日本語
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語種

詳細は語種を参照

日本語の語彙を出自から分類すれば、大きく、和語漢語外来語、およびそれらが混ざった混種語に分けられる。このように、出自によって分けた言葉の種類を「語種」という。和語は日本古来の大和言葉、漢語は中国渡来の漢字の音を用いた言葉、外来語は中国以外の他言語から取り入れた言葉である。もっとも、和語とされる「ウメ(梅)」が元来中国語からの借用語であった可能性があるなど、語種の境界はときに曖昧である(「語彙史」の節参照)。

和語は日本語の語彙の中核部分を占める。「これ」「それ」「きょう」「あす」「わたし」「あなた」「行く」「来る」「良い」「悪い」などのいわゆる基礎語彙はほとんど和語である。また、「て」「に」「を」「は」などの助詞や、助動詞の大部分など、文を組み立てるために必要な付属語も和語である。

一方、抽象的な概念や、社会の発展に伴って新たに発生した概念を表すためには、漢語や外来語が多く用いられる。和語の名称がすでにある事物を漢語や外来語で言い換えることもある。「めし」を「御飯」「ライス」、「やどや」を「旅館」「ホテル」などと称するのはその例である[64]。このような語種の異なる同義語には、微妙な意味・ニュアンスの差異が生まれ、とりわけ和語にはやさしい、または卑俗な印象、漢語には公的で重々しい印象、外来語には新しい印象が含まれることが多い。

一般に、和語の意味は広く、漢語の意味は狭いといわれる。たとえば、「しづむ(しずめる)」という1語の和語に、「沈」「鎮」「静」など複数の漢語の造語成分が相当する。「しづむ」の含む多様な意味は、「沈む」「鎮む」「静む」などと漢字を用いて書き分けるようになり、その結果、これらの「しづむ」が別々の語と意識されるまでになった。2字以上の漢字が組み合わさった漢語の表す意味はとりわけ分析的である。たとえば、「弱」という造語成分は、「脆」「貧」「軟」「薄」などの成分と結合することにより、「脆弱」「貧弱」「軟弱」「薄弱」のように分析的・説明的な単語を作る[65](「語彙史」の節の「漢語の勢力拡大」および「語彙の増加と品詞」を参照)。

漢語は、「学問」「世界」「博士」などのように、古く中国から入ってきた語彙が大部分を占めるのは無論であるが、日本人が作った漢語(和製漢語)も古来多い。現代語としても、「国立」「改札」「着席」「挙式」「即答」「熱演」など多くの和製漢語が用いられている[66]

外来語は、もとの言語の意味のままで用いられるもの以外に、日本語に入ってから独自の意味変化を遂げるものが少なくない。英語の "claim" は「当然の権利として要求する」の意であるが、日本語の「クレーム」は「文句」の意である。英語の "lunch" は昼食の意であるが、日本の食堂で「ランチ」といえば料理の種類を指す[67]

外来語を組み合わせて、「アイスキャンデー」「サイドミラー」「テーブルスピーチ」のように日本語独自の語が作られることがある。また、当該の語形が外国語にない「ナイター」「パネラー」(パネリストの意)「プレゼンテーター」(プレゼンテーションをする人。プレゼンター)などの語形が作られることもある。これらを総称して「和製洋語」、英語系の語を特に「和製英語」と言う。


単純語と複合語

日本語の語彙は、語構成の面からは単純語と複合語に分けることができる。単純語は、「あたま」「かお」「うえ」「した」「いぬ」「ねこ」のように、それ以上分けられないと意識される語である。複合語は、「あたまかず」「かおなじみ」「うわくちびる」「いぬずき」のように、いくつかの単純語が合わさってできていると意識される語である。「語種」の節で触れた混種語、すなわち、「プロ野球」「草野球」「日本シリーズ」のように複数の語種が合わさった語は、語構成の面からはすべて複合語ということになる。

日本語では、限りなく長い複合語を作ることが可能である。「平成十六年新潟県中越地震非常災害対策本部」「服部四郎先生定年退官記念論文集編集委員会」といった類も、ひとつの長い複合語である。国際協定のGATTは、英語名は "General Agreement on Tariffs and Trade"(関税と貿易に関する一般協定)であり、ひとつの句であるが、日本の新聞では「関税貿易一般協定」と複合語で表現することがある。これは漢字の結合力によるところが大きく、中国語朝鮮語などでも同様の長い複合語を作る。なお、ヨーロッパ語を見ると、ロシア語では "человеконенавистничество"(人間嫌い)、ドイツ語では "Naturfarbenphotographie"(天然色写真)などの長い語の例を比較的多く有し[68]英語でも "antidisestablishmentarianism"(国教廃止条例反対論。英首相グラッドストンの造語という[69])などの語例がまれにある。

接辞は、複合語を作るために威力を発揮する。たとえば、「感」は、「音感」「語感」「距離感」「不安感」など漢字2字・3字からなる複合語のみならず、「透け感」「懐かし感」「しゃきっと感」「きちんと感」など動詞・形容詞・副詞との複合語を作り、さらには「『昔の名前で出ています』感」(=昔の名前で出ているという感じ)のように文であったものに下接して長い複合語を作ることもある。

日本語の複合語は、難しい語でも、表記を見れば意味が分かる場合が多い。たとえば、英語の "apivorous" は生物学者にしか分からないのに対し、日本語の「蜂食性」は「蜂を食べる性質」であると推測できる[70]。これは表記に漢字を用いる言語の特徴である。


表記

詳細は日本語の表記体系を参照

現代の日本語は、漢字平仮名片仮名を用いて、常用漢字現代仮名遣いに基づいて表記されることが一般的である。アラビア数字ローマ字(ラテン文字)なども必要に応じて併用される。漢字の読み方には中国式の読み方である音読みと、大和言葉の読み方をあてた訓読みが存在し、習慣によって使い分けている。厳密な正書法はなく、正書法の必要性を説く主張[71]や、その反論[72]がしばしば交わされた。

仮名の体系は文化的中心地の言葉を書き表すために発達してきた。したがって、他の方言の音韻体系を記すためには、仮名は必ずしも適していない。


字種

平仮名・片仮名は、現在以下の46字ずつが使われる。

平仮名  あいうえお かきくけこ さしすせそ たちつてと なにぬねの はひふへほ まみむめも やゆよ らりるれろ わを ん
片仮名  アイウエオ カキクケコ サシスセソ タチツテト ナニヌネノ ハヒフヘホ マミムメモ ヤユヨ ラリルレロ ワヲ ン

このうち、「゛」(濁音符)および「゜」(半濁音符)をつけて濁音・半濁音を表す仮名もある(「音韻」の節参照)。拗音は小書きの「ゃ」「ゅ」「ょ」を添えて表し、促音は小書きの「っ」で表す。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki