日本国憲法の本文は、11章103条からなる。大別して、人権規定、統治規定、憲法保障の3つからなる。人権規定とは、国民の権利などを定めた規定であり、主に「第3章 国民の権利及び義務」にまとめられている。このことから、第3章は、別名「人権カタログ」と呼ばれている。統治規定とは、国家の統治組織などを定めた規定であり、「第1章 天皇」「第4章 国会」「第5章 内閣」「第6章 司法」「第7章 財政」「第8章 地方自治」など多岐にわたる。憲法保障とは、憲法秩序の存続や安定を保つことであり、そのための規定や制度としては、憲法の最高法規性が宣言され(98条)、公務員に憲法尊重擁護義務が課され(99条)、憲法改正の要件を定めて硬性憲法とする(96条)ほか、司法審査制(81条)や権力分立制なども挙げられる。
日本国憲法は、本文の他に、上諭と前文が備わっている。
上諭とは、単なる公布文であって憲法の構成内容ではない。しかし、制定法理との関係で問題となり、注目される。この上諭には、「日本国民の総意に基いて」という国民主権的文言と、天皇主権の帝国憲法の改正手続が並列して記されているからである。(下記「制定法理」参照。)
前文とは、法令の条項に先立っておかれる文章であって、その法令の趣旨・目的・理念などを明示するものである。日本国憲法の前文には、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本国憲法の三大原理が示されている。特に、大戦直後という歴史的背景から、平和主義が強調され、これを根拠に個人の人権として平和的生存権を導く見解もある。もっとも、権利の内容と主体がはっきりしないため、理念的な権利としてはともかく、裁判で主張できるような具体的な法的権利性を前文から直接に導き出すことは困難であると一般的に考えられている(参照:恵庭事件)。
条章構成は以下の通り。全文はウィキソースを参照のこと。各条章の詳細については条章別の記事を参照のこと。日本国憲法下の統治機構図
上諭
前文
第1章 天皇(第1条〜第8条)
第2章 戦争の放棄(第9条)
第3章 国民の権利及び義務(第10条〜第40条)
第4章 国会(第41条〜第64条)
第5章 内閣(第65条〜第75条)
第6章 司法(第76条〜第82条)
第7章 財政(第83条〜第91条)
第8章 地方自治(第92条〜第95条)
第9章 改正(第96条)
第10章 最高法規(第97条〜第99条)
第11章 補則(第100条〜第103条)
人権規定は、主に第3章にまとめられている。人権は、包括的自由権、法の下の平等、精神的自由、経済的自由、人身の自由、受益権、社会権、参政権などに大別される。
まず包括的な人権規定、包括的自由権である生命・自由・幸福追求権(13条)がある。プライバシーの権利、自己決定権などの新しい人権は、同条により保障される。また、14条では法の下の平等が定められる。同条2項は貴族制度の禁止と栄典に伴う特権付与の禁止を定める。同条のほか、24条では両性の平等が、44条では選挙人資格などの平等が定められている。