日本銀行は、政府から独立した法人とされ、公的資本と民間資本により存立する。資本金は1億円で、そのうち政府が55%の5500万円を出資し、残り45%にあたる約4500万円を政府以外の者が出資する。出資者には出資口数を証した「出資証券」が発行されるが、出資証券はジャスダック証券取引所に上場され、株券に準じて取引されている。証券コードは ⇒8301。取引の1単元は100株(便宜上の呼称で、正しくは100口)。2005年(平成17年)3月末日時点における政府以外の出資者の内訳は、個人39.2%、金融機関2.7%、公共団体等0.3%、証券会社0.1%、その他法人2.7%となっている。株式会社と異なり、出資者は経営に関与することはできず、役員選任権等の共益権はない。また、自益権に相当する剰余金の配当も、払込出資金額(1株の額面金額に相当、1口あたり100円)に対して年5分(5%)以内に制限されている。なお、売買価格は株式市場における実勢価格であり、「額面の出資金額」とは異なる。売買単位は100口ではあるが、100口券を1口券100枚に分割可能であること及び、100口未満(1〜99口)の買取請求が出来ないことから、単元は1口と考える。
1998年、日本銀行法の全面改正によって、「国家経済総力の適切なる発揮を図るため国家の政策に即し通貨の調節、金融の調節及び信用制度の保持育成に任ずる」、「専ら国家目的の達成を使命として運営せらしむる」機関として位置づけられていた旧法制定当時(太平洋戦争下)の国家総動員・戦時立法色を払拭して、日本ひいては国民経済の発展のために資するための機関と位置づけられて、政府からのその独立性が明確とされた一方で、円で生活している国民の危惧を排せるような、金融政策の透明化が不可欠のものとして求められるようになった。
機能
発券銀行として日本銀行券の発行および管理を行う。
公定歩合操作、公開市場操作、支払準備率操作等の手法により金融政策を実施し、通貨流通量を調整することで物価と国民経済を安定させる。
日本銀行の当座預金を使って銀行などの金融機関同士の取引の決済を行う。つまり銀行の銀行である。
国庫金の出納を行う政府の銀行である。
内国為替業務による円滑な資金決済や、日銀特融などの制度担保(「最後の貸し手」)により金融秩序の安定を図る銀行の銀行としての役割を果たす(預金や融資の取引の相手方は、日本銀行法の定めに基づき指定された金融機関等に限られる)。
各国中央銀行や公的機関との間の国際関係業務(外国為替市場への介入を含む)を行う。
金融経済情報の収集および研究を行う。
経済統計の作成および公表を行う。
企業短期経済観測調査(日銀短観)
企業物価指数、企業向けサービス価格指数
マネーサプライ統計(マネーストック統計に改称される予定)
資金循環統計
国際収支統計(統計作成は日銀、統計公表は財務省)
貸出約定平均金利
預金店頭表示金利
日本銀行国際商品指数
実質輸出入
外国為替相場状況
実質実効為替レート
通常業務
商業手形その他の手形の割引。
手形、国債その他の有価証券を担保とする貸付け。
商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む)又は国債その他の債券の売買。
金銭を担保とする国債その他の債券の貸借。
預金契約に基づいて行う預金の受入れ。
内国為替取引。
有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り。
地金銀の売買その他前各号の業務に付随する業務。
日本銀行の最高意思決定機関は、政策委員会である。政策委員会は9人の委員(総裁・2人の副総裁と6人の審議委員)からなる。政策委員会は、通貨および金融の調節に関する事項(金融調節事項)の方針決定、その他の業務の方針の決定、役員(監事及び参与を除く)の職務の執行を監督する。政策委員会には、政府から財務大臣と経済財政政策担当大臣(またはその指名する財務省と内閣府の職員)が適宜出席する。この政府からの出席者は、意見を述べることができ、また、金融調節事項に関する議案を提出し、その議決の延期を求める事ができる。ただし、これらの者に議決権はなく、延期の求めも委員の議決によってその採否が決められる。
2008年4月9日現在のメンバーは、執行部が総裁白川方明、副総裁西村清彦(もう1名は空席)、審議委員が須田美矢子、水野温氏、野田忠男、中村清次、亀崎英敏である。
日本銀行には役員として、総裁(1人)、副総裁(2人)、審議委員(6人)、監事(3人以内)、理事(6人以内)、参与(若干名)が置かれる。審議委員とそれ以外の役員とで日本銀行法での規定に差異があるため、辞令上の正式表記では審議委員のみ「日本銀行政策委員会審議委員」のように「政策委員会」が冠される(その他の役員は「日本銀行総裁」のように表記)。
総裁、副総裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命する(いわゆる国会同意人事の一つ)。監事は内閣が任命する。理事、参与は政策委員会の推薦に基づいて財務大臣が任命する。
総裁、副総裁、審議委員の任期は5年、監事、理事の任期は4年、参与の任期は2年である。
理事を除く役員は、法に列挙された事由に該当する場合(破産手続開始の決定を受けた時、禁錮以上の刑に処せられた時など)を除き、在任中、その意に反して解任されることがない。また、事故病気や国会不同意等で総裁が職務遂行不能の場合、副総裁が審議会議長になり、職務代行を行う。
総裁:日本銀行を代表し、政策委員会の定めるところに従い、日本銀行の業務を総理する。
副総裁:総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故がある時はその職務を代理し、総裁が欠員の時はその職務を行う。
審議委員:経済又は金融に関して高い識見を有する者等の中から、衆参両議院の同意を得て、内閣に任命され、総裁、副総裁とともに政策委員会を構成する。
監事:日本銀行の業務を監査する。監査の結果に基づき必要があると認める時は、財務大臣、内閣総理大臣又は政策委員会に意見を提出することができる。
理事:総裁の定めるところにより、総裁および副総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故がある時は総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員の時は総裁の職務を行う。
参与:日本銀行の業務運営に関する重要事項について、政策委員会の諮問に応じ、または必要があると認める時は、委員会に意見を述べることができる。民間から、金融界を中心とする財界人と学者が充てられる。
日本銀行の職員数は2005年3月末現在5,052人。職員は総裁が任命し、「みなし公務員」とされる。