日本銀行券
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概説

現在発行中の日本銀行券は、独立行政法人国立印刷局によって製造され、日本銀行に納入されている。納入価格は明らかにされていないが、券1枚あたり十六円程度[要出典]といわれている。日本銀行は、日本銀行法を根拠に、それらを発行し(市中に払い出し)通貨として流通させている。有効な(つまり失効していない)日本銀行券は日本国内で法貨として無制限に通用する強制通用力が付与された紙幣である。

現在、主に流通しているのは2004年発行開始のE券(一万円券五千円券千円券)および2000年発行開始のD二千円券である。二千円券を除くD券は急速に回収されつつある。現在では(記念ではない)硬貨よりも日本銀行券のほうが高額面だが、兌換制度下の頃は、材料不足などを解消するための補助的なものであった。そのため以前は一円券と一円銀貨などが併用された。現在では同一額面の硬貨と日本銀行券の並行発行を避けるのが政府および日本銀行の方針らしい。最近にして最初の事例としては、500円硬貨の発行(1982年)に伴い、C500円券は遅くとも1985年には製造が中止された。各C券、B100円券は発行停止から久しいが、市中流通しているのが稀に見られることがある。


記番号(B券以降)

ここではB券以降の券の記番号について述べる。 記番号とは、ラテン文字(アルファベット)とアラビア数字の組み合わせによる通し番号であり、各券種の日本銀行券1枚ずつ固有のものである。ただし記番号の組み合わせをすべて使い切ってしまった場合、印刷色を変えて再度同じ記番号が使われる。過去の例においては「黒色、青色、褐色、暗緑色」の順に記番号の印刷色が設定された。C千円券(伊藤)では、黒色と青色、D一万円券(福澤)とD五千円券(新渡戸)では黒色と褐色が、またD千円券(夏目)では、この4色すべてが使用された。アルファベットのうち、「I」(アイ)と「O」(オー)は、数字の「1」「0」と紛らわしいため使用されない。

(1) 左端のアルファベットは1文字または2文字であり、概ね2文字のものより1文字のものが製造時期が早い。1文字のものについては、概ね A, B, C ... Z の順番で製造される。2文字である場合、額面五千円以上の券は概ね AA, AB, AC ... BA, BB, BC ... ZX, ZY, ZZ の順に製造され、額面二千円以下の券は概ね AA, BA, CA ... AB, BB, CB ... XZ, YZ, ZZ の順に製造される。なぜ「概ね」なのかというと、印刷局の工場が4か所あり、各工場間の券製造のスケジュール調整がいかになされているかは当局者にしか知り得ないからである。しかし製造時期の早晩を判断する大体の目安にはなる。

(2) アルファベットに挟まれた数字6桁については、000001から900000までの90万通りである。

(3) 右端のアルファベット1文字を「末尾記号」といい、製造した工場を表すが、例外もありうる。

A-H 滝野川工場(東京都北区

J-N,P-R 小田原工場(神奈川県小田原市

S-V 静岡工場(静岡県静岡市駿河区

W-Z 彦根工場(滋賀県彦根市

結局、同一印刷色の記番号で (24x900,000x24)+(24x24x900,000x24) = 12,960,000,000 (129億6千万)枚まで製造・発行できることになる。記番号を数字に例えるなら、上記 (1), (2), (3) のうち、最も上位の桁は (1) で、次が (3)、最下位の桁が (2) である。例えば、一万円券を小田原工場で製造する場合、「AA900000J」の次に製造すべきは「AA000001K」であり、「AA900000R」の次は「AB000001J」である。


デザインの変更

偽造防止の為、B券発行以降は約20年に一度、デザインが変更されている。変更の際には常に最新技術を導入し、偽造対策を施している。デザインの変更がなくても、あとから偽造防止策が導入されることもある。1993年12月1日以降改刷発行されたD一万円券、D五千円券およびD千円券(記番号が褐色、暗緑色であるD券)は、従前のD券とデザインは同じであるが、後述する通り「マイクロ文字」「特殊発光インキ」などの偽造防止策が新規に導入(ミニ改刷)された。

A百円券やB券、C券では聖徳太子と近代政治家の肖像が採用された。聖徳太子は特に高額券に採用され、「お札といえば聖徳太子」のイメージが今でも存在する。1984年のD券以降は、D二千円券を除きいわゆる文化人が肖像に採用されている。D二千円券は人物の肖像ではなく、建築物を像としている点で特異である。


D二千円券およびE券の発行

2000年には二千円券が新たに発行された。しかし二千円券の普及流通については以下のような特異な事情がある。

二十ドル紙幣など「2」のつく単位の通貨が一般的なアメリカ合衆国やヨーロッパ等とは異なり、現代の日本では通貨は「1」と「5」のつく単位であるという認識が一般消費者に浸透しきっており、二千円券を受け入れる土壌は薄かった。なお、外国人旅行者、とくにオーストラリアアメリカ合衆国などおよびその国の出身者には好まれる傾向があるらしい(20ドル紙幣などと感覚が近いから)。

店側が二千円券を受け取っても、一万券同様レジの下段に入れられてしまうなど、お釣りとして二千円券が供給されることなく銀行に還流してしまうことが多い。お釣りとして客に出さないことを方針とする店さえある。

銀行現金自動預け払い機(ATM)による二千円券出金対応があまり進んでおらず、千円券や一万円券と比べると二千円券がATMを通じて供給される機会は(五千券同様)少ない。一方、一部の系列のコンビニエンスストアに設置されているATM(コンビニATM)では、紙幣補充にかかるコストの削減になる(千円券の半分の枚数で同じ金額になる)ことから、出金対応が進んでいる。

乗車券類の自動販売機食券販売機、遊技場パチンコ店・公営競技場等の両替機・自動販売機等の一部では比較的早期に二千円券の入金対応がされた。一方、自動販売機の過半数を占めている飲料たばこを中心とした100円ないし300円程度の商品を販売する自動販売機の二千円券入金対応は、あまり進んでいない。

ATM・両替機・自動販売機等の各種機器の入れ替えが必要となることから、二千円札の新規発行は機器製造業の需要を促し景気回復の起爆剤になると期待する向きもあった。しかしこのような出納機器を導入する企業の立場からすれば、これまでになかった額面券ゆえ、機器更新のみならず保守・運用にも新たなコスト負担が必要な(かつ、普及するか否か先行き不透明な)二千円券の入出金対応については、発行開始当時の沈滞した景気の中では慎重にならざるをえなかった。

日本銀行は「二千円券の利便性」を主張しているが、上述のように、現金の出納を取り扱う機械が多数普及している日本では、二千円券を普及流通させることには困難があった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki