日本国憲法の改正手続に関する法律
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4月13日に衆議院本会議で可決され、参議院に送られ5月11日に参議院憲法調査特別委員会で可決された。5月14日参議院本会議で可決され成立、5月18日に公布された。一部を除き公布から3年後の2010年5月18日に施行される。


概説

日本国憲法第96条第1項は、憲法の改正のためには「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」旨を規定しており、憲法を改正するためには、国会における決議のみならず、国民への提案とその承認の手続を必要とする旨が憲法上規定されている。ところが、具体的な手続については憲法上規定されておらず、改正を実現するためには、法律により国民投票等に関する規定を定める必要があると考えられている。本法はかかる規定に対応するものである。


歴史

日本国憲法1947年の施行以来、1度も改正されていない。日本国憲法はいわゆる「硬性憲法」であり、その改正には国会での加重要件による決議を経た発議を受けて、国民投票を行う必要がある。この国民投票に関する法律は制定されてこなかった。

憲法制定以来、憲法を改正すべきとする意見と、憲法は変えるべきではないとする意見が対立してきた。日本国憲法の改正に必要な要件が通常の法律の制定・改正に必要とされる要件よりも加重されているため、一般に日本国憲法を改正する可能性を探ってきた自由民主党がほぼ一貫して与党の地位を得ていたにも関わらず、憲法の改正はなされていない。そのため、これまでの時代への対応は、解釈の変更によりなされてきたとされる。

過去には1953年自治庁が国民投票法案を作成し、首相一任となるが「内閣が憲法改正の意図を持っていると誤解を招く」とし、閣議決定は見送られた。

自民党主流派が国会対策族を中心に国民投票法制定に消極的な意見が多かった事は戦後60年にわたり国民投票法が制定されなかったことも1つの原因である。


実質的な議論への移行

俗に55年体制が崩れ改正論議自体がイデオロギー対決に利用されることも少なくなり、国民投票法に関する議論はより実質的な点に移った。1999年には、自由党が憲法改正に向けた国民投票法案を策定するなど、自由民主党以外の政党から憲法改正ないしは国民投票法制定に向けた動きが起こった。

具体的に、国民投票法での規定が検討された内容としては、投票可能な年齢や公民権停止者を含むかといった有権者の範囲、過半数の賛成が求められる国民投票の母数は、有権者総数なのか有効投票数なのかという問題、メディアに対する規制、改正案の発布から投票までの期間の長さ、改正案に対する一括投票か個別の改正条文案への是非を問うかどうか、などの諸点が挙げられる。


成立の経緯


2006年

5月26日、第164回通常国会において、与党(自民公明党)案である「日本国憲法の改正手続に関する法律案」、民主党案である「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」がともに衆議院議員提出法律案(議員立法)として国会に提出される。

6月1日、衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会(憲法調査特別委員会)に付託される。6月18日、同国会の閉会により閉会中審査に付され後会に継続。

9月26日召集の第165回臨時国会に前会から継続、9月28日、同委員会に付託される。

10月26日、衆議院憲法調査特別委員会内に「日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会」を設置。同小委員会では5回にわたり延べ17人(実質14人)の学識経験者・報道関係者等の参考人から意見を聴取。12月19日、同国会の閉会により閉会中審査に付され後会に継続。

与党・民主党両案の審査と並行して、自民党、公明党、民主党の3党合意を前提とした新たな法案も模索され、自民党の船田元衆議院議員、民主党の枝野幸男衆議院議員らが中心となって合意に向けた協議が行われた。


2007年

1月25日召集の第166回通常国会に前会から継続、同日同委員会に付託される。

2月14日、与党側は5月3日憲法記念日)までに与党単独でも法案成立を目指す方針を確認。これに対し民主党は対決姿勢を示唆し、前年から続けられてきた自公民3党合意新法案作成の動きが頓挫、その後成案が国会に提出されることはなかった。

3月11日、安倍首相がNHKのテレビ番組内で「できれば(国民投票法案を)今国会中に成立させたいが、(5月3日までの成立は1つの象徴だろうがその日程には)こだわらない」と語る。公明党が、「もし早い段階で与党だけで強行採決になり国会が混乱すると、4月8日統一地方選挙に悪影響がある」と懸念していて、安倍首相がそれを受け入れた形となった。

3月22日に第1回中央公聴会を、3月28日に新潟県と大阪府で地方公聴会を、4月5日に第2回中央公聴会を、それぞれ衆議院憲法調査特別委員会の主催により開催した(日程は事実上与党主導による)。

3月27日、与党案と民主党案を1つの案として併合するための修正案が与党から提出される。

4月10日、民主党が自党案に対する修正案を提出。

4月12日、衆議院憲法調査特別委員会において採決。民主党提出修正案が起立少数で否決、与党提出併合修正案が起立多数で可決された。

4月13日、衆議院本会議において、民主党が自党案に対する新たな修正案を直接上程するも起立少数で否決され、自民・公明の起立多数で委員会報告のとおり与党提出併合修正案が可決、同案は参議院に送付された。与党提出併合修正案に対して民主、共産、社民は反対し、国民新党は採決前に退席した。民主党提出修正案は、憲法改正国民投票に加えて、重要な国政問題(統治機構や生命倫理の問題など。詳細は他の法律で改めて規定)についての国民投票制度の創設に関する条項を含むものであったが、採決で起立したのは民主党だけであった(共産、社民は与党・民主党両案に反対)。なお、民主党では前原誠司前代表を始め、7人が欠席、1人が途中退席した(いずれも外遊、もしくは選挙の応援のためなどとしており、民主党執行部も特に問題視せず)。

4月16日、衆院から送付された併合修正案が参議院日本国憲法に関する調査特別委員会(憲法調査特別委員会)に付託される。

4月24日に仙台市と名古屋市で、5月7日に札幌市と福岡市で、5月10日にさいたま市と横浜市で、それぞれ参議院憲法調査特別委員会の主催による地方公聴会が開催された(日程は事実上与党主導による。中央公聴会は開催されず)。

5月8日、参院民主党が参議院議員提出法案として「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」を提出、同日参議院憲法調査特別委員会に付託される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki