができない、土砂の流出、水源のかん養が十分に発揮されない、年輪がマチマチで節だらけの商品価値の無い立木になる、そして伸ばし放題の枝や葉の影によって周囲の木々の光合成の効率の悪化などの問題が発生する。また放棄されたスギ林では、春先に大量の花粉が発生し花粉症の原因の一つとなっている。
植物桜
亜熱帯のものから亜寒帯のものまで植物の種類が豊富で、多様性に富む。国土のほとんどの地域で、一年の間に湿度の高い時期を経験するので、高湿度に適した植物が多く分布している。コケ植物やシダ植物なども豊富。また、法定ではなく慣習的に菊と桜が国花もしくはそれと同等の扱いを受ける。この他各自治体でも独自の木や花を制定している。
詳細は日本の哺乳類を参照
日本には100種強の哺乳類が生息し、そのうち固有種は3割を超え、7属が固有属である。日本の哺乳類相は、北海道と本州の間にあるブラキストン線、また南西諸島のうち、トカラ列島と奄美諸島の間にある渡瀬線で区切られており、これらを境に、異なる動物群が生息している。