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2007年
1月25日召集の第166回通常国会に前会から継続、同日同委員会に付託される。
2月14日、与党側は5月3日(憲法記念日)までに与党単独でも法案成立を目指す方針を確認。これに対し民主党は対決姿勢を示唆し、前年から続けられてきた自公民3党合意新法案作成の動きが頓挫、その後成案が国会に提出されることはなかった。
3月11日、安倍首相がNHKのテレビ番組内で「できれば(国民投票法案を)今国会中に成立させたいが、(5月3日までの成立は1つの象徴だろうがその日程には)こだわらない」と語る。公明党が、「もし早い段階で与党だけで強行採決になり国会が混乱すると、4月8日の統一地方選挙に悪影響がある」と懸念していて、安倍首相がそれを受け入れた形となった。
3月22日に第1回中央公聴会を、3月28日に新潟県と大阪府で地方公聴会を、4月5日に第2回中央公聴会を、それぞれ衆議院憲法調査特別委員会の主催により開催した(日程は事実上与党主導による)。
3月27日、与党案と民主党案を1つの案として併合するための修正案が与党から提出される。
4月10日、民主党が自党案に対する修正案を提出。
4月12日、衆議院憲法調査特別委員会において採決。民主党提出修正案が起立少数で否決、与党提出併合修正案が起立多数で可決された。
4月13日、衆議院本会議において、民主党が自党案に対する新たな修正案を直接上程するも起立少数で否決され、自民・公明の起立多数で委員会報告のとおり与党提出併合修正案が可決、同案は参議院に送付された。与党提出併合修正案に対して民主、共産、社民は反対し、国民新党は採決前に退席した。民主党提出修正案は、憲法改正国民投票に加えて、重要な国政問題(統治機構や生命倫理の問題など。詳細は他の法律で改めて規定)についての国民投票制度の創設に関する条項を含むものであったが、採決で起立したのは民主党だけであった(共産、社民は与党・民主党両案に反対)。なお、民主党では前原誠司前代表を始め、7人が欠席、1人が途中退席した(いずれも外遊、もしくは選挙の応援のためなどとしており、民主党執行部も特に問題視せず)。
4月16日、衆院から送付された併合修正案が参議院日本国憲法に関する調査特別委員会(憲法調査特別委員会)に付託される。
4月24日に仙台市と名古屋市で、5月7日に札幌市と福岡市で、5月10日にさいたま市と横浜市で、それぞれ参議院憲法調査特別委員会の主催による地方公聴会が開催された(日程は事実上与党主導による。中央公聴会は開催されず)。
5月8日、参院民主党が参議院議員提出法案として「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」を提出、同日参議院憲法調査特別委員会に付託される。
5月11日、参議院憲法調査特別委員会で議員提出法案としては異例となる総理・関係閣僚出席のもとでの質疑等が行われた後、併合修正案の採決が行われ、自民・公明の起立多数で可決。この際、18項目にわたる附帯決議がなされた(こちらは民主党も共同提案に加わり起立賛成)。なお、参院民主党提出法案の採決は行われなかった。
5月14日、参議院本会議で自民・公明両党などの賛成多数(ボタン式投票、賛成122・反対99)で委員会報告のとおり併合修正案が可決、成立した。なお、民主党では渡辺秀央元郵政大臣が党議拘束に造反し賛成した。
5月18日、法律第51号として公布。
法律の概略
対象・投票権者
国民投票の対象は憲法改正のみに限定(1条)。
投票権者は18歳以上の日本国民(3条)。ただし、18歳以上の者が国政選挙で投票できるように公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢(20歳以上)などの規定について検討し必要な法制上の措置を講じて、18歳以上の者が国政選挙で投票することができるように改正するまでは、国民投票の投票権者も20歳以上とする(附則3条)。
成年被後見人は投票権を有しない(4条)。在外邦人にも投票権はあり(62条)、いわゆる公民権停止を受けた者も投票権者から除外されていない。
憲法改正原案
各院に憲法審査会を設置し、憲法改正原案について審査を行うが、公布後3年間憲法改正原案の発議は凍結する(附則1条、同4条)。
憲法改正原案は、衆議院100名以上、参議院50名以上の議員の賛成で国会に提出できる(国会法第68条の2)。
憲法改正原案の発議は内容において関連する事項ごとに区分して行う(個別発議の原則、国会法第68条の3)。
憲法審査会
憲法審査会規程(仮称)は未だ制定されておらず、組織としての活動は始まっていない。審査会の設置に関する条項は2007年8月の臨時国会召集とともに発効するが、構成と運用を規定する審査会規程が定まっていないため設置は実現していない(2008年3月現在)。これを受けた超党派議員ら(新憲法制定議員同盟)が2008年1月10日に衆参両院議長へ規定策定を要請する318人分の署名を提出。同議員同盟はその理由を「5か月以上も立法府が自ら制定した法律を守らず、憲法論議に入らない」ためとしている。
投票方法
国会発議後は、60?180日間ほどの期間を経た後に国民投票を行う(2条)。
国民投票は、憲法改正案ごとに1人1票の投票を行う(47条)。
投票用紙(縦書き)にあらかじめ印刷された「賛成」または「反対」の文字(いずれもルビ付き)のどちらかに○をつける方法で投票を実施(57条)。
印刷されている「賛成」の文字を二重線を引く等して消した票は反対として扱い、「反対」の文字を二重線で引く等して消した票は賛成として扱う(81条)。
投票の結果
投票総数(賛成票と反対票の合計。白票等無効票を除く)の過半数の賛成で憲法改正案は成立(126条、98条2項)。
最低投票率制度は設けない。
無効訴訟
無効訴訟は国民投票の結果の告示から30日以内に東京高裁に投票人が提起することができる(127条)。
訴訟を提起しても国民投票の効力は原則停止しない。
憲法改正が無効とされることで重大な支障を避けるため緊急の必要があるときは、本案について理由がないと認めるときを除き、憲法改正の効力を全部又は一部を判決確定まで停止することができる(133条)。
投票運動
選管委員や職員及び国民投票広報協議会事務局員に限定して国民投票運動を禁止する(101条)。
公務員や教育者の、地位を利用した投票運動を禁止(103条)。罰則は設けないが、公務員法上の懲戒処分の対象にはなる。
公務員の国民投票運動及び意見表明に関する、国家公務員法及び地方公務員法上の政治的行為に対する規制については、賛否の勧誘が不当に制約されないよう法制上の検討を行う(附則11条)。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:Mamenoki